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目的地へ行く道で経験しなければならないことなら、それに対する恐れはない─BLACKPINKジスに学ぶ
この言葉は、数年前のとあるファッション誌でブラックピンクの活躍についてインタビューを受けたジスの言葉。
彼女達は10年近くの練習期間を経て、今それぞれが多方面でたくさんの人に影響を与える存在になっている。
ここまで大きな存在にならなくとも、彼女達が懸命に自分達の表現を突き詰めていった様は、私たちを前向きにさせてくれる。
こういった人達を見ると、やはり嘘をつきながら生きていくのは私では無いし、過去の失敗体験を正直に記すことが、私のこれからの未来には必要な努力の一つだと思った。
今回も、過去の失敗をしっかり分析していこうと思う。
お題「ただ顧客の願望を問いかけて引き出すだけで、一人あたり30万円を稼げるビジネスが横行したら?」
初めて見る方は、何それ?と思うかもしれないが、こんな闇ビジネスが実際に存在する。
そして主催者は、
「ひとりにひとり、コーチを付けるべき」
「社会貢献ができる」
と言っている。
このビジネスが広まった場合、社会や経済、心身への影響と様々な観点からどうなるのか?行末を分析してみる。
1. 経済的な影響
(1) GDPや市場規模への影響
「問いかけるだけで30万円を稼ぐ」ビジネスが広まれば、短期的には市場に大きな資金が流れ、個人消費が活性化する可能性がある。
ただし、長期的には「願望を引き出すだけで30万円」が経済的価値を生むかどうかが問題。価値がないと判断されれば、詐欺に近いモデルとして崩壊するリスクが高い。
(2) 雇用の増加と職種の変化
「問いかけるだけの支援者」が増えれば、雇用の機会は一時的に拡大する。
しかし、本質的なスキルや生産性を伴わない仕事が経済の主流になると、他の産業の価値が相対的に低下し、長期的な雇用の不安定化につながる可能性がある。
└実際に受けましたが、スキルは無かったですね。「未経験でも稼げる」はどこまでが許されるのだろうか?
(3) 貧富の格差の拡大
このビジネスに早く参入し、仕組みを作った人は大きな利益を得るが、後発組や顧客になる人はお金を失う。
結果として、お金を支払った側が経済的に困窮し、社会的な格差が拡大する可能性がある。
└だからこの講座を作った主催者だけが、「毎月集客できている」とメルマガで配信することができ、芋づる式にその講座に所属する訓練を受けていない自称コーチ達も大きな利益を得る仕組みになっている。
ただ、そのコーチ間でも利益の出方に差があったので、ここもどこまでこの事実を無視し続けているか?という人間的な部分であろう。
もうひとつ、その講座を作った主催者は、その膨大なお金をどこに回しているのだろうか?性別関係なく、私腹に肥やす経営体制は時々ニュースで見るが、それを疑わざるを得ない。
なぜそのビジネスを広めたいのか?
ここがズレている。
2. 社会的な影響
(1) 願望の方向性と倫理観の崩壊
「願望を引き出すだけでいい」となると、顧客の願望が非現実的だったり、反社会的だったりしてもブレーキがかからない。
例えば、「詐欺でお金を稼ぎたい」「社会を破壊したい」などの願望も肯定される可能性がある。
これが広がると、倫理観が崩れ、社会の秩序が不安定になるリスクがある。
└「願望を引き出す」の願望の引き出し方もコーチによって経験や思考の深さが出る。私が運悪く出会ってしまったコーチは、例えるなら未成年にお酒を進めるような感じで、後味の悪いコーチングだった。
(2) 責任の欠如
願望を引き出す側が「ただ問いかけるだけ」となると、顧客がその後どうなろうと責任を負わない構造になる。
願望を追求した結果、破産したり、人間関係を壊したりしても、「心のブレーキを外せばよかった」と片付けられる可能性がある。
└願望を引き出して嘘を本物のように見せ、その後現実を見せて地に落とすって、それはどんな悪趣味か?
(3) 価値観の変化と社会の分断
「願望を持つこと自体が正義」となれば、従来の努力や責任、倫理観に基づいた社会のルールが軽視される可能性がある。
これに違和感を覚える層と、それを正義だと信じる層の間で対立が生まれ、社会が分断されるかもしれない。
└ふわっとしていた方が、それは気分は楽ですよ。ただ社会貢献であっても、実際にはその裏に努力して現場で躓きながらも前向いて頑張っている人は大勢いますので。
社会貢献したいなら、なぜそういった場で働かず、そのビジネスをしているのか?
3. 精神的な影響
(1) 一部の人にとっては短期的な幸福感が増す
願望を肯定されることで、一時的に高揚感を感じる人は多いかもしれない。
「自分の願望を認めてもらえた!」という体験が快楽を生む可能性がある。
└快楽と言われる脳内物質、ドーパミンが放出された状態ですね。恋愛、買い物、お酒、タバコ、ギャンブル…これが過ぎると心身状態は依存状態。
それをまた綺麗に見せようとしているのが、嘘くさく、人間性として商品・サービスにも出てしまっているのですよ。やり続けているのは、依存症の状態と同じです。
(2) 依存性と無責任な自己実現の増加
しかし、問いかけるだけで自己実現ができるという誤解が広まれば、「行動をせずに願望だけを膨らませる人」が増える。
結果として、現実とのギャップに苦しみ、精神的なダメージを受ける人が増える可能性がある。
└思った通り。やっぱそうでしょう。
(3) 社会の混乱によるメンタルヘルスの悪化
経済的な混乱や倫理観の崩壊が進めば、人々の不安やストレスが増し、精神的な問題が社会全体で悪化する可能性がある。
特に、騙された人や経済的に破綻した人のメンタルヘルスは深刻な状態になるだろう。
└これを見ても「自分は社会貢献をしている」って堂々と言えますか?
4. 長期的なシナリオ
(1) バブル崩壊と規制の強化
一時的に流行したとしても、持続可能な価値を生まないビジネスは長続きしない。
「問いかけるだけ」の実態が明るみに出ると、社会的な批判が高まり、規制が強化される可能性が高い。
└だからインスタだと発信活動をしていないんですね、この方達。なぜなら裏では批判されているから。
(2) 価値のあるカウンセリングとの差別化
本物のカウンセリングやコーチングと、「ただ問いかけるだけの支援」が混同されることで、価値のある支援まで信用を失う可能性がある。
逆に、本当に人の成長を促す支援との違いが明確になれば、良質なサービスへの信頼が高まり、社会的にはプラスの影響を生むかもしれない。
└私が心配なのはここ。
これが内省が苦手な人の場合、見極められていない。
良い人柄の元でコーチングを受けることができると、本当に向き合うべき自分だけの課題に前向きで、結果望む未来に近づくことができる。
(3) 社会の信頼の低下とリスクの増大
「お金を払えば願望が叶う(ように思える)」という構造が広まると、人々は現実的な努力よりも幻想に走る可能性がある。
結果として、社会の信頼が低下し、詐欺や搾取が増加するリスクが高まる。
└「一見よさそうに見えるビジネス」は、この幻想の見せ方がとても上手いが、その過程が説明できないので、お客さんに価値を提供できていない。
結論
このビジネスが広がれば、一時的には市場が活性化し、雇用が増えるかもしれないが、長期的には経済の不安定化、社会の分断、精神的な混乱を引き起こす可能性が高い。特に、「問いかけるだけで30万円」という仕組みが本当に価値を生むのかを考えないと、最終的には多くの人が損をする構造になりやすい。
本当に持続可能で社会にとってプラスになるモデルであれば、願望を引き出すだけでなく、現実的な行動のサポートや倫理的な指導を組み込む必要があるだろう。
└そう。私がこのビジネスの違和感に気付けたのも、現実を直視したから、なんですよね。私はそうやって今まで十数年も対人支援を真面目にしてきたし、今までそうやって人に貢献してきたから。
逃げずにね。
※実際に百万円に近いコーチング起業を受けてみての感想です。