『知らずに済むならそうさせて』コンセプトノート
上演時間…15-30分(予定)
わたしはAさんのことをなんとなく知っているつもりでいます。性格のことも人間関係のことも。その人がこの世界でどのような立ち位置にいるのかということも。
わたしはAさんについて、なるべく異なるタイプの十人の人々に、どのように捉えているかインタビューします。わたしの抱いているAさんのイメージとそこまで食い違わないエピソードを話す人もいれば、わたしがみたこともない表情について語る人もいるでしょう。
Aさんに、その十人のインタビューを再構成したものを、演じてもらいます。AさんはAさんについてまるで他人事のように語りますが、それは他ならぬAさんのことです。
それらの証言について、Aさんがどのように考えているかを、わたしはインタビューしません。追及しません。
Aさんが墓場まで持っていく秘密のうちのひとつとして、預けておこうと思います。その気持ちのことは。
知ったほうがいいことも知らないほうがいいこともありますが、たとえどちらだとしても、それを聞いたときにわたしたちは、すでに知ってしまっています。
知ったことを言わないことは出来ても、知らないことにすることは出来ません。
知らないほうがいいことは誰にも口にしないことが鉄則ですが、わたしたちは好奇心旺盛なので、余計なことを聞いて、すぐに知ってしまいます。
知らぬが仏とはよくいったものです。
知ってしまうわたしたちのほとんどは、仏ではないのですから。
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綾門優季の坂あがり相談室plus「稽古場訪問&お茶会」
「知らずに済むならそうさせて」
作:綾門優季
演出:橋本清
出演:新田佑梨
2018年5月31日(木) 15時00分スタート(16時30分頃終了予定)
*31日までに創ったものを(30分程度)ご覧いただきます。
*訪問いただいた皆様と一緒にお茶をしながら、お話します。
【会場】
急な坂スタジオ 和室
*お履きものを脱いでいただきます。ご了承ください。
【料金】
無料(予約不要)
http://kyunasaka.jp/ayato_plus
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