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なぜ犬を飼わないのか。

なぜ犬を飼わないのか。

ふと湧いてきた疑問だ。

私は犬を飼っている。ポメラニアンだ。わがままで、時に手を焼くこともある。それでも、かけがえのない存在になった。

犬がうちに来てから、もう7年になる。この間まで子犬だった彼も、もう立派なシニアだ。先のことを考えると、少し切ない。

犬がいない頃の生活を、もう思い出せない。

街を歩けば、たくさんの人が歩いている。仕事に向かうだろう人、家族と一緒に出かけるであろう人。私と同じように犬と散歩中の人。

犬を連れている人もいれば、連れていない人もいる。そして連れていない人のほうが圧倒的に多数派だ。そんな風景を見て、

あの人は、なぜ犬を飼っていないんだろう。

などと、思うことがある。いや、連れていないだけで犬を飼っている可能性もあるけれど。家庭に洗濯機やテレビがあるように、私にとって犬は私の人生において、もう手放せない、かけがえのない存在だ。

他人からすると、私がそんなことを疑問に抱くほうがおかしいだろう。

うん、私もおかしいと思う。

すべての人が犬好きな人なわけないし、猫派の人もいるし、アレルギーがある人だっているし、小さい頃に吠えられたとかでトラウマになっている人もいるし、経済的に理由で飼わないという人もいるし、時間的な理由で飼えないという人もいるし、旅行にいけなくなるからという理由で飼わない人もいるし、死別が辛いから飼えないという人もいる。

だから、別に「飼わないなんておかしい」って言いたいわけじゃない。

犬が寝ている。
犬が目を輝かせてこちらを見ている。
犬が自分のおならにびっくりして走り回っている。
犬が構ってほしくて寂しそうにしている。
犬がおやつ欲しさにおねだりしている。
犬が笑顔で楽しそうにしている。

そういう姿を見るたびに、犬がいなかった頃、私はどうやって生きていたんだろかって疑問に思う。

この温もり、この存在感、この匂い。犬との生活を知ってしまうと、もう彼なしでは、我が家の生活が成り立たない、そんな気持ちになってしまう。

朝、目覚めると必ず隣にいる。小さな寝息を立てながら、私の動きを待っている。目が合うと、尻尾を振る。まだ眠そうな目をしながらも、今日も一緒に過ごせる喜びを全身で表現してくれる。

同じ道でも、彼と歩くと新しい発見がある。鼻を地面に近づけ、何かを嗅ぎ分けている姿が、とても愛おしいと思う。仕事が忙しくてあまり散歩に行けなかった日には、とてもとても罪悪感が湧く。

帰宅すれば、まるで世界で一番の人が帰ってきたかのように喜んでくれる。

犬が、私の日常を豊かにする。

後何年一緒にいれるだろうかと、考えたくないけれど、絶対に訪れる「別れ」を想像しては苦しくなる。

彼が旅立った後、私はもしかしたらもう犬は飼わないかもしれない。彼以外の犬を飼うことが、今の私には考えられない。そのときに、悲しいけれど、この疑問にも答えが出る。

犬が好きだ。犬が好きだ。犬が好きだ。
思うことは一つ。一日でも長く、一緒にいてくれ。

朝起きたらいた


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あゆみ|看護師→ITベンチャー広報
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