#07 飲み方には意味がある
こんにちは。
薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。
日々の業務で感じたこと、気づき、疑問を綴っています。
私の祖母は89歳で、いつもデイサービスでもらった脳トレをやっています。
いわゆる漢字テスト。
その中に見慣れた漢字がありました。
「漸次」
読めますか?
私の祖母は、「ざんじ」と読んでいましたが、実際は「ぜんじ」。
この「漸」の字は、仕事上、「漸増」「漸減」という言葉でよく使用します。
意味は、
「だんだん増やす」「だんだん減らす」。
薬の中には、飲み始め少しずつ用量を増やしていくものや、中止する時に急に中止せずに少しずつ用量を減らしていくものがあります。
例えば、「痛風、尿酸値を下げる薬」
尿酸値が高い状態で、急激に尿酸値を下げてしまうと、痛風発作が起こりやすくなります。
そのため、いきなり治療域の量を使用するのではなく、だんだん増やしていくことにより、緩やかに尿酸値が下がるようにしているんです。
実際の薬の説明書(添付文書)にも、このような記載があります。
フェブリク®︎(フェブキソスタット)
用法及び用量
〈痛風、高尿酸血症〉
通常、成人にはフェブキソスタットとして1日10mgより開始し、1日1回経口投与する。その後は血中尿酸値を確認しながら必要に応じて徐々に増量する。維持量は通常1日1回40mgで、患者の状態に応じて適宜増減するが、最大投与量は1日1回60mgとする。
このように、薬の飲み方にはそれなりの理由がありますので、用法用量を守ってくださいね♪
この他にも認知症治療薬も開始時は漸増が必要であったり、ステロイドや睡眠薬などは中止時に漸減が必要な場合があります。
気になる方はご相談ください ^ ^*
わからないことは全力で調べてお答えします。
みなさんのヘルスリテラシーが少しでも向上するお手伝いができますように。
参考:フェブリク®︎添付文書