0309
考えることから遠ざかっていた。
書いてみることを遠ざけていた。
それは、忙しかったから。
でも、本当は、多分わざと。
面倒くさいことから逃げるように。
毎日をただただこなすように。
何も考えないように。
でも、考えない日はなかった。1日も。
あの日から、色を失った、と表現している人が多くいて、
実は私もそうなのかもしれない。
それを言い訳にしているだけなのかもしれないけれど
何もやる気が起きない。あまり、生きている意味が見出せない。
私は、明日また1つ年を重ねる。
30で止まってしまった、止めてしまった彼を置いて
40や50になっていく人生に、一体何の意味があるのだろう?
生きるとは数奇なもので、今年に入って、
番組こそ違うけれど、
彼がレギュラー番組を勤めていた場所で再び働くことになった。
今日も、すぐ隣の編集室でその番組チームがPRを作っていた。
あの日、あの情報が駆け巡った時、
あの後構成を変えてあの追悼のテロップを、この編集室で入れる時、
スタッフはどんな気持ちだったのだろう、と思わずにはいられない。
私は、2年前、確かに、彼が通っていたここにいたのに。
だから何だという話ではあるけど、でも、
気づいていたら、もしかしたら、多少人生に彩があったのかもしれない。
幸か不幸か、私は今この環境にいて、
改めて彼が人生を刻んだ映像の過去回を遡って見ることができる。
時にバラエティ。時に大河ドラマ。そしてデビュー作ですら。
でもそれが何だというのだろう。全ては過去なのだから。
”生きていかないといけない”
”何のために生きていくんだろう”
と思ったのは初めてかもしれない。誕生日に。
最近、無意識のうちに、部屋に生きている物を迎えている気がする。
大小の植物。職業柄帰れないことも多いから、
そんなに面倒を見なくてもいい爬虫類。
もちろん、安易に迎えているつもりはない。多分。
でも、何か生きる、生きている、このために生きないと、
と思えるようなものに囲まれたいと、無意識に思ってるんだろうなと。
うん、多分私は、だらしないし、クズみたいな生活を送ってて、
誰かのために何ができるわけではないけれど、
生きたいんだと思う。
年を重ねることが、どうかポジティブでありますように。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?