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『蹂躙を蹂躙』を蹂躙せずに大切に大切に育てること

綾門優季+三橋亮太『おまおまいういう』が、5月7日(日)に終わりました。
ご来場のみなさま、ありがとうございました。

そもそも『おまおまいういう』って? という方は、上記の公演詳細をご確認ください。

ここでは、『蹂躙を蹂躙』ワーク・イン・プログレス公演(2023年2月 北海道・シアターZOOスタジオ)、『蹂躙を蹂躙』(2023年5月 東京都・アトリエ春風舎)、これからの『蹂躙を蹂躙』(2023年9月 兵庫県・そぞろ座)について、記述しながら、「演劇」の捉え方がさいきん変わってきたことも、特に結論が出ているわけでもないのでモヤモヤも含めて、備忘録として、残しておければと思います。
まだまだ、みちなかばの企画ですので、中間報告の意味を多分に含みます。
よろしくお願いいたします。

◎ 『蹂躙を蹂躙』ワーク・イン・プログレス公演(2023年2月 北海道・シアターZOOスタジオ)

元々は、全国小劇場ネットワークのシアターホームステイプロジェクトに応募したところから、『蹂躙を蹂躙』ひとり芝居企画はスタートしています。

あまりにも長いコロナ禍のあいだに、活動していく目標が、徐々に変わっていくのを感じていました。
東京都武蔵野市から、2021年に神奈川県横浜市に引っ越したことによる心境の変化も大きかったです。
少なくとも東京都をメインで演劇の活動をしているとき、競争社会っぽさから逃れることの難しさとか、コロナ禍であるにも関わらず、向こう3年後の活動計画(コロナ禍だとあたりまえのようにぐちゃぐちゃになります)や動員目標(上げていくどころか下がるのをどうこらえるか)を何度も聞かれて審査されることの無理さとか、やむを得ない事情で計画を変更せざるを得ないときの補償のなさが、だんだん演劇をすることを億劫にさせていました。
劇団をぐいぐい大きくして有名になっていく目標と、コロナ禍で公演中止や延期、公演が出来たとしても様々なトラブルに巻き込まれて思い描いていたような活動を進めることが困難なことと、うまくバランスが取れないまま、解散した劇団もいくつかあったように見受けられました。
ものすごくがんばっていたひとがある日突然、演劇をスパッとやめるのをみて、怯えに近い感情が生まれた日もありました。
私が主宰の稽古場ではないのですが、2022年のある日に、演劇をやりたいという気持ちはある、でも今のところどうにもうまく機会をもてないまま今日まで来てしまったひとたちだけしかいない状態で長めの話をすることになって、「じゃあ逆にどういう形だったら演劇をしたいと思えるようになるんだろう?」と考えていたとき、シアターホームステイプロジェクトの情報を得て、策を練って、応募しました。

一度も行ったことのない土地で、演劇をみて、演劇をやっているひとに会って、演劇をやって、帰ってこよう。そしてまたいろいろ考えよう。家でうじうじ考えずに、せめて劇場や稽古場でうじうじ考えよう。そう決めました。

(つづく)

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