ayumi
大好きな、旅にまつわるエッセイです。
先日、30歳を迎えた。 少女時代、自他ともに認めるピーターパン症候群だった私にとって 「30」という数字は、一種の覚悟をして迎えた感覚だった。 今、私は東京で、夫と2人暮らしをしている。 2人で気ままに幸せに暮らしているけれど、将来のことを考えて、先日初めてファイナンシャルアドバイザーの初回相談に申しこんだ。 自由が丘のカフェで待ち合わせをしたその人は、スーツを着た50代の男性だった。今の2人の状況を30分ほど伝えた後、彼は一枚の紙を見せてくれた。 今日から先の私と夫の人
新婚旅行は、行きたかった国へ行こう 昨年の秋、生まれて初めて北欧を訪れた。 コロナ禍を経て、5年ぶりの海外。 8年隣にいるパートナーとは、初めての海外。 私たちの記念すべき新婚旅行だ。 彼にとっては、日本を出ること自体が初めて。 でも円安の影響で、航空券はどこもかしこも驚くような値段。 もうどうせ高いのならば、本当に行きたいところへ行こう。今しかできない経験をしよう。今、その風を感じたい国は? 私たちは北欧を選んだ。本当に行きたい国、と思うと即決だった。 彼はフィンラン
偶然のタイミングが重なり、両親の故郷を連続で訪れた。鹿児島の海辺と、静岡の山奥だ。 鹿児島。車から出ると、懐かしい潮の香りが漂う。東京ではみたことがない、大きなヤシの木の葉っぱがゆさゆさ揺れる。ゴツゴツした岩肌、テトラポット。ただひたすらに続く青い水平線。 長く入院しているばあちゃんに会いに行った。まだコロナ禍の厳しい規制が継続していて、会えたのはたった1日、たった10分間。 思っていたよりもずっと元気そうで、なんだかホッとした。叔母から、ばあちゃんは嵐が大好きなんだよと
私は、外国を旅することが好きだ。 生まれて初めて海外へ行ったのは18歳の秋。19歳になったら留学すると心に決めていたから、その練習として1人で日本を出てみようと思った。 行き先は、英語圏ならどこでも良かった。その地の美術館に行けたら嬉しいなと思っていたくらいで、そのほかの時間はマックに座って人の会話を聞く……とかで良いと思ってた。とにかく留学前に一度、日本を出て自分の英語力を測ってみたかった。アルバイト代もほぼ使わず、この旅のために取っておいた。 海外に住む知り合いもい