【読書メモ】生き方の演習-若者たちへ-
「これから人生を歩むあなたへ」
良書なんです。
とても。
まず私にとって、著者の塩野七生さんという女性の佇まいがとても美しく品のある、小柄だけれども凄みのある方で、すごく興味のある1人です。
老齢ながらも凛としてエレガント、ユーモアもあり自信に満ちている。とても素敵です。
この本は、講演をまとめたような短い本で1時間もあれば読めてしまいます。
本の中に「磁石の柱を立てる」という言葉が出てきます。私は子供たちに教えていきたいことの一つが、情報の取捨選択力です。
まるで洪水のように垂れ流されている情報の中で、立ち尽くしていると波に巻き込まれてしまいますね。
ただ黙って立っていても情報というのはぶつかってくるものです。そこで磁石の棒みたいなものを立てると、それに関連したものがくっついてくる、それが情報であり、バッと押し寄せてバッと消えていくものに一喜一憂していてもそれこそただの洪水です。
視点の違う棒を複数立て、複数の異なったその時有益な情報をくっつける。ただ単に集めるのではなくて、項目別に整理する。
こうして選択肢をいくつかもてるようにする。
物事を決断するには、どんな場合でもいくつかの選択肢があるはずで、その中から一つの方向を決めるには、情報というのは非常に重要だと記述されています。
まさに、若者たちへ。
本当に大切な事は何か、孤独とは、教養とは、年齢や国籍を超えて理解し合うには、、
塩野さんの優しい語り口で、かなり示唆に富んでいます。
図書館で借りて、これは家の本棚にそっと立てておきたい、娘たちが何気なく手に取ってくれたらと思ってすぐ購入しました。
コンパクトで通読し易く、難しい言葉でもなく、中学生〜高校生くらいになった子供たちに是非読んでもらいたい一冊です。
ウン十年、早く出会いたかったなぁ。
そうそう、最後にチクッと一言でしめくくられています。
少し引用。
「本でも映画でも、ためになるっていうことだけは考えない方が良い。もうひとつ、やめて欲しいのは”泣ける”という言葉。-中略-泣ける映画だからと言われて自分も泣くなんてことはやめましょう。」
自分で考え、決断する。
それの繰り返し。
考える力、決断する力、それのためにいかに情報を集めるか、可能性を高くするための武器(語学など)を身につける力。
ご自身もお子様を育てる中で様々な工夫をされ、母としての暖かさ、厳しさが伝わります。
贈り物としても素敵な本です。
最後までお読み頂きありがとうございました♡
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