賃貸リノベに感じた事②何かを解決するものであってほしい。
賃貸に出すためのリノベーションについて。
今回は続きです。
前回の記事はこちら↓
床にフローリングが使えない、
↓
なら壁や天井に木を使ってみようかな、、、
↓
日焼けやお手入れも気になるから天然木では無く、
木目柄のシートにする?
↓
サンプルが届くが、はて、どんな色柄にしよう、、、。
↓
誰が住むか分からないから選べない。。
結局何を考えても、決めるにしても、
誰が住むか分からないから決められない。という問題にぶち当たってしまう。
これ、何か全く別のアプローチをしないと
ずっとこの問題から逃げられないな、。と
思い、そこである事を思い出します。
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というところまで書きました。
何を思い出したのか、。
それは、そもそも私はあまり木目柄のシートというものが
好きでは無く、苦手だということ、、!
なぜ苦手なのか、
以前は、「本物の木では無い偽物だから」だと思っていたのですが、
最近気づいたことがありまして、
それは、「家具との相性に関係するから」という事。
これまで、例えば賃貸にお住まいで、
リノベは出来ないけど家具で雰囲気を変えたいという方や、
予算の関係でリノベは出来ないけれど、インテリアを変えて居心地をよくしたい!という方のご相談にも乗ってきましたが、
その方たちから、
「フローリングの木の色が気に入っていません。」
とか、
「フローリングや扉や階段やキッチンの扉など、
色んな木の色が内装に使われていて、家具はどの木の色に合わせればいいのか分かりません」とか、
「今持っている家具の木の色とフローリングの色が合わない」などなど、
木目に関してのご相談は本当にお決まりの様に沢山いただいてきました。
最近はグレー系の木目も多い印象ですが、
木目って結構好き嫌いが分かれるんです。
で、木目のシートを使う事で、
私はこの問題を生もうとしてないだろうか?と思ってしまったんです。
賃貸で、誰が住むか分からないという事は、
イコールどんな家具が置かれるか分からないという事。
ここまで考えて、
「内装には一切、木目は使わない」
というコンセプトで設計する事を決めました。
その上で、どんな木の色の家具が置かれてもマッチする空間に
仕上げたいと思っています!
今回イメージしている内装。
パースは濃いめの家具の色が使われていますが、
明るめの家具を置いても。
内装も家具も全く木目は使わない!という表現も出来ますし、
木が好きなら
家具で沢山木を使って木目を増やしていくことも出来ます。
内装に木目って、本当に自然に出てきます。
使わないのは結構難しい。
内装に木目があり過ぎて気になる。というご相談も多いです。
今回たまたまマンションの決まりで床にフローリングが使えない
という事で、自然と内装に木目を使わない選択が出来ましたが、
今後ももし、賃貸のお仕事を頂けたら、
この「木目を使わない内装」という物を模索していきたいと思っています。
賃貸ということは、
どんな家具が置かれるか分からないという事、
どんな家具が置かれても、ある程度まとまった素敵な雰囲気になってほしい。
そして、
木目の好き嫌いの問題や、置きたい家具と内装の木の色が合わない!という問題を解決したかった。
住む人が分かっていればその方の好きな内装にすればいいんです。
でも分からないなら、何かが足される前提で、
引き算出来ている空間にする方が自然なのでは無いかと思っています。
今回賃貸のリノベというお仕事を頂いて感じた事は、
私は、自分の作ったものは
何かの問題を解決するものとして世の中に存在して欲しいと思っているんだなという事。
それも私のエゴと言えばそれまでですが、
作る意味を見つけたので、
やっと進んで行ける!と思えました。