#28 痛み止めはどうやって痛みを止めるの?
こんにちは。
薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。
日々の業務で感じたこと、気づき、疑問を綴っています。
さて前回は、痛み止めってよく使うけど、そもそも「痛みってなんだろう?」をテーマにお伝えしました。
今回は、
「痛み止めがどのように痛み止めとして働くのか」について。
痛み止めは、痛みを感じたときに飲みますよね?
この”痛み=身体に異変が起きたという情報”を感知した時に、産生される物質があって、それを”ブラジキニン(発痛物質)”と言います。
さらに炎症部位ではプロスタグランジンという物質も産生され、プロスタグランジンはブラジキニンの働き(痛みを感じとる)を高めます。
(えっと…ついてきてますか?)
つまり、痛み刺激が起こると、痛みを感じとる物質が産生される。(ブラジキニン)
ついでにその痛みを感じとる物質の働きを増強する物質も産生される。(プロスタグランジン)
痛み止めとして有名なロキソニン®︎(ロキソプロフェン)は、プロスタグランジン(発痛増強物質)が作られる過程を妨げて、プロスタグランジンが作られないように働きます。
プロスタグランジンの生成を抑制することで、ブラジキニン(痛みを感じとる物質)の働きは増強されない。
つまり、ロキソニン®︎を飲むと、痛みを感じる物質の生成が抑えられたり、痛みを増強させる物質の生成が抑えられるので、"痛みが抑えられると感じる"ってこと。
(原因治療ではなく、対症療法ということに注意して使用しましょう)
だから、頭でも腰でも痛みを感じている部位や炎症が起きている部位に効くというわけですね。
ただし、ロキソニン®︎はピリピリとして神経の痛みには効かないと言われています。
そう言った痛みにはどういう薬を使うのか、についてはまた今度。
次回はロキソニン®︎を飲むことによる副作用についてお伝えする予定です。
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参考:薬がみえるvol.3
引用:日本ケミファ株式会社HP
第一三共株式会社HP