シェア
綾夏
2020年12月22日 18:44
桜叶くんが作品を出品してから数ヶ月後のある日だった。いつもならトントンと一定のリズムで聞こえてくる足音が、今日はなんか違かった。「深咲!深咲っ!」リビングのドアを思い切り開けたかと思えば、息を切らした桜叶くんの声が部屋中に響いた。ただ事ではない雰囲気が部屋の中を取り囲む。何があったのか分からなくて、私はとても不安な気持ちに包まれて、無意識に眉をひそめていた。「深咲。聞いてくれ。俺、やっ
2020年12月21日 15:34
大学で私は、絵の上手い文学生として人気者になり、友達が徐々に出来始め、一人では行かないような店に友達と放課後に行ったり、新しい服を買ってみたり、色々なことをして、充実した学生生活を送った。相変わらずサークルには入らなかったけれど、絵だけは描き続けた。文化祭の時は、実行委員の人からポスター制作や内装のデザイン案を任されたり、文芸サークルが毎年出している文集の表紙を描かせてもらったり、色々絵を描く機