蕎麦頼んだらラーメンが出てくる話
ZOZOで注文したカーディガン、届く前に秋が終わりました。急に寒くなり過ぎじゃないですか、日本。最近はランチに出かけるときでさえ、忘れずマフラーを巻いています。もちろん、何かあたたかいものが食べたい。ふらっと立ち寄った店で、迷わず蕎麦を注文する。ほどなくして目の前に、ラーメンが置かれる。冷えた顔を湯気が撫でる。では、いただきます。
ここまでの文章で違和感を覚えた方は、きっと飛騨以外で生まれ育ったのでしょう。飛騨市では、蕎麦を頼むとラーメンが出てきます。本当です。誰も間違えていません。炎上もしません。
さて、飛騨で「蕎麦=ラーメン」となった背景には、歴史的・土地的な事情が関わっているのですが、いったん複雑な説明は省きます。とにかく、もしあなたが飛騨で本当に蕎麦を食べたいときは「日本蕎麦をひとつ」と頼まないといけない、ということだけ覚えておいてください。かならず役に立ちます。
蕎麦といえばラーメン。そんな地域なら当然のことかもしれませんが、彼らは大みそかにも、ラーメンを食べます。そう、年越しそばも、ラーメンなんです。外から見ると、とても変わった習慣ですね。僕自身(まるで飛騨市出身のようにここまで書いてきましたが)ばちばち関西人なので、初めて知った時はわりと驚きました。そのうえで思いました。深夜にラーメンを食べる正当な理由があるの、めちゃくちゃいいな、と。誰だって、深夜は「ラーメン食べたい欲」と戦っているので。
ここまでの話を教えてくれたのは、飛騨市出身で仲良しのデザイナーの堀さん。出会いは #アートとコピー という、デザイナーとコピーライターが出会える宣伝会議さんの講座でした。お互い広告をお仕事にしていることもあって、せっかくなら「年越しラーメン、広告しようぜ!」と盛り上がり、岐阜県内でも特に歴史と伝統をお持ちの老舗メーカー「麺の清水屋」さんに、年越しラーメンを打ち出すポスターを提案してきました。せっかくなので、提案書(一部抜粋)をご紹介させてください。
こちらの提案、本当に急な話だったのですが、清水屋さんはまるでラーメンのようにあたたかく受け入れてくださって、あれよあれよと話が進み、無事に完成。11/25(月)から12/1(日)まで、JR品川駅にてポスターを掲出することに。完成したデザインがこちらです。
手前味噌ですが、写真がいい。撮影はyansuくんにお願いしました。ここまで公開するのは野暮かもしれませんが、せっかくなので企画意図も紹介させてもらいます。
さらに清水屋さんから、運営されている実店舗「豆天狗」への展開もご提案いただき、そちらも実際に制作・掲出させていただきました。
最後に、麵の清水屋代表の清水さまからいただいた、あたたかいお声も紹介させていただきます。
今後もイベント出展時や店頭POPなどでもご展開いただけるようで、僕らはもうお腹いっぱいです。ありがたい限りです。あとは大みそか、だらだらテレビを眺めながら、コタツで年越しラーメンをいただければ大満足です。皆さまも、今年のシメは、ぜひ飛騨高山ラーメンで。
お買い求めはぜひオンラインショップから。香ばしくておいしいです。お歳暮に送れば、年が明けてから会ったとき、いい話題になると思います。では本年も、おあとがよろしいようで。