#36 ホクナリン®︎テープ
こんにちは。
薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。
日々の業務で感じたこと、気づき、疑問を綴っています。
貼り薬といえば、痛み止めの湿布を思いつくことが多いとか思います。
基本的に痛み止めの湿布は、貼った場所にしか効きません。(例外もありますが)
しかし、ホクナリン®︎テープ(ツロブテロール)は、貼り薬なのに気管支を広げて呼吸を楽にします。
貼り薬なのに、気管支を広げるって不思議ですよね。
ホクナリン®︎テープは、皮膚から有効成分がゆっくり吸収されて、皮膚の下にある血管に入り、血液の流れにのり、気管支にあるβ2受容体というところに作用して、気管支を広げます。
ただ副作用も貼付部位だけに限定されません。
ホクナリン®︎テープの副作用
貼付部位のかゆみやかぶれ(7.2%)、手の震え(2.3%)、動悸(1.7%)
ーインタビューフォームー
なぜ貼り薬で手の震えや動機が起こるのでしょう?
ホクナリン®︎テープが作用するβ受容体というのは、心臓や骨格筋などにも存在しています。
β2受容体に選択的に作用するのですが、人によって心臓に作用すると、心機能が亢進(=動悸)したり、骨格筋に作用すると手の震えが起きたりすると言われています。
→このような場合は一度受診して、医師の指示を仰いでください。
ただ、痛み止めの貼り薬と違って、ホクナリン®︎テープはかぶれ防止に貼る場所を変えれるのがいいところ。
貼る場所は胸・背中・上腕のいずれかに貼ればよいので、"今日は右側、明日は左側"なんて貼り方もOKです。
不用意にはがす可能性のある子供には、背中に貼るのもいいのかもしれません。
ホクナリン®︎テープはゆっくり皮膚から吸収されるため、すぐには効かず、初回は貼ってから4〜6時間後に効果が出てくると言われています。
また、途中で剥がれてしまった場合、12時間以上経過していたら、基本的にはすぐに貼り直さず、いつもの時間に貼り直せばよいです。
(はがれてすぐに効果がなくなるわけではない。)
ホクナリン®︎テープは、年齢によって使う量が設定されていて、
6ヶ月〜3歳未満:1回0.5mg
3〜9歳未満:1回1mg
9歳以上:1回2mg
に設定されているので、兄弟で貼り間違いがないようにご注意くださいね。(大人は1回2mg)
今回は「呼吸を楽にする貼り薬ホクナリン®︎テープ」についてお伝えしました。
疑問や質問あればお気軽にご相談ください。
▷あやこのお薬相談室
みなさんのヘルスリテラシーが少しでも向上するお手伝いができますように。
参考:ホクナリン®︎テープインタビューフォーム
薬がみえるvol.1,3
引用:マイランEPD合同会社HP
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