【第2回 初回評価編】スポーツを活用した 地域リハビリテーション・システム 構築モデル事業
鮎川地域共生コミュニティ研究所 鮎川です。
第2回となりました「スポーツを活用した 地域リハビリテーション・システム構築モデル事業」
この事業の目的は
医学的根拠と評価ができるリハビリ・スポーツを開発し、病院・居宅事業所・包括支援センター・社協等との地域連携を図る「地域リハビリシステム」を構築することにより、医療、介護の制度の枠にとらわれず癌や疾病、フレイル、サルコペニア、要支援・要介護者、障害者、難病患者など、その種類や程度に関わらず、「スポーツが持つ特性と力」を利用し、心身機能や運動能力の向上と体力の増進を図り、自己実現と社会参加ができる地域社会を創造する事であります。※場所:所沢市こどもと福祉の未来館 多目的室
※詳しくは前回記事をご覧ください。
2回目の今回は初回評価です。
初回評価後、来月から5カ月間「リハビリスポーツプログラム」を実施し、来年度3月に最終評価を実施し、参加者の主観的な効果と合わせて定量面からも効果を測定していきます。
参加者は6名で疾患名・障害名は、腰部脊柱管狭窄症・右片麻痺・左片麻痺・下肢不全麻痺・脳性麻痺の方々に御参加いただきました。
評価項目の選定及び実施はこの事業を共催して頂いている日本リハビリテーションスポーツ学会会長で、筑波記念病院リハビリテーション統括部長の伊佐地隆先生と、協力メンバーの国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局 第二自立訓練部 肢体機能訓課 理学療法士の池田竜士さんの2名に御協力をいただきました。
日本リハビリテーションスポーツ学会会長、筑波記念病院リハビリテーション統括部長 伊佐地隆先生
※日本リハビリテーションスポーツ学会HP
http://jars.kenkyuukai.jp/special/?id=25438
国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局 第二自立訓練部 肢体機能訓課 理学療法士の池田竜士さん
※国立障害者リハビリテーションセンターHP
下記、今回の評価項目です。
また評価項目は参加者の選択式にしました。参加者の方々が主体となり自己決定して頂くようなカタチにしました。
【評価項目】
<身体機能>
1.日常生活で出来ること
◆評価者からの質問内容【食事・移乗・整容・トイレ・入浴・歩行(移動)・階段昇降・更衣・排便・排尿についての全10項目】
2.柔軟性
◆長座位体前屈、上肢と下肢の関節可動域1ヶ所ずつ程度
3.筋力や麻痺の程度、パワーの検査
◆握力(握力計で2回計測して高い方)
◆脚伸展筋力(ハンドヘルドダイナモメーターを使用)
◆徒手筋力検査(検査者の徒手抵抗に負けないように力を入れる検査、肘の曲げ伸ばし、もも上げ、膝伸ばし等)
◆運動・感覚麻痺の大まかな検査(動くかどうか、触って分かるかなど)
◆投擲(ボッチャの玉を遠くへ投げる。2回のうち良い方)
4.敏捷性
◆反応時間の検査(棒落とし:落とした棒をつかんでもらう。先端からの距離を測る)
◆ターンテスト(3m間隔の2本線を往復する。30秒間に何回またげるか。3往復する時間。)
5.バランス能力
◆車椅子の方:座位保持時間、前屈してから起きられるか、前方・側方リーチなど。
◆歩行の方:立位保持時間、後ろを振り向く、その場で1回転する時間など
6.移動能力
◆10m移動(なるべく早く移動する時間計測 練習1回して計測は1回)
7.持久力
◆3分間移動(コースを決めて一定時間での距離を測る。その人に合わせて、やっとできることを選び、その持続時間を計る。疲労感の聴取と血圧・心拍数のチェック)
<心理面>
1.QUIK(QOLの尺度)
2.情緒的支援ネットワーク尺度
<実施風景>
筋力や麻痺の程度、パワーの検査
◆握力(握力計で2回計測して高い方)
◆脚伸展筋力(ハンドヘルドダイナモメーターを使用)
◆徒手筋力検査(検査者の徒手抵抗に負けないように力を入れる検査、肘の曲げ伸ばし、もも上げ、膝伸ばし等)
◆運動・感覚麻痺の大まかな検査(動くかどうか、触って分かるかなど)
◆投擲(ボッチャの玉を遠くへ投げる。2回のうち良い方)
敏捷性
◆反応時間の検査(棒落とし:落とした棒をつかんでもらう。先端からの距離を測る)
持久力
◆3分間移動(コースを決めて一定時間での距離を測る。その人に合わせて、やっとできることを選び、その持続時間を計る。疲労感の聴取と血圧・心拍数のチェック)
<心理面>
1.QUIK(QOLの尺度)
2.情緒的支援ネットワーク尺度
また今回から、パラバドミントンの小倉理恵選手が2020パラを目指しながらアスリートとしてのスポーツ以外の「スポーツのチカラ×自分の出来ること」を考えるきっかけ作りとして参加されました。
【初回評価を終えて】
参加者の方々へのフィードバックはこれからになりますが終了後グループ内では(Facebookメッセンジャー)
「自分の弱点がわかった」「一緒に頑張る仲間がいると心強い」などポジティブな会話がやりとりされたり
片麻痺の方が同じ片麻痺の方にアドバイスされるような「セルフヘルプグループ」の片鱗が垣間見えたこともあり、個々で実施するリハビリだけでなく集団での有用性も感じられました。
【最後に】
次回からいよいよ「リハビリ・スポーツ」のプログラムが始まります。
日本国民全員の平均寿命が底上げされ、癌や疾病、フレイル、サルコペニア、要支援・要介護者、障害者、難病患者など、心身機能に様々な課題を持ちながらも長生きできる素晴らしい日本社会において、どんな心身状態でもできるリハビリテーションがあることは、その人の健康維持・増進、健康寿命延伸に貢献し人生を良きものとすると考えられ、そしてスポーツの特性を活かした「リハビリ・スポーツ」の有用性を実証していきたいと思います。
●撮影協力:スポーツジャーナリスト 木村理氏
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