#58 アスピリン不耐症患者に使用するステロイド
こんにちは。
薬についてちょっと詳しい人(薬剤師)です。
日々の業務で感じたこと、気づき、疑問をつづっています。
前回に引き続き、アスピリン不耐症についてみていきます。
アスピリンを含む解熱鎮痛薬(NSAIDs)を服用して、喘息症状や蕁麻疹、血管浮腫などの症状が起こった場合、その時の重症度によって、その後の対応は変わってきます。
その場合、中等症以上で使用するステロイドの使い方にも注意が必要になります。
ステロイドそのものは水に難容性で、注射剤はコハク酸、もしくはリン酸を側鎖につけたエステル構造で製剤化されています。
(溶けやすいように工夫されている)
しかしアスピリン不耐症患者は、コハク酸エステルステロイド(水溶性プレドニン®、ソルメドロール®)などにも過敏であると考えられています。
一方、国内のリン酸エステルステロイド静注薬でも、その急速投与はやはり安全とはいえないようです。
ちなみに内服ステロイドは安全に使用できます。
以上を整理すると、アスピリン不耐症患者に対するステロイド急速静注は禁忌。
投与する場合は、リンデロン®︎やデカドロン®︎などを1−2時間以上かけて点滴投与をする。
内服ができる状況であれば内服ステロイドでもいいのかもしれない。
点滴ステロイド使用で気をつけるべき点はもうひとつ。
乳製品にアレルギーがある人には使えないソル・メドロール®︎。
これは見逃しそうで本当に怖い。
アレルギー歴のチェックを徹底しなくては!!!
さて今回は、かなり理系よりの記事になってしまいました。(わたしのメモがわり)
しかし、薬のアレルギーや食べ物によるアレルギーを自分自身で知っておくということが、以降の生活に対してとても重要だということが少しでも伝わったでしょうか?
疑問や質問あればお気軽にご相談ください。
▷あやこのお薬相談室
みなさんのヘルスリテラシーが向上するためのお手伝いが少しでもできますように。
参考:重篤副作用疾患対応マニュアル
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs、解熱鎮痛薬によるじんま疹/血管性浮腫)
非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作(アスピリン喘息、解熱鎮痛薬喘息、アスピリン不耐喘息、鎮痛剤喘息症候群)
独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センターHP
ソルメドロール ®︎添付文書、インタビューフォーム
ソルコーテフ®︎添付文書
リンデロン®︎添付文書
デカドロン®︎添付文書
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