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秋と夕方

近くに誰がいても、どれだけ言葉を尽くしても、どこまでいっても孤独だという感覚がずっとある。思い出せないほど昔からあるから、孤独はわたしと一緒に生まれてきたのかもしれない。

この感覚は夏には弱くなり、秋頃また強くなる。
しかも例外まであるから気が抜けない。春に強まることも、冬に弱まることだってあるのだ。

それから逃げたくて地球上を走り回っては、秋が来ると毎年、ああ今年も逃げられなかったか、と思う。

みんなが秋を喜んでいる。
わたしだけ、みんなの好きなあいつが嫌い。
チヤホヤされている秋をジト目で見ては舌打ちをし、家に帰った後泣いている。

「なんで嫌いなの?あいつ良いやつだよ!」
なんて言われようもんなら、みんなのアイドルを毛嫌いしている陰キャの心は砕かれるのでやめてほしい。

ぴったり同じ気持ちにはならないことを
わたしはやっぱりさびしいと思うけれど、

どんな感情だって誰にも侵されない自分だけの自由で特別なら、早くこのひんやりした孤独の中を、
もがくのではなく泳げるようになりたい。

という冬季鬱開始の話。

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