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看護師だった私が、PC1台で月10万円稼げるまでに。フリーランスWebデザイナー1年目の軌跡
この記事では、看護師からフリーランスWebデザイナーに転身した直後の私の経験を赤裸々に綴っていきます。
「デザインなんて素人だけど大丈夫かな...」
「スキルなしからでも始められるもんなのかな?」
そんな不安を抱えながらも、”時間だけはある!(笑)”という環境を活かして、新しいキャリアへの一歩を踏み出した1年間の記録です。
はじめに:「帯同」と「時間」との向き合い方
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2021年、夫の海外駐在に帯同することになった私。
看護師として忙しなく働いていた日本での生活から一転、「時間だけある」という状況に一転しました。
最初は右も左も分からない海外生活に戸惑うばかりでしたが、
「この時間を何かに使わない手はない」
と考えるようになりました。
そんな時、ふと思い出したのが、小学生の頃に趣味でやっていたHTMLとCSSのコーディング。
「そういえば、私ってパソコンでwebサイト作るの好きだったな」
という原体験が、Webデザインという選択につながりました。
学びのスタート地点
選んだ学習方法
私は飽き性でサボり癖があるため、早々に独学で学習するのは不可能と判断。
体系的に学びたかったこともあり、オンラインスクールを選びました。
このスクールは動画学習がメインのため、時差のある海外でも自分のペースで学べます。痛い出費ではあったものの、多少の出費がある方が「絶対取り返してやる!」という学習意欲が湧いたのでモチベーションが続きました。
なにより、体系的に必要なスキルを網羅されており、メンターにいつでも質問ができる体制のスクールだったので、私のような初学者にぴったりでした。
具体的な学習内容
Figmaの基本操作
デザイン理論(色彩、タイポグラフィ、レイアウトなど)
バナー作成
LP制作
コーポレートを始めとしたWebサイトのデザイン原則と実践課題
毎日没頭して学習を進めた結果、約2ヶ月でカリキュラムを終了できました。しかし、それは始まりに過ぎませんでした。
独学での補強
カリキュラムを全て受講したものの、やはりデザインは「引き出し」の多さが重要と実感しました。
というのも、「デザイン」には一つ一つ理由が必要だったから、です。
「この商品の強みは◯◯だから、◯◯を表現するならこんなタイポグラフィにしよう…」
デザインはそうやって理論で考えなながら作っていくものです。しかし、インプット量が少ないうちは、その”表現の幅”も少なく、いまいちなデザインになってしまいます。
だからインプットとアウトプットを増やすために以下のようなトレーニングを行いました:
「デザインのドリル」での模写
Pintrestで見つけた魅力的なバナーの解析
SNSなどで行われるデザインお題への挑戦
デザイン本を10冊ほど読破
など、とにかく手を動かす時間を作りました。「真似る」ことから始めて、少しずつ自分のデザインの引き出しを増やしていきました。
特にデザインのドリルは初学者にはすごくおすすめです!素材がすでにセットになっているため、ドリルの購入さえすれば他に特に準備せずに模写を始められます。
EC系のデザインに興味を持つ
その後、ECのクリエイティブデザインに特化した講座も受講。商品の魅力的な見せ方や、購買意欲を高めるLP作成など、より実践的なスキルを習得しました。
初めての仕事、そして壁にぶつかる
インターン案件での気づき
私の初めての案件は、女性向け商品のクリエイティブ作成でした。これはECの講座のメンターさんの紹介の案件で、インターンとして担当することとなりました。
「ターゲット層は私と同じような年代の女性だから、デザインのイメージもつきやすいはず…」と思いきや、やはりここでも自分のデザインの引き出しの少なさに悩まされました。
特に「配色」は、初学者には難易度が高かったです。そこで、参考書に載っていた配色サンプルをそのまま使ってみる、3色以内に収めるなど、工夫をしました。
メンターさんのサポートを受けながら、なんとか納品にこぎつけましたが、この経験が「もっと勉強しなきゃ」という原動力に。
ポートフォリオ作成の工夫
次の大きな壁は、実績のなさでした。案件に応募するために自分のスキルを証明する必要があるのですが、駆け出しゆえ、見せられるものが少ないのです。
そこで以下の工夫をしました:
スクールの課題作品を実践的にブラッシュアップして掲載
インターン案件の成果物を丁寧にまとめる
Notionで見やすいポートフォリオを作成
作品と制作意図を簡潔に説明
自己紹介と可能な業務範囲を明確に
具体的な実績と納期の実績を記載
私の場合、この時点ではポートフォリオサイトは作成しませんでした。
ポートフォリオサイトを持つことももちろん重要でしたが、案件応募する際には、案件の内容に近い作品を見やすく・簡潔にまとめたPDFのほうが、クライアントに無駄な時間を使わせずに済みます。
Webサイト型のポートフォリオは、ページ遷移が発生するため必要な情報にたどり着くまでに時間がかかるのです。
何より制作するまでに時間がかかりすぎるので、それよりも先に案件をこなして実績を作りたいと考えました。
強みが見つからない時期の乗り越え方
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営業では、自分のスキルレベルと強みのアピールが重要です。
とは言え、正直に告白すると、最初は「私に強みなんてあるのか?」という不安でいっぱいでした。そこで、まずは「できること」に焦点を当てることにしました。
丁寧なヒアリング
迅速なレスポンス
時差のある環境でも柔軟な対応
誠実な対応
たった1枚のバナー案件であっても、クライアントが拒否しない限りは、必ず最初に顔合わせをするようにしました。
顔合わせ(+ヒアリング)はたしかに時間がかかる行為ですが、オンライン上のやり取りだからこそ、顔が見える安心感は重要です。
また関係が浅いうちは、テキストだけだとコミュニケーションエラーが起こる可能性もあるため、できるだけすり合わせは口頭で行うようにしました。
(時差があったため、当時は時間調整のためにかなり無理をしていました…)
仕事を広げるための戦略
クラウドソーシングサイトでの営業戦略
クラウドワークスを中心に、自分の得意分野として「女性向け商品」に関するクリエイティブやサイト制作に絞って案件を探しました。
女性向け商品に特化した理由:
ターゲット層の気持ちが理解しやすい
自分も購入者として共感できる
クライアントへの提案がしやすい
実際の営業では、
”ターゲット層と同じ属性なので、購入者目線でのデザインが提案できます!”
といった謳い文句と、デザインを作るうえで意識していることを伝えるようにしました。
また、過去に制作した「女性向け商品」の成果物をポートフォリオとしてお見せし、なぜこのようなデザインにしたか?の根拠を伝えました。
全ては、自分のデザインスキルに説得力をもたせるための工夫です。
クライアントとの信頼関係づくり
クライアントとのやり取りでは、以下のポイントを徹底しました:
進捗状況を小まめに報告
納期は余裕を持って設定
時差があっても即レスを心がける
初回以外にも、必要に応じてミーティングを組む
納品後のフォローも積極的に行う
特にECに携わっているクライアントさんは、商品入荷のタイミングやセールなどのイベントのタイミングで、またクリエイティブが必要になります。
今回の仕事で満足していただければ、次回のご依頼にもつながると考え、とにかく一つ一つの案件を丁寧にこなすことを意識しました。
収入の変遷と大きな転機
最初の3ヶ月(試行錯誤の時期)
主にバナーや商品画像作成
月収は数万円程度
作業時間の割に収入が少ないという課題に直面
とにかくデザインの作成速度が遅い
この頃は、ワーキングプアに近い状態でした。
自分のキャパの限界値が分かり、
「このままではいけない。単価を上げるか、固定収入が得られるような働き方をしないと、とてもじゃないが続けられない。」
そう実感していた時期でした。
そこで、サイト制作などの大きめの案件や固定収入で参画できるようなプロジェクト案件の獲得を目指そうと決心。次のフェーズに向かう準備を進めました。
ターニングポイント:業務委託契約の獲得
所属していたスクールのコミュニティで、オンラインストアの運営者募集の書き込みを発見。要項には経験したことがない内容も含まれていましたが、
「やったことないから…と言っていたら一生未経験のままだ!」
と一念発起!
勇気を出して応募し、準委任契約という形で仕事を獲得!ここからの経験が、その後の大きな財産となりました:
バナー作成
DTP(印刷物のデザイン)
LINE構築〜LINE用のクリエイティブ制作
TwitterやインスタグラムなどのSNS運用
ECバックオフィス業務
などなど、Webデザインにおさまらない様々なスキルを習得させていただきました。
1年目の収支
結果として、1年目(学習期間も含む)は年間で約80万円の収入に。これは決して大きな金額ではありませんが、次のステップに進むための貴重な経験です。
具体的な仕事内容と成長
手がけた主な制作物
EC用バナー
商品画像加工や合成
同梱用チラシ
LINEリッチメニュー
ランディングページ
商品に関するライティング業務
技術面での課題と克服方法
正直に言うと、この時点でもまだまだ課題は山積みでした:
デザインの引き出しの少なさ
→ Pinterest等での日常的なリサーチを継続ターゲットニーズの理解
→ クライアントとの密なコミュニケーションと商品に関する徹底調査、同様商品への口コミの調査などで補完ツールの使用技術
→ YouTubeやUdemy、書籍等で随時学習
まとめ:どんな仕事を始めるにしても、最初は大変
キャリアチェンジで得た2つの気づき
スキルは誰でも獲得できる:
看護師時代は「PCさえ満足に使えない」私でも、毎日の積み重ねで少しずつ成長できました
大切なのは「今の自分にできること」から始めること
環境より大切なのは行動:
私の場合は海外駐在という環境でしたが、それは「時間の使い方」を考えるきっかけに過ぎませんでした
本当に大切なのは、その時間で「何を始めるか」という決断です
行動をすると自ずと自信が付いてきます
これから同じ道を目指す方へ
確かに、未経験の分野で仕事を始めることには不安がつきものです。私も最初の3ヶ月は、デザインの質に悩み、作業速度に苦心し、収入面での不安を抱えていました。
でも、だからこそ言えることがあります。
完璧な準備も、完璧なタイミングも、おそらく永遠に訪れません。大切なのは、「今の自分にできること」から、小さな一歩を踏み出すこと。たとえその一歩が小さくても、毎日の積み重ねは必ず自分の糧となります。
この記事を読んでくださっているあなたも、きっと新しい一歩を踏み出す準備ができているはずです。完璧を目指すよりも、まずは行動を。そして、その過程で見つかる新しい可能性を楽しんでください。
私の経験が、あなたの背中を押す小さなきっかけになれば幸いです。
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