旅はほどほど、そよ風のように、抹茶のように
年が明け、私の家族に会ってもらうため、旦那をカナダから日本に連れてきた。
結婚はしたけどまだ彼は私の家族に会ったことはなく、今回が初めましてだった。
3週間ほど日本で過ごしたけれど、彼と2人で過ごす日本は初めてで、隣で当たり前の景色に感動する人を連れてあちこち歩くのは楽しい体験だった。
私の両親も彼のことをかなり気に入ってくれて、それは本当に良かったけれど、私の両親もあちこち見せてあげたい欲が湧いてきたようで、彼は私と私の両親に引っ張りだこで、あちこち連れ回される羽目になった。
大阪や京都、高山を1泊2日とかで、忙しく観光して、買い物もたくさんして、美味しいものもたくさん食べた。
地元の岐阜では、両親おすすめの飛騨牛の焼肉やラーメン、日本料理を食べ、お酒好きの両親に付き合って毎晩乾杯した。
最後は東京で3泊したのだが、もうその頃には、好きなだけ食べたり買ったりしていることに徐々に息苦しさを覚えるようになり、なんだかもうこれ以上は続けられない、という気持ちになってきた。
もう十分にあちこち旅行した後の東京だったから、なんだかどっと疲れが出てしまって、ホテルでも昼まで寝ている様だった。
旅は、ほどほどに。
旅というのは日常に疲れ、日常から離れられるからいいのだけど、ずっとぶらぶら旅していると、旅疲れしたとき、旅が逃げてきた先なのに、そこからは逃れることができなくて、逆にしんどくなるのだな、と思った。
ずっと旅を楽しむコツはあるのだろうか。
スナフキンに聞いてみたい。
風はたまにそよ風が吹くと気持ちいいけれど、ずっと吹き続けていると疲れてしまうように、新しいことも浴び続けると苦しくなるものだ。
と思っていたのが旅行の後半。
カナダの家に帰ってきて、Youtube で日本の動画を見たりしていると、ここも行きたかったね、あれも買っておけばよかったね、と次々と欲望が湧いてくる。
愚かな私たちである。
旅はほどほどにと思っていたのはなんだったのだろう。
でも、やっぱりほどほどにするから、次にまた行きたいと思えるのだろうし、一回一回の旅行は薄いけれどたっぷりガブガブ飲めるアメリカンコーヒーのようではなく、少量の濃い抹茶のような味わい方をしたいものだ。
あと、あてもなく彷徨う旅は結構大変だったので、次はもう少し下調べもしようかな、と思いました。
旅はほどほど、そよ風のように、抹茶のように楽しむべし。
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