#20 抗菌薬について考えてみる
こんにちは。
薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。
日々の業務で感じたこと、気づき、疑問を綴っています。
薬をもらう時、
「この薬は飲みきってくださいね。」
って言われたことありませんか?
でも、その言葉を聞かない時もある。
この違いは何でしょう?
おそらく飲みきってくださいと言われた薬は抗菌薬ではないでしょうか?
(抗菌薬…抗生物質とも…抗生剤とも言われる)
抗菌薬はその名の通り、細菌を殺したり、増殖を抑えるために使われます。
しかし相手は生物。
細菌などの微生物は、自分たちが生き延びるため、薬が効きにくくなるように構造をちょこっと変化させることがあります。(耐性化)
抗菌薬を分解するような酵素を産生したり、薬が作用する場所を変化させてみたり…。
こうして薬が効きにくくなる微生物(薬剤耐性菌)が出現するのですが、こうなるとまぁ大変!
薬を使っても効果が期待できないんだもの。
人間と微生物の終わりなき戦いがこのように繰り広げられています。
倒せる薬を開発したと思ったら耐性化し、
また新しく開発したと思ったらまた耐性化…。
でも、これって、とっても怖いことだと思いませんか?
いつも微生物に先を越されており、人間はいつも後追い。
倒せる薬が開発できなかったら…?
これは今まさに問題となっていることで、この背景には抗菌薬の不適切な使用が関わっています。
さて、次回は抗菌薬を適正に使うために知っておいた方がいいかなと思うことについて語ってみようと思います。
まだまだ話の序盤ですが、疑問や質問あればお気軽にご相談ください^ ^*
わからないことは全力で調べてお答えします。
みなさんのヘルスリテラシーが少しでも向上するお手伝いができますように。