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マボロシ

10年以上働いてたお店の閉店が決まり、仕事探しを久しぶりにしている。この感覚を40過ぎて再び味わうのは酷く虚しくて辛い。若かったあの頃も辛かったけれど、あの頃よりも数倍辛い。

この国は自己責任の国だ。それにNOを突きつける政党を支持しているけれど、実際自分はキャリアアップなど努力もせずホント運だけでここまで生きてきて、閉店を期に仕事探しはじめても誰でもできる仕事しか選べないのは、自分のせいなんだ。最低賃金を上げればそれで解決なんだろうか。このやる気のなさはどこからくるんだろう。それすらも国のせいにする。していいんだろうか。

でも息苦しい。この国は生きてるだけで疲れてしまう。そういうような空気で満ちている。肩書・立場・職種・役目・役職‥何かにならなければ生きていてはいけない。生きていても透明だ。学校を卒業するとすぐに何者かにならないと何かから外される。それは幻想だけれど、目には見えないけれど、体感できるほどリアルに崖から落ちていく臨場感すらある。叫んでも叫んでも誰にも聞こえない。誰も助けてくれない。

私はいない。

死のうと何度も思っては死ねなかった。死のうともしていなかった。死ぬことすら面倒だからだ。死ぬよりただ変わらずそこにいるだけの方が楽だから。そんな私に友達も家族も恋人もいることは運でしかない。この運だけを頼りに生きてきた私には誰にでもできる仕事しかなく…

どんな世の中になったらみんな笑って歩いていられるんだろう。明日が楽しみで仕方ない、そんな世界になるんだろう。日々何かに命令されてるような幻聴が聞こえなくなるんだろう。

いつからこんなふうになってしまったんだろう。

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