言語化は 思考の生地の 型を抜く -言葉とクッキー-
ぼんやりと考えていることや、なんとなく理解していることについて、声に出して説明してみようとしたら、意外と言葉が出てこない、という経験はあるでしょうか?
私たちの思考は、とてもあいまいなものです。
実際に言葉にしてみるまでは、自分が『どのくらいわかっているのかわからない』という状態にあると言ってもいいでしょう。
もっと上手く話せると思っていた人のイラストです。
悲しいですね。
残念ながら今回は『もっと上手く話すための方法』ではありません。
言語化とはいったいどういったプロセスなのか、そしてなぜ私たちは言語化の能力を磨くべきなのか、についての話です。
言語化のプロセス
私たちは日常的に『思考』を『言語』に置き換える作業をしています。
思ったことを、口に出す。自然な流れです。
(これに当てはまらない反射的な発話もあると思いますが、割愛します)
ここで、思考と言語は矢印でつながるものであって、イコールではつながらないことに注意してください。
思考から言語は直接つながるわけではなく、思考を言語化することで言語が生まれる、というプロセスがあります。
言語化のプロセスはクッキーの型抜きに似ている
前項の話をクッキーに置き換えてみましょう。
わかりますか、クッキー。焼いたことありますか?
私は高校時代に吹奏楽部に所属しており、ホワイトデーには部員のみんなにお菓子を振る舞う必要があったため、毎年クッキーを焼いては配っていました。
懐かしいですね。
モテたい学生さんはとりあえず楽器をやるといいですよ。
閑話休題。
言語化のプロセスをクッキーに置き換える。
ここでは『思考』を”クッキー生地”に、『言語化』を”型抜き”に、『言語』を”クッキー”に置き換えます。
大丈夫、図示しますからね。
つまりこうです。
え?クッキー生地がまるでナンみたいですって?
ちょっと別室に行きましょうか…
大丈夫、少しチクッとするだけですからね…
大丈夫ですからね…じっとしててくださいね…
はい、クッキー生地ですね。みなさんの理解が早くてとっても助かります。
クッキーの形は揃えたほうがいい
私たちは育った環境、受けた教育、所属する集団などによって、ある程度決まった思考の様式を持ちます。
意識/無意識によらず、この様式にしたがった形で言語化をしています。
上の図で言えば、周りの人と似た形の型を使ってクッキーを作っています。それ自体は悪いことではありません。
共通の言葉を使うことはコミュニケーションを円滑にします。
しかし、いつも同じ型しか使えないという状態になってしまうと問題です。
相手の知らない専門用語を使ってしまったり、世代が違うと伝わらない言葉を使ってしまったり…。
一緒にクッキーを作るなら、似た型を選べるようになっておくほうがお互いにハッピーです。
クッキー生地を使い切りたい
先ほどの図では表されていないものがひとつあります。
おわかりですね?
型を抜かれたあとのクッキー生地です。
クッキーの型は生地を100%抜ききることはできません。
そして、人はクッキーの生地をそのまま食べてはくれません。
言語化のプロセスで言えば、私たちは考えていることを100%言語化することはできません。
つねに、言語化されずにこぼれてしまう意味/思考/感情が残されます。
ここに、言語化の能力を磨くべきもうひとつの理由があります。
もしあなたが適切な語句、表現、文法を選んで言語化をすることができるなら、より多くの生地をクッキーにすることができます。
つまり、あなたの中にある思考/意味/感情をより多く言語として表すことができるようになります。
言語として表すことは、人に伝えるということだけではなく、自分にとってもとても重要です。
なんとなく考えていたことが、適切な言葉を得ることで素晴らしいアイディアになることがあります。
ずっともやもやしていた悩みが、ふとした言葉で突然解決に向かうことがあります。
あなたの中にある、まだ形のない『何か』は、言語として表されることで、はじめて手触りのあるクッキーになります。
そして、上手く型抜きするためにはちょうどいい型をたくさんもっているのが重要です!
さっそくクッキーの型を探しにいきましょう!
クッキーの型を手に入れるには、インプットとアウトプットの実践が重要です。
本を読んでみましょう!
そこにはさまざまな言葉、表現、文法があふれています。
あなたにぴったりの型がきっと見つかるでしょう。
noteを書いてみましょう!
悩みながら、少しずつでも型抜きの練習をしてみましょう。
実際に使ってみることで、いつの間にかぴったりの型を持っていることに気づくかもしれません。
いろいろな人の話を聞いてみましょう!
普段は触れないジャンル、話したことのない人、聞いたことのない話題に挑戦してみましょう。
見たことのない型は、見たことのない場所にあるものです。
しかし、普段は触れないジャンルというのは、出会うきっかけがないから触れないわけで、意識的に探すとなると難しいです。
うーんそうですね、
たとえばなんですが、
note CREATOR FESTIVALはどうでしょうか!
ダダーン
なんとこれは宣伝記事だったんです。
びっくりですね。
タイムテーブルはこちら。楽しそうな話題がいっぱいですね。
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