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#25 ピロリ除菌に3種類の薬を使う理由
こんにちは。
薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。
日々の業務で感じたこと、気づき、疑問を綴っています。
さて今回は、ピロリ除菌に用いられる薬について。
前回もお伝えした通り、ピロリ除菌には3種類の薬が使われます。
例えばこれ↓ボノサップ®︎パック
これは、飲み間違い防止のため、1日分が1シートにまとめられています。
”抗菌薬2種+胃酸を抑える薬”を1日2回7日間。
抗菌薬をなぜ2種類も使うかというと、
ピロリ菌は抗菌薬に対して耐性を生じやすいから。
耐性化を防ぐために、除菌療法は2剤以上の抗菌薬を使うことになっています。
では、なぜ胃酸を抑える薬が必要なの?
胃酸を抑えることによって、胃のpHが上がり、抗菌薬がうまく働くようサポート的な役割を担っています。
この胃酸を抑える薬、今まではタケプロン®︎(ランソプラゾール)やパリエット®︎(ラベプラゾール)などが使われていました。
その時の除菌率は70%くらい。
きちんと飲んでいても3割の方が除菌に失敗していました。
しかし、5年前くらいにタケキャブ®︎(ボノプラザン)というさらに強力な(効果発現が早い)薬が開発され、除菌率は90%くらいまで上昇。
ちなみに除菌に失敗したら、2次除菌といって抗菌薬をちょっと変えてまたチャレンジできます。
(3次除菌もあるけど、保険は効きません。)
さて、今回は、”ピロリ除菌に3種類の薬を使う意味”についてお伝えしました。
次回は、副作用について話せるといいなと思っています。
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わからないことは全力で調べてお答えします。
みなさんのヘルスリテラシーが少しでも向上するお手伝いができますように。
参考:ボノサップ®︎インタビューフォーム