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#61 コンタクトレンズと目薬

こんにちは。

薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。

日々の業務で感じたこと、気づき、疑問をつづっています。

ある日、患者さんから電話がかかってきました。

患者:「普段、ソフトコンタクトレンズを使っているんだけど、もらった目薬はコンタクトをつけたまま使ってもいい?」

その方に処方されていたのは、

フルメトロン®︎点眼液0.1%とパタノール®︎点眼液0.1%

花粉症の方でした。

私:「コンタクトってOne dayですか?2weekですか?」

患者:「2weekです。」

私:「どちらも…コンタクトの上から点すとダメなので、コンタクト外してからですね…。」

こんな感じの会話。

では、なぜいけないのでしょうか?

点眼薬は、製剤設計において、様々なことに考慮しなければいけません。

●安全性
●有効性
●品質
●安定性
●点し心地
●眼内移行性

点眼薬で特別なことといえば、他の剤形と異なり、デリケートな眼に直接点眼することと、開封後も繰り返し使用することだと思います。

そこで、点眼薬に細菌やカビが繁殖しないように防腐剤が添加物として使用されています。

その防腐剤の成分は…
ベンザルコニウム塩化物!!!

防腐剤は、様々な点眼薬に使用されていて、繰り返し使用する点眼薬にとって必要な添加物である一方、防腐剤による角膜上皮障害やアレルギーなどが起こることがあります。

通常、角膜が健康で若くて元気な人では、防腐剤として添加されている濃度では、特に問題ないのです。

ただ、点眼回数が多かったり、ドライアイや角膜が弱い人だったりと条件が重なると、有害事象が起こることがあります。

また、ソフトコンタクトレンズは、薬物を吸収しやすく、角膜に防腐剤が長時間接触するため、コンタクトレンズを外してからの点眼を…とお伝えしています。
(One dayだったら、1日で外すのでOKとしてます)

しかし、このベンザルコニウム塩化物だけではなく、有効成分がレンズに吸着する性質を持つものがあるため、いいのかなぁと迷ったらご相談ください。

最近では、防腐剤を使用しないものも発売されています。

●1回使い切り製剤

●添加物の工夫

●有効成分自体が保存効力を有するもの

●開封後の汚染を防ぐように容器が設計されているもの 

さて、今回は「コンタクトレンズと目薬の関係」についてお伝えしました。

身近なものだからこそ、あれ、これってどうなのかな?って思うことありますよね。

疑問や質問あればお気軽にご相談ください。
▷あやこのお薬相談室

みなさんのヘルスリテラシーが向上するためのお手伝いが少しでもできますように。

参考:薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100
   株式会社日本点眼薬研究所HP
   わかもと製薬株式会社HP
   参天製薬HP
   田辺三菱製薬HP:アレジオン点眼チャンネル

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