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深川美楽市
過去に逢いに行く
初めて野外でTeaTimeをしたのが深川美楽市です☕️
— 濱口啓介 (@guri_jp) April 21, 2023
初心を思い出させてくれる場です。 https://t.co/AdbCKg8J4x
このツイートを目にしたのは、深川美楽市2日前の夜のことです。
ぐりさんやゼロコを初めて知ったとき、SNSやYouTubeなど一通り、ひとつひとつ丁寧に時間をかけてすべて遡って拝見しました。
ゼロコにとって、きっと思い入れのある場所は日本にも世界にもいくつもあって、その中のひとつ、深川美楽市は初めて野外でTeaTimeを披露した場所だということを知りました。
たった一言でも、ほんの少しのエピソードでも、それを知れることが私にはすごくすごく嬉しい。
ゼロコを知ってから数年が経過し、今の私の目にはゼロコのおふたりやその過去がまた違って見えるかもしれないと思い、“深川美楽市”に的を絞って再び遡ることにしました。
深川美楽市にはちょうど一年前くらいに、目黒陽介さんと鈴木仁さんを観に訪れたことがありました。ところがその時は午後に予定が入っていたため、お店を見れず、飲み物や食べ物を買うことは疎か、巷で有名な「らぶ」と描かれたベンチも探したりできず、ほんの短時間の滞在しか叶わなくて、本当にパフォーマンスだけを観に行ったというのが正解、それ以外はすっかり淡く淋しい記憶となっていました。
それでも、仁さんの白塗りの演目がノスタルジーな街の雰囲気ととてもお似合いで儚げで美しかったこと、耳に色濃く残る素敵なアコーディオンの音色と、それに合わせて舞った目黒さんの演目、みんなで街の音に耳を澄ませたはじまりの数分間が、記憶を強くプラスに支えてくれていた。
街もゼロコも、このように時を経てもう一度調べ直すことで、初めて知るような感覚が生まれる。少しずつでも、何年かかっても、まだ知っていけること、もう一度知っていけるものがあることはたいへん幸せなことだなと感じました。そして検索当初と比べて、ゼロコへの愛も想いも考え方も感じ方も変わってきていることに改めて気づく──
野外練習をしていたことも記されていました。当然のことながら、それまでTeaTimeは野外では行われていなかったという事実を知って、今から考えると軽い衝撃でもあり、実際にこれから観に行くイベントを軸にその過去や出来事と今とをもう一度並べ直してフォーカスをあてて考えているような、歴史に濃淡がついて鮮明になったような感じがして、意識的なものも尺度も変わりました。
同時に、いま再び外でたくさんTeaTimeを観る機会を得られていることへの大きな幸せと感謝を覚えます。
ぐりさんの呟きによって、もう一度振り返って物事をみつめること、過去のゼロコに逢いに過去の深川美楽市を訪ね、そこに「いいね」以上の意味を持つ「いいね」を置いて帰ってこれたこと、幾重にも嬉しいきっかけを作っていただけたことが幸せでした。
アルバムをめくるのとはまた違った、当時の美楽市へZELKOVA MELOに逢いに行けたような気持ちでした。あたたかく流れる時と気持ちをどう表せばいいのかわからないまま、その日の夜はそのまま床に就きました。
4月23日 日曜日
前日の寒さが残っていた朝。温かい飲み物をマイボトルに準備しました。
清澄白河駅から地上に出たところの大通りに白雲木(ハクウンボク)の樹があって、これには大感激。
いつどこで出会えるのかと憧れ続け、何年もの間ずっとその日を楽しみにしてきた樹が!お花が!まさか山奥ではなく都会に、しかも大通りに面して等間隔で植わっていた。穢のない真っ白なお花からはとてつもなく爽やかで芳しい香りが漂っていて、蜂も花から花へ忙しそうにしていました。
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正真正銘の道草ならぬ道花をしてしまい、着くとすでにゼロコの準備が整っていた。
1回目 Aポイント
いつも通り、いつ始まったのかわからないくらい自然にふわっとはじまる。
ゼロコのパフォーマンスは気づくと街の音や風景、人々の会話や生活音に溶け込むようにして始まっていて。ちょっとした遊びで始まることもある。
それが、そこが大好きなのです。
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ぐりさんも白線の上だけで軽やかなステップを踏む。
台車から音を立てて崩れ、転がり落ちた荷物を直しに駆け寄るゼロコ(本当のハプニング)。台車はゼロコのショースペースを縦断し、通りやすいように持ち上げた枠用の青いロープをくぐり抜けていった。角谷さんがぐちゃぐちゃになったロープの線(枠)を直し、ついでに最前列のみんなの靴紐やらカバンやら、そこについているチャームなどまで順々に整え始める。笑
その様子を見ていたぐりさんは自分の靴紐をすばやく解いて、ちょっと嬉しそうに角谷さん(順番)を待つ。笑笑
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左右の紐を、ひとつに結かれてしまう😂
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二人三脚……?!
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靴だけ持っていかれるぐりさん
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(両手を養生テープでとめ、
タイムスケジュールを背中に貼る)
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(そこに愛はある)
この回のバイ〜ン前の角谷さんはスキージャンプの助走のようなポーズだったり、立ち幅跳びくらい激しい後方への腕の振りだったり。
剥がした緑色の養生テープによってリアル「くっつく世界」が発動しちゃったり、FREEバイ〜ンも出現。一瞬呼び込み(角谷さん)の声まで聞こえたような…?笑
子供たちが列になって次々にバイ〜ンをする光景が観れて、ゼロコが子供たちの無邪気さと奔放さに振り回される様子もほほえましく、最高に可愛いくて楽しい回でした。
個人的に好みだったのは、角谷さんのバイ〜ンがパイクジャンプだったところです!
…ん?ジャンプ🤔笑?
“パイクバイ〜ン”と言っておきましょう!!!
もちろんそれ以外にもいっぱいいっぱい楽しいことが起こりました。
1回目と2回目のショーの間が空いていたので、出店をゆっくり見て回りました。あちらでもこちらでも思い思いに楽しそうに過ごす人々を見ているだけで私も幸せで、いい空間、いい雰囲気でした。
さらに行動範囲を広げて街を散策に。気になるカフェやお寺、公園や川にも足を伸ばしてみました。前日に見た野毛の川もクラゲだらけでしたが、清澄白河の川にもクラゲがふわふわと漂っていました。
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2回目 Dポイント
ゼロコには珍しく、はじめからお茶を(お白湯を?)注ぎ、おふたりともそれを口に含みながら観客に背を向け、私達と同じ方向を向いて通りを眺めるようなシーンでじわりじわりと始まったのが印象的でした。
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なかなか良い。
TeaTimeの裏と表みたい。
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浮いてます。笑
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✨👏👏👏👏👏✨
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幽霊だってバイ〜ン(成仏)したい。
ゼロコは環境や起きたことへの順応や反応が速くて適正。街ごと楽しんで巻き込んでいくところや、街や空間の動きへのセンサー(感度)がずば抜けているといつも思う。
この時も、一頭のアオスジアゲハがゼロコと観客の間を縫うようにして舞っていた。するとゼロコはすかさずトランクから取り出して(?)黄色い蝶を追う。
ゼロコが追いかける蝶はどういうわけかいつも決まって黄色、追いかける角谷さんの手の少し先を飛翔します。·🦋·°*
通りにいた方々のうちの一人の方のポーズを模倣したり、ぐずりはじめた赤ちゃんを陽気なサンバの笛のリズムと踊りでピタッと泣き止ませたり(これは実は昨年の日本大道芸でも同じ境遇があり。かなりざわつきました!笑)。
他にも細かくあげたらきりがないくらい盛りだくさんでした。
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おふたりにはどんなふうに映っただろう
深川美楽市でゼロコのTeaTimeを観れて本当によかったです。
ショーの最後に深々とお辞儀をするおふたりを観た瞬間、2日前の夜にみた6年前の姿と重なり、その少しも変わらない“ゼロコらしさ”に心が震えて泣いてしまった。
深川美楽市での大道芸、無事に終了しました。
— ゼロコ ZEROKO (@zeroko_jp) April 24, 2017
2回やりましたが、全く違ったショーとなりました。
イベントの雰囲気がとても心地よかったです!
ありがとうございました。 pic.twitter.com/O1DFxuuc08
変わったものと変わらないもの。
良いときもそうじゃないときも、成功も失敗も改善も課題も、つくりかけも振り返りも、過去と未来と今のゼロコと常に心共にあって、今後も大切にみつめて考えてゆきたい。
ぐしゃぐしゃな泣き顔を誰にも見せられず、1日過ごした場所に感謝し、これから先もここでゼロコを観たいと真に願いながら福(ゴミ)拾いをして、心ぽかぽかのまま静かに美楽市をあとにしました。
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(Photo by やまちゃん様)