またこの土地を好きになりました:【大地の芸術祭】
先日の夏季休暇に、新潟県越後妻有(えちごつまり)で開催中の【大地の芸術祭】へ行って参りました。
今回の訪問は、2012年に初訪問してから実に3~4回目。
私は芸術祭のボランティアサポーターである「こへび隊」として参加。
学生時代に初めて体験した時のあのワクワク感と、いろんな方々と出会う新鮮な気持ちを味わいたいと思い、今回足を運んだ次第です。
おひとり参戦だけど、行ってきて本当に良かった。
経験値より、やはり新しい人とアートとの出会いはかけがえのないもの。
帰宅してから、これが今回一番最初に感じたことでした。
たった2~3日の滞在にも関わらず、行く先々で初めましての人々とアート作品と出会えることはなかなかない経験です。
全てが印象に残り、かけがえのないものなので、覚えている限りをこのnoteに記していこうと思います。
大地の芸術祭について
越後湯沢から、ほくほく線で約30分、田園風景と山々に囲まれた中が芸術祭のエリアとなります。作品は点在していますが、どれもみなその土地に根差したコンセプトがあり、中には地元の方々とアーティストが共同で制作したものもあり、越後妻有ならではの現地だからこその感動を味わえることが出来ます。
そして私が参加した「こへび隊」とは…
学生時代にこの活動について知り、「行きたい!参加してみたい!」という強い衝動にかられたのを今でも憶えています。
今は薄れてしまっている、あの行動力が無ければ、この芸術祭の感動には出会えませんでした。
ただ単純に、地域と芸術アートがどう繋がっているのかをこの目で確かめたいという気持ちが強かったのかもしれません。
一日目:まさかのイベントサポート
一日目は午後からのこへび隊活動です。
向かった先は、川西エリアにあるナカゴグリーンパーク。
「Nakago Wonderland-どうぶつ達の息吹と再生」
として作品を公園内に展開していました。
そして私が他のこへびさんお二人と担当したのが、
中里繪魯洲「くるくるさんば」の体験型メリーゴーラウンドです。
期間限定(2日間のみ)で、実際に人を乗せて作品を体験してもらうイベントのサポートをさせて頂きました。
大人が一度に2人まで乗り動かすことの出来るもので、
安全性などの理由から、お客様自身が動かすのではなくこへび隊が担当し、お客様をご案内するという流れでした。
なぜここで「まさかの」という見出しにしたのか。
これまでの経験上、そしてほかのこへびさんから話を聞いたところによると、
通常こへび隊の活動としては、古民家や空き家の作品受付,管理を担当することが多いのですが、イベントサポートすることはなかなかレアだそう。
貴重な経験をさせて頂きました。
こんな近くでお客様のご案内とリアクションを感じられるのも、これまでに無かったなと思います。なかなか面白かったです。
「私も乗っていいの!?」「恥ずかしいけど意外と楽しい」など新鮮な感想を直接お聞き出来てとてもモチベーションが上がりました。
半日だけの活動ですが、ずっと屋外でしたので、この日の温泉は最高でした!
二日目:やっぱり笑、ここに導かれました
二日目は終日の活動です。
向かった先は、十日町エリアの
鉢&美術館田島征三 絵本と木の実の美術館 です。
今回で3~4回目のこへび隊参加ですが、毎回一日は必ずこちらの場所を担当させて頂いておりました。
「やっぱり」とは安心するこの場所でまた関わることが出来、光栄なことです。
大地の芸術祭の中でも、オフィシャルツアーで必ず立ち寄るほど有名な場所ですが、今回は屋外のビオトープをメインにしていました。(新作の絵本がテーマになっています)
やはり、何度見てもこの体育館の光景と、外観の校舎からは想像できないワンダーランドが中に拡がっているというギャップの面白さに感動してしまいます。
三日目:鑑賞者として楽しみます
最終日は鑑賞者目線で芸術祭を堪能します。
自家用車は持っていないので、あくまで公共交通機関と体力がある分だけを使って巡りました。
越後妻有現代美術館 MonET(モネ)
越後妻有を代表する美術館で、芸術祭の拠点としても多くの方が訪れています。道の駅や温泉もあり、かなりにぎわっていました。
まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」
山間に突如あらわれるこちらは建築物としても魅力的。
オランダの建築家グループ・MVRDVが「都市と農村の交換」をコンセプトに、雪国ならではのつくりとして、1階を開放的なピロティとして設計しています。
最後に、
今回お世話になったこへび隊の宿舎「三省ハウス」をご紹介。
1989年に閉校したこの校舎は、再活用に向けての地域住民による熱心な活動により、2006年に宿舎として生まれ変わりました。
一般客も宿泊でき、作家さんなども滞在しており、イベントがあるとかなり盛り上がります。
こへび隊の活動中、とある地元住民の方とお話しする機会がありました。
話を進めていくとその方は移住者。なんと築約160年の茅葺き屋根のお宅に住んでいるとのこと。
芸術祭の影響もあり、越後妻有や十日町の移住者は増えているそうですが、どうしても人口減少は防げないのだそう。
国内でもこの地域は特に、山や雪国、畑仕事に適した昔ながらの住宅が多く現存しているそうです。ですが人口減少とともに空き家となり、人が管理しなくなるともうどうしようもなりません。
そこで、解決策の一つとして、芸術祭の作品として空き家や古民家を再活用し継続的に引き継いでいく、という動きが大事になってきているとのことです。
頭で分かっていましたが、実際に地元の方からお話を聞くと現実味を感じざるを得えません。
ひとまず自分に出来ることは、この芸術祭を周囲の人に知ってもらうこと。
この土地で開催する意味を少しでもお伝えしていければと思います。
なかなか筋が通っていない文章となっていると思いますが、
最後までお読み頂きありがとうございました!