#21 抗菌薬はどんな時に使うの?
こんにちは。
薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。
日々の業務で感じたこと、気づき、疑問を綴っています。
さて、前回から抗菌薬についてお話ししています。
「抗菌薬を適正に使用する」を目的に話をしていこうと思っているのですが、
そもそも「抗菌薬をどのような時に使用するのか」ということを知っていなければ先に進めません。
抗菌薬はその名の通り、細菌を殺したり、増殖を抑えるために使われます。
(前回と同じこと言ってる)
つまり抗菌薬は、細菌が体内で悪さをしている時に使います。
ただ、全ての細菌が体内で悪さをしているわけではありません。
例えば、善玉菌と呼ばれるビフィズス菌や乳酸菌。これらは腸内環境を整えたり、ビタミンを産生したりします。
それに、微生物はそもそも自然界にたくさん存在していて、いつでも体内に侵入し、侵入したものの体内に定着せず、排除されている場合がよくあります。
そう、悪さをしていない菌もいるんです。
それなのになんとなくで抗菌薬を使って、悪さをしていない細菌たちまで殺しますか?
抗菌薬は本当に必要なときに、必要な抗菌薬を必要な量使ってほしい!
というのも…
日本では、風邪で抗菌薬が出されることが良くあるようです。
抗菌薬は、細菌にしか効きません。
ウイルスやカビには効きません。
でも、風邪のほとんどの原因はウイルスだと言われています。
つまり…風邪には抗菌薬は基本的に必要ないということは、もうわかりますよね?
(昔の名残で風邪で抗菌薬を欲しがる患者さんがいるそうな…)
むしろ、腸内環境が崩れるなど副作用が起こる可能性があるし、前回話した耐性菌ができる可能性があるので、本当に必要なときだけにしてほしいものです。
さて今回は、「抗菌薬をどのような時に使用するのか」ということをテーマにしてみました。
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