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【第8回 最終回】スポーツを活用した 地域リハビリテーション・システム 構築モデル事業

鮎川地域共生コミュニティ研究所の鮎川です。

当研究所は「だれもがコミュニティにアクセスできる地域社会をつくる」をVISIONとして、多世代、障害のあるなし関係なく地域住民が緩やかに繋がり合い、日々の暮らしの中で困りごとがあったり、あたらしいことにチャレンジしようと思ったとき、それぞれが自分の出来ることで協力し、支え合えるコミュニティを形成し、地域共生社会の実現をすることをMISSIONとしています。

今回は2021年3月7日に実施しました第8回「スポーツを活用した 地域リハビリテーション・システム構築モデル事業」のレポートです。

この事業は「日本リハビリテーションスポーツ学会(以下、JARS)」様との共催事業で、2020年8月~来年2021年3月まで実施。今回で最終になります。

【年間スケジュール】
8月当事業概略説明及び意見交換会      
9月 アセスメント・初回評価  
10月 スポーツプログラム担当者による指導
11月 スポーツプログラム担当者による指導 
12月 スポーツプログラム担当者による指導 
1月  スポーツプログラム担当者による指導 
2月  スポーツプログラム担当者による指導 
3月 アセスメント・最終評価、振返り

事業の目的は、医学的根拠と評価ができる「リハビリテーションスポーツ(以下、リハビリスポーツ)」を開発し、病院・居宅事業所・包括支援センター・社協等との地域連携を図る「地域リハビリシステム」を構築することにより、医療、介護の制度の枠にとらわれず癌や疾病、フレイル、サルコペニア、要支援・要介護者、障害者、難病患者など、その種類や程度に関わらず、「スポーツが持つ特性と力」を利用し、心身機能や運動能力の向上と体力の増進を図り、自己実現と社会参加ができる地域社会を創造する事であります。

※下記、第1回~7回の記事

今回、JARS様と共催事業に至った経緯は「地域で直面した課題」が背景にあります。

私は地域住民の皆様と地元埼玉県所沢市で2017年2月から地域共生社会の実現を目的とした「ユニバーサルスポーツ・コミュニティ事業」を毎月1回実施していましたが、2年目から参加者が脳梗塞、対麻痺、ギランバレー症候群で入院中の方や、70代の女性で脳梗塞発症後に要介護4になりケアマネージャーからデイサービスやデイケアを勧められたが「あんなところ行きたくない」と介護サービスを拒否されてる方など参加されるようになり大変喜んでいただけた。今後もぜひ継続して参加して頂きたいと考えたとき、市民主体のコミュニティでは怪我や急変など安全面に不安があると考え、医療的背景があるリハビリスポーツの必要性を考えるようになりました。

そういった経緯から私が2017年から入会したJARS伊佐地会長に御指導いただき、その事がキッカケでリハビリスポーツの活動実績のあるJARS様に共催事業として御協力頂き、事業を実施できることとなりました。

下記、JARS様のリハビリスポーツの定義です。

リハビリスポーツとは、疾病または障害のある人々がその種類や程度にかかわらず、スポーツが持つ特性と力を利用し、心身機能や運動能力の向上と体力の増進を図りつつ、自己実現と社会参加を最終目的として、医療、教育、 介護、社会活動などで行われるスポーツのすべてを言う。名は活動を表すかのごとく、我々が目指すべき方向を示す。
上記定義にある「スポーツの持つ特性」に関してはJARS伊佐地会長から下記のように説明して頂きました。

・だれでも小学校などで1度はやったことがあり馴染みがある。 
・ルールを理解するために頭を使い、記録や点数など数字が出るので分かりやすく、それをより良くしようと目標を立て頑張るようになる      
・自発的に出来る努力を繰り返しやろうとすることで自然に体力がつき、時には競い合っていつも以上の力を発揮し自己の限界が広がる
・人と一緒にやるのでコミュニケーションがとれ、人との交流が楽しくなり精神的にも社会的にも多くの効果をもたらし他者との関わり方や社会性、創造性などが助長されることにより医学的リハビリと社会的リハビリ双方への有用性があると考えられる。 

こういったスポーツの特性を活かし、スポーツ本来の定義である「一定のルールに則って勝敗を競ったり、楽しみを求めたりする身体活動」を踏まえたリハビリスポーツプログラムが実施されました。

※日本リハビリテーションスポーツ学会
http://jars.kenkyuukai.jp/about/  

そしてこの事業は、6名の当事者の方々に御参加頂き、実現することが出来ました。


・井筒紫乃さん

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・安田茂也さん

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・橋本直樹さん

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・小俣芳彦さん

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・長野僚さん

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・竹内秀和さん

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医学管理担当。この事業を共催して頂いている日本リハビリテーションスポーツ学会会長で、筑波記念病院リハビリテーション統括部長の伊佐地隆先生

・伊佐地隆先生

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評価担当の国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局 第二自立訓練部 肢体機能訓課 理学療法士の池田竜士さん

・池田竜士さん

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国立障害者リハビリテーションセンター学院梅崎多美教官と学院の学生3名様が評価を手伝ってくださいました。

・梅崎多美教官

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・国立障害者リハビリテーションセンター学院 学生の皆様

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見学者として、埼玉県総合リハビリテーションセンター福祉局支援部生活支援担当 伊藤わかな主事に御参加頂きました。

・伊藤わかな主事

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●当日の流れ
まずは体調確認とバイタルチェック(血圧・脈拍・体温・SPO2を測定します)

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下記、今回の評価項目です。

また評価項目は参加者の選択式にしました。参加者の方々が主体となり自己決定して頂くようなカタチにしました。

【評価項目】

<身体機能>
1.日常生活で出来ること
 ◆評価者からの質問内容【食事・移乗・整容・トイレ・入浴・歩行(移動)・階段昇降・更衣・排便・排尿についての全10項目】Berthel Index(ADL評価)

2.柔軟性
 ◆関節可動域測定:椅子に座ったまま

3.筋力や麻痺の程度、パワーの検査

(筋力)
 ◆握力(握力計で2回計測して高い方)
 ◆脚伸展筋力(ハンドヘルドダイナモメーターを使用)
 ◆徒手筋力検査(関節筋屈曲・股関節屈曲伸展・股関節屈曲・膝関節伸展)

(麻痺)
 ◆上下肢の表在感覚検査(検査者が手で触れた場所が分かるかどうか)
 ◆片麻痺の方の運動麻痺はブルンストロームステージで検査

(パワー)
 ◆30秒間で何回たちあがれるか
 ◆投擲(ボッチャの玉を遠くへ投げる。2回のうち良い方)            

4.敏捷性
 ◆反応時間の検査(棒落とし:落とした棒をつかんでもらう。先端からの距離を測る)
 ◆立位・歩行の方:反復横移動(80㎝間隔の2本線を10秒間に何回またげるか)  
 ◆車椅子の方:リピートターン(3m間隔の2本線を30秒間で何回またげるか) 
 
5.バランス能力
 ◆車椅子の方:ISMG(座位バランス検査)座位保持時間、前屈してから起きられるか、前方・側方リーチなど。
 ◆歩行の方:TUG(肘掛付き椅子から立ち上がり、3m先のポールを周って椅子まで戻る時間を計測する。転倒に気を付けながら、なるべく早く行う2回実施して良い方の記録を取る)

6.移動能力
 ◆歩行の方:10m移動(なるべく早く移動する時間計測 練習1回して計測は1回)
 ◆車椅子の方:10mスラローム(なるべく早く移動する時間を測定。2m間隔のポールをすり抜ける)                             

7.持久力
 ◆3分間移動(コースを決めて一定時間での距離を測る。その人に合わせて、やっとできることを選び、その持続時間を計る。疲労感の聴取と血圧・心拍数のチェック)

<心理面>

1.QUIK(QOLの尺度)
2.情緒的支援ネットワーク尺度

<実施風景>

・筋力や麻痺の程度、パワーの検査
 ◆筋力:握力(握力計で2回計測して高い方)

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◆筋力:脚伸展筋力(ハンドヘルドダイナモメーターを使用)

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柔軟性
 ◆関節可動域測定:椅子に座ったまま

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◆徒手筋力検査(検査者の徒手抵抗に負けないように力を入れる検査、肘の曲げ伸ばし、もも上げ、膝伸ばし等)
◆運動・感覚麻痺の大まかな検査(動くかどうか、触って分かるかなど)

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◆パワー:投擲(ボッチャの玉を遠くへ投げる。2回のうち良い方)

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◆パワー 立位の方:30秒間で何回たちあがれるか

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敏捷性
◆反応時間の検査(棒落とし:落とした棒をつかんでもらう。先端からの距離を測る)

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◆敏捷性 立位・歩行の方:反復横移動(80㎝間隔の2本線を10秒間に何回またげるか) 

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◆敏捷性 車椅子の方:リピートターン(3m間隔の2本線を30秒間で何回またげるか) 

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バランス能力
 ◆車椅子の方:ISMG(座位バランス検査)座位保持時間、前屈してから起きられるか、前方・側方リーチなど。

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 ◆歩行の方:TUG(肘掛付き椅子から立ち上がり、3m先のポールを周って椅子まで戻る時間を計測する。転倒に気を付けながら、なるべく早く行う2回実施して良い方の記録を取る)

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移動能力
 ◆車椅子の方:10mスラローム(なるべく早く移動する時間を測定。2m間隔のポールをすり抜ける)  

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◆歩行の方:10m移動(なるべく早く移動する時間計測 練習1回して計測は1回)

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持久力
◆3分間移動(コースを決めて一定時間での距離を測る。その人に合わせて、やっとできることを選び、その持続時間を計る。疲労感の聴取と血圧・心拍数のチェック)

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<心理面>

1.QUIK(QOLの尺度)
2.情緒的支援ネットワーク尺度

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【事業全プログラムを終えて】 

~参加者感想~

・井筒さん

①毎回新鮮なプログラムを提供いただき楽しかったです。リハビリのイメージというと、つらい、痛い、つまらないがありますが、この事業はリハビリの概念をかえたのではないかと思います。日本には数多くのリハビリ難民がいます。1人でもリハビリの楽しさを体験してほしいと思いました。

②リハビリって楽しいものにしていく必要があると思っている。私は体育大学に勤務してますので、リハビリスポーツをもっともっと世の中の人達に広めていきたいと思っています。大事なのはこっから先だと思うんですね。今までは月に一回こういう場を与えて頂いたんですけど、これからはそれぞれが各家庭に戻って行くわけですから、せっかくここまで身体機能が向上してきているので、こっから先にどのように体を動かしていくかっていう所をまた振り返りだったり時々集まってこういった場を作って頂けたらという風に思っています。とても楽しかったです。

・小俣さん

①入院・通院後の日常生活でのリハビリをどのように取り組むかが問題であり、今後の自分自身のテーマであったので自分自身の成長のため、また、今後中途障害(脳梗塞等)になられた方々のために少しでも参考になることを期待し参加しました。月1回の事業が楽しみであり、その分自分自身をふるい立たせトレーニング等に取り組めた事は大きかったです。また、各プログラムも工夫があり、学生さんの指導もできる環境がもあり、我々事業参加者の学ぶ事が出来てとても素晴らしい取り組みだと思いました。この経験を無駄にする事なく今後の自分自身のさまざまな取り組みに活かして行きたいと思います。

②これからが自分としてどうしようかな、今日までは結構気合を入れて日々過ごしてきたんですけど、明日から新たなテーマを見つけながらよりレベルアップできるように自分でなりたい。また、地域コミュニティについてみんなで広げていくことは大きいことだと思うので、自分なりに工夫しながら今回の事業を参考にしながら繋げて行けたらなと思う。

・長野さん

①体操に始まりアイデアに溢れたプログラムの数々、楽しかったですし、企画する際の参考になりました。何より関わって下さったすべての皆さんのチームワークと温かい雰囲気が最高でした。このチームに参加できて良かったです!

②測定の数値が何も変化なかったらどうしようかと思ったんですけど、持久力が伸びていたので安心しました。このコロナ渦で皆さんと関われたってことで、関わりの面では障害を忘れることが出来たんですけど、スポーツ中では逆に自分の障害を自覚する良い機会になりました。僕も明日から定期的に手動車いすに何とか乗る機会を作ってですね漕いでた方が楽しいなってことが今回分かったので自分出来るスポーツをまた見つけていきたいなと思います。ありがとうございました。

・橋本さん

①何より皆さんと同じ目的をもって楽しくリハビリ出来て成果も出てうれしかったし、仲良くなれたのが一番参加して良かったです。

②私も障害者サッカーでずっと長くスポーツはやっていて、今回リハビリスポーツと言う形でリハビリもやってきたんですけど、スポーツもリハビリもやっぱり楽しくないと続けられないと思っていて、そこが一番今回のリハビリスポーツでみんな感じられたのが大きかった。今後リハビリスポーツだけではなくて日常の生活の中でもリハビリ出来ることも沢山あると思うし楽しくできることもあると思うので自分なりに楽しさを見つけながら日常生活でも続けられたらなと思っています。

・安田さん

新しい出会いがあり今後の活動にプラスになりそう。

今わたし個人的に老人福祉のほうで頑張っているんですけれども、この数カ月間DM(糖尿病)という基礎疾患を持っているので巣ごもり中だったので体力の低下を心配してたんですけど維持できたので安心しました。こっから先どうするかということえを考えながら活動するべきだと思うので。又何かありましたら宜しくお願いします。

・竹内さん

とても楽しく参加できスポーツを意識せず体を動かすことができて良かったです。

・竹内洋子さん(竹内さん奥様)

ほんとに8か月間お世話になりました。主人はあんまり自分からああしたいこうしたいと言わないので、こういう場が無かったらきっと体をちゃんと動かなかっただろうなと思うと、ほんとにこの場に呼んで頂いたありがたかったなと思いました。本当にお世話になりました。ありがとうございました。

~見学者感想~

・埼玉県総合リハビリテーションセンター福祉局支援部生活支援担当 伊藤わかな主事

4カ月間参加させて頂きありがとうございました。みなさんがスポーツを楽しんでやられてる姿を見て、本当にリハビリスポーツは楽しんでできるものなんだと感じました。これからが大事なのでそれぞれの場所で頑張ってください。応援してます。ありがとうございました。

~国立障害者リハビリテーションセンター学院 学生の皆様~

・本間さん

6カ月間ありがとうございました。こういうコロナ渦の状況の中、なかなか実習もできず不安がいっぱいあったんですけども、こういう場を設けて頂いて凄い勉強にもなりましたし、実際に私たちがプログラムを作ってリハスポーツをやる場を作って頂いて皆さんに御協力して頂いて、課題も一杯見えたので勉強になった6カ月間でした。とても皆さん明るくて毎回楽しくやっていたので、リハビリとかスポーツは楽しくやる方が良いなと改めて感じることが出来たので、今後はリハスポーツを提供できる人間になりたいと思います。

・藤崎さん

6カ月間ありがとうございました。こういう時期に皆さんと関われる機会を頂いて本当に自分自身勉強になりました。私も今までリハビリに関わる仕事についていたんですけど、やはりリハビリって辛い、苦しいというイメージが自分自身も強かったんですけど、皆さんのリハビリスポーツをやっている姿を見て、楽しいリハビリもあるんだなということを本当に勉強させて貰いました。自分自身もプログラム作るうえで難しさも感じることが多かったんですけど、みなさんが凄く楽しんでる姿を見てリハビリスポーツって良いなと感じることが出来ました。こうやって集まってやる機会も大事だと思うんですけど、家に帰って自分の日常の中で自分の障害を意識したりだとか、どういう風に体を動かせばいいかという意識づけになる機会になっているんだなと感じました。ここで学んだことを活かして今後また頑張りたいと思います。また、機会があれば宜しくお願いします。

・杉本さん

半年間ありがとうございました。自分は指導の現場というのは今まで経験してこなかったので、初めて皆さんに自分が作ったプログラムをやって頂けることを経験させて貰ったのですが、色々課題も多くありましたが皆さんにまず、楽しんで貰えたのが少しだけ自分の中で自信になりまして、本当にそれは皆様のお陰だと思います。自分が目指す指導者になれるように頑張りますので、今回のリハビリスポーツを活かして自分がなりたい指導者を目指して頑張って行きたいと思います。ありがとうございました。

・評価担当の国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局 第二自立訓練部 肢体機能訓課 理学療法士の池田竜士さん

身体・心理機能を評価することは、その時の自分を知れる良い機会だと思います。自分では気づかなかった機能回復を知り嬉しくなったり、あるいは機能低下にいち早く気づき、悪化する前に病院を受診出来たり。
そんな健康管理し合えるようなコミュニティが、医療者ではなく地域住民の中で出来上がると良いですね。

医学管理担当:日本リハビリテーションスポーツ学会会長・筑波記念病院リハビリテーション統括部長の伊佐地隆先生

皆さんそれぞれ思いを語っていただいてやってる側としては非常に嬉しかったですね。みなさん仰るように良い雰囲気と皆さんの力で非常に良い8ヶ月間が過ごせたと思います。リハビリテーションスポーツという言葉は結構前から使っていたんですけど、ちゃんと定義を作ったのが4年前。スポーツは楽しい。皆さん今回やってみて分かったと思うんですけど、ちょっと頑張って、ちょっと自分の限界を超えますよね。そこがいいですね。で、そこで自分の機能、力が少し広がっていく。今後色々なところで広げられるように私たちが考える。来期は学会の方で茨城の方で実施する。ここの場を(所沢)をどうやって継続していくか皆さんの協力でやって行ければいい。本当に8ヶ月間ありがとうございました。お疲れ様でした。

・国立障害者リハビリテーションセンター学院梅崎多美教官

こども未来館での実践演習は、学院で身に付けた資質能力が実際に形成されたかどうかを確認することができる「学びの集大成」と言えます。学生は前回の反省を活かし、前回とは違う気持ちで指導に臨めたのではないかと思いますが、同時に自己の課題が明確になりました。今後、不足している知識や技能などを補い、それらを定着させていく中で指導者としての使命感、責任感が養われていくことを期待したいです。
このような貴重な場を提供して頂いた参加者・スタッフの方々に改めて感謝申し上げます。学生にとって初めての指導の場で出会えたのが皆様で本当に良かったです。

【最後に】

本当に多くの方々のお力で無事に8ヵ月間の事業が終了いたしました。本来は1年スパンで実施する予定でしたが、コロナウィルス感染予防対策で会場が使用中止となり短縮したプログラムとなりました。一時は開催自体危ぶまれましたが実施出来て本当に良かったです。評価結果の詳細は別の機会になりますが、身体機能面と心理面の双方に数値的な結果が出たことは大きな成果であり、今後の普及活動に大きく活かして行けると思います。良くなった点、変わらなかった点、低下して点と様々あると思いますが、なによりリハビリスポーツを活用する事により「リハビリは楽しい」という事を参加者が認識できたのは非常に大きな成果だと感じています。また、1ヵ月に1回の事業でしたが参加者に下記のような行動変容がみられました。

・血圧測定の習慣化(当初より血圧の低下)
・朝散歩の習慣化(歩容の好変化・歩幅が広がる)
・日常生活内で意識して麻痺側を使う(麻痺側の握力向上)
・弱視の方へリハスポプログラムを提供する場をつくった
・杖をT字杖からノルディックポールへ変える
・電動車椅子から自走式車椅子へ乗車して評価をした(持久力の向上)
・自ら理学療法士へ直接リハビリ指導を受けたいと依頼
・既存コミュニティへの参加(以前から運営してるユニバーサルスポーツコミュニティ)

などなど。

また、事業の間の1カ月間は日常的にFacebookで交流。途中体調不良や入院者がいたのですが互いに励まし助言し合いセルフヘルプグループの片鱗も見受けられました。あと、国リハ学院の学生が参加できたのも良かったです。
学生は初めてプログラムを考え、それを参加者が学生を育てている感覚で実施。コロナ渦で実習ができないなか学生には良い勉強になったようです。

そして何より嬉かったのがリハスポーツを活用する事により「リハビリが楽しい」という言葉を多く伺うことが出来たことです。

余談ですが、今年のお正月パラリンピックの父ルードヴィヒ・グッドマン博士の映画を観ました。脊髄損傷の兵士たちがスポーツで笑顔になっていく光景を目にし、商業化したパラリンピックから今一度原点に戻って考える時期ではないかと思いました。

この事業の目的は「リハスポーツを活用した地域リハシステム構築」です。今後は5月~新たな場所で開催できるよう準備し、病院、包括、社協等、地域の各機関にこの事業を知って頂けるよう働きかけていきます。まだまだスタートラインではありますが、今回大きな一歩を踏み出せたことに感謝申し上げます。

令和3年3月21日 鮎川地域共生コミュニティ研究所 鮎川雄一

写真協力:木村理氏


当研究所では活動拡大のため御寄付をお願いしております。下記サイトから詳細を御確認下さい。


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