新しいSTAGEに向かう全ての人々へ
昨日「STAGE」という新しいPlug and Play Japanの取り組みを発表しました。
9月末に6日間に渡るSummit(Demo Day)があるにも関わらず、その2週間前のタイミングでのイベント実施、またあまり準備期間が十分にない中にも関わらず”Goサイン”を出すと決められたのは、メンバーを始めとした周りの方々のおかげです。まだ告知が始まったばかりですが、これからご登壇いただく、ご協力いただく方々にも先に「ありがとうございます」と伝えたいと思います。
今年の2月の頭、Startup AutobahnのEXPOに参加するために私はドイツのシュトゥットガルトにいました。Plug and Play Japanが実施するイベントを今後どうアップデートしていくのかを考えるために参加していたのですが、EXPOというイベント作りはもちろんStartup Autobahnが築いてきたオープンなコミュニティ作りについても色々なヒントを得ることができました。
さあ、それを日本で!・・・・・と思った矢先に新型コロナウイルスの感染拡大、です。採択スタートアップの半数が海外のスタートアップであるため各社の来日も叶わず、私たちのオンラインイベントの体制もまだ整っていなかったため3月に予定していたWinter/Spring 2020 Batch のSummitは中止に。その後急ピッチでオンラインイベントの体制を整え、Monthly Pitchイベントの「SIX」を始めとして、「新型コロナウイルスに立ち向かうためのテクノロジーとは」「リーマン・ショック期の起業家と投資家が語るコロナ禍の成長戦略」など様々なオンラインイベントを開催できるようになりました。
3月に予定していたKyoto のEXPOも5月に改めて実施し、ウェビナータイプのイベントからオンラインだからこそできるタイプのイベントも模索しながら実施してきました。
Plug and Playだけではなく外を見ても、この半年で驚くほどオンラインでのイベントは増えたと思います。実際は移行せざるを得なかったというのが正しい表現だと思うのですが、Peatixさんが発表されている6万件のイベント・2,000人のデータからみる調査を見ていても、いかにこの変化が早く大きなものか実感することができると思います。
事態は一進一退、ワクチンの開発にもまだまだ時間がかかりそうですし第二波と呼ばれている状況もちらほら。会場にみんなが集まる大規模なイベントは、今の状況だと数年先まで実施できないというのが大方の見方です。そしてもはやオンラインでの実施が当たり前で、かつてのような大型イベントはもはやなくなる・・・とする見方も。
もちろん全てのシナリオに可能性があると思います。そして100%になるかは別として”オンライン”の活用は今後は避けて通れないでしょう。オンラインになることで物理的な距離は簡単に超えられるようになりました。でも、オンラインがまだ超えられていないことがいくつかあります。
その一つは時差・・という話はまたぜひ別にしたいのですが、別の要素の一つが現場感です。臨場感、雰囲気、熱量・・・色々な表現の仕方があると思いますが、オフラインにあってオンラインでまだ表現し切れていない点だと思います。オンラインイベントにも様々なタイプがあります。私たちも様々なオンラインイベントを実施してきましたが、Summitなどの大型のイベントでのあの臨場感やピッチの熱量をなんとかオンラインでも届けたい。
そんな時に出会ったのが、出来たばかりのTOKYO PORTCITY TAKESHIBAです。9月14日に開業するこの施設のPORT HALLにあるステージを使って何か出来ないか・・というお話をいただいた時に、時期的なタイミングを考慮して実現は難しいと判断していま・・した。でも現地を視察させていただいてステージを見た瞬間にチーム全員の顔が変わりました。
壁一面の大型スクリーンとオープンな空間。ここでピッチする人々のイメージが即座に浮かびました。オンラインイベントでもグリーンバックを活用した取り組みも多くありますが、この”ステージ”を使っていくことで、私たちが課題に思っていた”現場感を届ける”ということが実現するのでは、と。
時間がないことはわかっていても、そこからチームで様々な議論をしました。そして行き着いたのが「STAGE」です。
Set the STAGE >> ステージという場所を作る
Take the STAGE >> ステージに上がる
The next STAGE >> 次のステージに向かう
Stageの語源は「立つ所」というラテン語とのこと。これから私たちがどのような未来に向かうのか。様々な人にとってのスタートライン、そして場所、変化の段階がこのSTAGEになるといいなと思っています。
これを続けていくのか、まだ実際は決めていません。毎年なのか、年に2回なのか、はたまた2年に1回なのか・・・今回のSTAGEを通して考えていきたいと思います。だからこそ沢山の方にご参加いただき、沢山フィードバックをいただきたいです。
Innovation should be open to Anyone, Anywhere
これはPlug and Playが掲げるVisionです。どうしてもスタートアップを取り巻くCommunityは”オープン”にはなりづらいのが現状です。Plug and Playのアクセラレーションプログラムも、テーマ別でプログラムが進行していくことや採択できるスタートアップの数には限界があります。またプログラムの大きな特徴である大企業とのコラボレーション、という観点ではスタートアップののニーズと合わない場合があります。
プログラムにとらわれずオープンに、ということで今年はSIXというMonthly Pitchも実施していますが、今だからこそ”さらに”オープンな場が必要だと考えています。今はまだ色々な制約がありますが、今の点が未来のどこかに繋がっていく、そう信じています。
まだ公開出来ていない情報も多いですが、参加した全ての方々がこのSTAGEを通じて次の未来に繋がっていく、そんな1日にしたいと思っています。ぜひみなさんとSTAGEでお会いできればと思います!