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秋と夕方

近くに誰がいても、どれだけ言葉を尽くしても、どこまでいっても孤独だという感覚がずっとある。思い出せないほど昔からあるから、孤独はわたしと一緒に生まれてきたのかもしれない。 この感覚は夏には弱くなり、秋頃また強くなる。 しかも例外まであるから気が抜けない。春に強まることも、冬に弱まることだってあるのだ。 それから逃げたくて地球上を走り回っては、秋が来ると毎年、ああ今年も逃げられなかったか、と思う。 みんなが秋を喜んでいる。 わたしだけ、みんなの好きなあいつが嫌い。 チヤホ

    • 寂しさの心象風景

      幼い頃から夕方がとにかく恐ろしくて苦手だった。理由はわからないけど夕方とはそういうもので、みんなもそうだと思っていたから、その恐怖はみんなで寄り添ってじっとやり過ごすようなものだと信じていた。 夕方自体が苦手なのもそうだし、孤独を感じた瞬間の心象風景も、いつも夕方のオレンジ色だった。 これは今もそう。 みんなそうだと思っていたから確認するまでもなく過ごし、みんなはそうじゃないということを知ったのはけっこう大人になってからだった。そしてこれがかなりの衝撃だった。寄り添い耐え