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1年間で82人採用!2024年の採用広報施策とnote成功の裏にあった3度目の正直

こんにちは!株式会社Helpfeelで広報を担当している、河端です。
この記事は『広報note勉強会』のアドベントカレンダー企画、12月19日分の記事です。企画を主催されたやえがしさん、機会をいただきありがとうございます!

2024年の広報は、採用広報も頑張った1年でした。なんと1年で82人の方をお迎えしました!この急成長ぶりの一部はNext SaaS Media Primaryさんが公開している「SaaSスタートアップ従業員増加ランキング」でご紹介いただきました、ありがとうございます!

今年の採用広報施策のなかでも特に感慨深いのはnoteの立ち上げです。なにせ、私が知る限り過去に2回失敗しているので、、、。今回の記事では、なぜ過去2回失敗してしまったのか、そして3回目の立ち上げ時の取り組みや、今後の課題についてまとめてみようと思います。
これから会社のアカウントでnoteをやろうと考えている方の参考になれば幸いです。


採用広報のテーマは「Helpfeelをキレッキレでイケてるスタートアップだと伝える」こと

まずHelpfeelの広報を説明すると、いわゆるコーポレート広報、プロダクト(サービス)広報、社内広報、そして採用広報も担っており、非常に幅が広いです。
なかでも採用広報については、2024年は大幅な採用増加計画を引いていたこともあり、採用活動自体は採用チームが中心であるものの、広報チームとしてもこれを後押しすることが重要なミッションでした。
その結果、今年1月から12月までに82名の方にご入社いただきました。Helpfeelにご入社いただき、本当にありがとうございます&ようこそ!

私たちは毎日Cosenseを使いミーティングの議事録や報連相などあらゆる情報共有をしていますが、Cosenseをたどると23年秋時点の採用の課題として上がっていたのが、「Helpfeelは良く悪くも優しい雰囲気が伝わっている」ということでした。
私たちの働き方の特徴の一つが「フルリモート・フルフレックス」ですが、これが候補者に「ゆるい雰囲気の会社」だと伝わってしまっているのでは?という仮説があったのです。

ちょうど会社のフェーズとしても、0→1はほぼ終わりこれから拡大に向かっていく時期。この時期に特にリーダーやミドルマネジメント層を見据えた高い志とスキルを持った人にHelpfeelの門を叩いてほしい、そう思った時にリモートでわいわい楽しく働けているという情報だけでは魅力的には映らないのではと考えました。
私たちの実績、成長率、ポテンシャルを伝えるHelpfeelのブランディングやPRを含めた情報発信のあり方を見直そうと考えたのです。

この課題に対し2024年はさまざまな施策を打ってきました。
施策の一つがPIVOTさんへのタイアップ出演です。

どのように企画を進めたかなどの詳しい話はまたいつかnoteに書ければと思いますが、2023年の12月に公開されたこの動画が明らかに2024年の採用に追い風になったと感じています。
候補者のほとんどがPIVOTの動画を見てくれるようになり、弊社への理解と志望度を深めていただけるようになりました。
詳しくは、代表の洛西がPIVOTさんのインタビューに答えておりますので、ぜひご覧ください!

次に着手したのが新しい採用サイトです。

これまでの採用サイトには必要な情報が足りなかったり、更新性という観点
で扱いづらさがありました。
PIVOT出演という強力なコンテンツが出来上がったこともあり、これと連動して採用サイトでの伝え方も変える必要がありました。
ここもどんなふうに進めたのか、ここでは語りきれないのでまたどこかでまとめたいと思いますが、2024年1月にプロジェクトスタートして春には完成。

新しい採用サイトはStudioで作ることにし、写真やデザインを刷新。写真掲載に協力してくれる社員を募集しリニューアルしました。同時に伝えたいメッセージコンテンツを制作したり、応募プロセスなどもビジュアライズして伝えたいメッセージをわかりやすく伝えられるように意識しました。

そして新採用サイトのスタートとともに必要になったのが採用コンテンツの充実です。私たちはここをnoteで解決しようと考えました。

実はnoteの立ち上げに2度失敗しています

私は2021年の4月に旧Nota(現在のHelpfeel社)に入社していますが、私が知る限り、実は現在までにnoteをやるぞ!とプロジェクト化されたのは3回あります。

【2021年7月】はじめてのnote挑戦と、失敗

まず1回目は2021年7月。マーケティング部内でnoteを書こう!と言い始めたのが始まりでした。

当時のマーケティング部はデザイナーを除くと私を含めて3人。会社のフェーズとしてはマーケティング部が立ち上がったばかりで、最初のCM放映を実施したタイミングでした。

当時の議事録のページのタイトルは「マーケティングチームnoteプロジェクト」。立ち上げ期に実施したことを記録しようとしており、コンテンツマーケを立ち上げた話やリード獲得術、初めてのタクシーCM、HubspotやSalesforece運用などが案として書かれています。
ちなみに私自身の経験を執筆する案として出されていたテーマは、「入社後1週間でセミナーの司会をやらされた話」「全然違う業種から転職してセミナー運営をやってる話」というものがありました。3年前なので懐かしいですね。

やらされたは語弊がありますね、やらせていただきました(笑)

当時、3人でネタ出しをしたあとでそれぞれがBacklogで期限を決めてタスク設定をするまでは完璧でした。しかし当時のマーケチームは3人。他の業務に忙殺されて記事を書く余裕はなくいつの間にかnoteをやるぞプロジェクトは自然消滅してしまいました。

【2023年3月】2度目note挑戦、そしてまたしても失敗

2回目にnote立ち上げの話が出たのは2023年の3月です。議事録のタイトルは「マーケ部note書くぞプロジェクト」。
採用広報を目的に、初回と変わらずマーケティング部でスモールスタートしようとしていました(当時のマーケティング部の構成は、採用、デザイナー、広報も入れて11人) 。
「自分の普段の業務の学びを社外へ発信していきたい」「コーポレートサイトのブログよりももう少しラフに日常的に発信していきたい」を背景に、記事のテーマや案を書き合っていました。

メンバー同士で書いてほしいテーマをリクエストしあっていました(スクショは私へのリクエスト内容)

おりしもちょうどこの2023年は、12月に20億円の資金調達を発表することになるので、振り返って考えると調達後に採用を加速させる下地を作るという意味で、note立ち上げのタイミングとしては悪くなかったと思います。

しかし、これを継続させていくことはできませんでした(自分の反省も込めて書いています)。

いま振り返ると、この時期に立ち上げられなかった理由は3つありました。理由の1つはこの3月時点では資金調達がいつ実施されるのかはわからなかったため、noteに記事を書いていくべき理由が薄かった、ということがあげられます(自戒を込めて書いています)。つまりこの時点では緊急度、優先度が高いとは捉えていなかったということです(何度も言いますが自分の反省を込めて書いています)。

2つ目は個人noteからスタートしようとしていたことです。取り組みの優先度が個人の裁量に委ねられるため、プロジェクトコントロールが難しいという問題もありました。1回目のnote立ち上げチャレンジの時も同じことを感じましたが、個人noteの執筆にどこまで強制力を持たせるかというのはなかなか難しいと感じています。

そして理由の3つ目は、「noteやってくぞワーキンググループ」のような自発的な取り組みとしてスタートしたこともあり、目標を置いてプロジェクトをゴリゴリ回すという立て付けではなかったことも大きかったかなと思います。それもあってnoteの立ち上げにコミットしていくぞというムーブが弱くなってしまったのかもしれません。

noteの立ち上げ3度目のきっかけは「情報がバラバラだったから」

2度失敗したnoteですが、「やっぱりnoteをやろう!」というムーブメントが起こったのが2024年4月のこと。広報チームのミーティングで、「SNSやブログの発信がバラバラだから整理したいよね」という話が出たのがきっかけでした。

当時、採用広報のコンテンツを、コーポレートサイトのブログとWantedlyのストーリー、どちらに投稿するかで迷っていました。
結局、候補者に見てもらいやすいので採用関連の情報発信はWantedlyに寄せる方針に。一方で、会社全体の広報的な記事はコーポレートサイトのブログに載せていました。

さらにエンジニアたちは、はてなブログを使って技術的な情報を発信する文化もありました。しかし、それぞれの発信がバラバラで、採用・広報・エンジニアの記事が一つにまとまっていないことを課題に感じていました。
そこで、「Helpfeel社全体の情報を発信できる場所を作ろう!」と話がまとまり、オウンドメディアとしてnoteを再活用することになったのです。

過去2回のnote立ち上げ失敗を振り返ると、大きな課題は「コンテンツを継続的に発信する体制が整っていなかったこと」「プロジェクトの目的と目標設定が曖昧だったこと」の2点でした。

3回目の挑戦が成功した鍵は、これらの課題を解消するための体制を構築したことでした。

成功のポイント1.法人向けの有料プラン「note pro」の導入をきっかけに目指す姿が言語化された

まず、noteは無料プランではなく有料プラン「note pro」を導入しました。note proを利用することで設定や仕様の面で必要な機能を備えることができ、長期的な運用を見据えた準備が整いました。
また、note proの月額コストは広報費から捻出するため、結果として「この施策の目的は何か」「どのように活用し、どのような効果を目指すのか」を明確に定義する必要がありました。

目的やコンセプトの明確化には、noteの担当者から提供いただいた専用のシートを活用しています。これにより、具体的な方向性を定めるとともに、代表の洛西にも内容を説明し、納得を得るプロセスを踏みました。
こうした準備を整えたことで、プロジェクトに対する社内の理解と協力を得ることができ、スムーズな立ち上げが実現したと感じています。

成功のポイント2.note編集チーム体制:インタビュー記事無双の広報メンバーが参戦

また、プロジェクトチームの体制も成功の要因だと感じています。
今回はオウンドメディアをやっていくために頼もしいメンバーが集結しています。

まずはコンテンツ制作部分。コンテンツ制作は時間がかかり、とても1人では複数記事をスピーディに制作できません。インタビュー記事を1本制作するにも、いくつものステップがありますよね。

企画内容を考えて必要に応じて取材項目を作成
社員への依頼や説明
外部ライターさんやカメラマンさんのアサインと日程調整
事前BF
ライターさんからあがってきたドラフト原稿の確認と校正
カメラマンさんからあがってきた写真の確認と原稿への入れ込み、必要に応じてトリミング
入稿
公開と社内周知
SNS投稿

コンテンツ制作のステップ例

これらを広報チームのメンバーが強力にサポートしてくれました。
広報チームは日頃から外部スタッフの方と連携して社外に向けたコンテンツを制作しているので、この一連の流れにおいては一日の長があります。特に弊社の広報は事例インタビューだけで年間25本をこなしているので朝飯前レベルでできてしまうと言っても過言ではないかもしれません。

成功のポイント3.note編集チーム体制:頼れるビジュアル職人のデザイナーが参戦

またチームにデザイナーがいることもとても大きいです。
記事のアイキャッチはもちろん、カバー画像などデザインによって全体のトーンや印象は変わる部分が大きいです。ここを頼れる人がチームにいるのはとてつもない安心感があります。
さらにnoteのスキリアクションには弊社のCHO(チーフ・ヘルプ・オフィサー)の画像を登録するなど遊び心をくすぐられる工夫をしました。こういったアイデアも編集長とデザイナーで考えてくれて実装しています。

スキを押したところ思いがけずCHO(青ゴリ)が出てきて爆笑したことを報告するCTO(Slackのスクショより)

成功のポイント4.他部署メンバーをスカウトし、あの手この手で編集長に任命

また私が出版社出身だからか、発信プラットフォームを安定運用していくためには、編集長ポジションが必要だと感じていました。
どのような発信をしていくのか、つまりどんなメッセージを発信するのかはHelpfeelに色をつけていくことと似ています。会社アカウントでの発信は間違いなく「Helpfeelらしさ」を深めていくことになるので全体のトーンを見る人が必要だと思っていました。

編集長ポジションを考える時に外せないのは、Helpfeel社におけるテキスト界隈の絶対王者、テクニカルライターチームです。今回、そのチームにいる方がなんと編集長をやってくださることになったのです!!

正確には、初日からズバリと「あなた編集長ね!よろしく!」とお願いしたわけではなく、ふんわりnoteプロジェクトにご招待して巻き込んでお力をお借りする作戦を実行しました。毎回その方に私から手をかえ品をかえアピールしたことも功を奏した(?)のかもしれません。

「noteには編集長って必要だと思うんですよね〜」
「全体を見る人が必要だと思うんですよね〜」
「◯◯さんにやってほしいなぁ〜と思ってるんです、えへへ」
「私は◯◯さんに編集長をやってほしいと思っているし、もう実質ゆるやかにそうなっていると思うんですよ(?)」

実際に私が声かけしたパターンです

私のお願いを快く受け入れていただき、早速バリバリとやってくださって本当にありがとうございます!

成功のポイント5.採用×広報タッグ結成!合同会議でPDCAを回す

運用を安定させるために、採用チームと広報チーム合同の施策会議を定期的に実施しています。この会議では、目標採用数を達成するために必要な情報発信や施策について話をしています。

採用チームからは進捗や不足しているポジションの共有があり、広報チームからは採用に効果的な情報や施策案を提供しています。また、この場でnoteのPV報告や企画の進捗確認、新規アイデアの相談・アサインも行っています。

さらに、この会議の前には、私と編集長でnoteのアクセスデータを確認し、企画方針を話し合う打ち合わせも設定しています。ここでの対話は私にとってとても新鮮でした。
採用広報は社内の情報をうまくキャッチして企画に落とし込むのがポイントですが、異なる部署の視点を取り入れることで、より多角的で深みのあるアイデアを生み出せると感じましたし、お互いのアイデアをブレストしたり試行錯誤ができたのは貴重な経験だったなと感じています。
この準備を経て採用広報会議に臨んでいたため、安定して記事制作が進められていたのだと思います。

まとめ

noteに関して振り返ると、立ち上げに必要な要素が今年は揃っていました。

  • 23年12月に資金調達を発表し、2024年は高い採用目標数を掲げていた

  • 広報はこれを後推しするためのミッションを掲げており、プロジェクト単位で施策を展開する心づもりがあった

  • 採用サイトも新しくするなど、情報発信のあり方を考えるタイミングだった

  • 情報発信がバラバラという課題も強かった

  • 有料プラン「note pro」を契約したことで必然的に目的やコンセプトを言語化できた

これに加え、プロジェクトを加速させる人的なリソースにも恵まれたと感じています。

  • note編集チームにデザイナーを含め頼もしいメンバーが参戦

  • noteの編集長に就任してくれる人がいた

現在は安定して月4本は記事を公開できるようになっています。 候補者の方々が選考前にnote記事を読んでくれることが多くなり、面接でも「記事を読みました」と教えてくださる方が出てくるようになりました。

まずは安定的に公開できるという体制は整ってきたので、来年はもう少し踏み込んだ企画をやっていく方針もできそうだと感じています。

noteの立ち上げを一人でやっていらっしゃる方もいると思いますが、今回のケースのように採用広報専門ではなく他業務と兼務している場合もあると思います。その場合はチームで取り組むほうが失敗には終わらずにスムーズに立ち上がるのではないかと思います。

今年の採用施策については一部しかご紹介できませんでしたが、さまざまな取り組みが結実し、82名の採用を達成しました。社員数も200名を超え、会社の規模やフェーズが1年前とは大きく変化しています。来年はさらに深く広く、多角的な施策を展開しながら、より多くの方にHelpfeelを知っていただけるようにしていきたいと思っています!

私たちは、これからも「一緒に挑戦したい」と思える仲間をお待ちしています。もしこの記事を読んで、「Helpfeelで働いてみたい」「もっと詳しく知りたい」と思ってくださった方がいらっしゃれば、ぜひエントリーしてください!
私たちの取り組みやカルチャーに興味がある方とお会いできるのを、楽しみにしています。

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