#38 古くて新しい病気「結核」
こんにちは。
薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。
日々の業務で感じたこと、気づき、疑問を綴っています。
さて、DOTSという言葉、聞いたことありますか?
DOTS(Directly Observed Treatment Short course:直接監視下服薬短期療法)は、抗結核薬を服用中の方に対する治療法です。
結核と聞いて何をイメージしますか?
昔の病気?戦時中?正岡子規?
結核は不治の病ではなく、薬をきちんと飲むことによって完治する病気なのですが、古い薬が多くてその分、副作用も多い。
なのに、最低でも6ヶ月はたくさんの薬を飲まなければいけないので、途中で脱落する方もいる…そうすると治らないし耐性菌が発生する可能性も出てくる。
そんなこんなで、WHOが推奨しているのがDOTS。
簡単に言うと、「患者さんがきちんと薬を飲めているか医療従事者で確認しましょう」というもの。
入院中は看護師さんが配薬して服薬するまでを確認。
外来では、薬局や保健所で定期的に服薬手帳や空シート、残薬などを用いて服薬チェックをします。
私の勤務している病院でも院内薬局でDOTSを行っています。
生活習慣病の方だと飲み忘れが結構多い印象ですが、DOTSの場合、監視の目があるからか、飲み忘れのある方に私は出会ったことがありません。
いやー本当にすごい。
結核治療で最も大切なことは、開始した治療をきちんと決められた期間遂行し、終わらせることです。
結核なんて古い病気じゃないの?と思った方。
途上国ではまだ猛威をふるっていますし、日本では他の先進国に比べてまだまだ罹患率が高いのが現状なのですよ。
今回は「結核を治療、そして拡散させないための取り組みがあるんだよ」というお話でした!
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