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音楽をアルバムで聴いてみよう!

音楽は、今や誰の手にも届くところにある。

SpotifyやApple Musicなどのサブスクサービスを使えば好きな曲はいくらでも聴けるし、更に自分でオリジナルのプレイリストを作ることさえできる。

また、YouTubeを見ればMVと一緒に楽曲を楽しむことができて、TikTokでは動画のバックとして音楽が流れたりする。
そんな風にして、音楽の楽しみ方はますます多様化してきている。

様々に枝を広げる昨今の音楽シーンにも、一つ共通する大きな傾向がある。

それは、曲を単体で聴く人が増えたことだ
サブスクにしてもYouTubeにしても、調べる時は曲を検索するし、特定のアーティストの曲を聴きたい時も人気順から漁ったりする。

私たちが生まれる前の世代にとって常識だったアルバム単位で音楽を楽しむ行為はもはやマイノリティで、最近のアーティストもその流れを汲んでアルバムに依拠しない形で楽曲を発表するケースがよく見られる(MVがその最たる例)。

しかし、私は敢えて提案したい。

…………

アルバムで曲を聴いてみませんか?

全ての音楽をアルバムで聴かなくてもいい。
人気曲を漁る、MVを見る、その他沢山の選択肢の中の一つに、「アルバムを楽しむ」という項目を追加してみませんか?というお話です。


アルバムとは?

そもそもアルバムと聞いてもピンとこない人もいるかもしれないので一応解説。

アルバムとは、複数の楽曲が収録された一つの作品です。対の概念としてシングルが存在し、アーティストが楽曲を発表(発売)する時の形態は大まかにこの2種類に分けられます。

サブスクでアーティストを検索した時に表示される「アルバム」欄を見れば、そのアーティストがこれまでに発表したアルバムを聴くことができます。

アルバムの良いところ:
ストーリーを楽しめる!

これはアルバムの中でもとりわけ「コンセプトアルバム」に絞った話になります。
ここでまた新しい用語が出てきたので説明を載せておきます。

ある一定のテーマまたは物語に沿った楽曲によって構成されたアルバム。アルバム全体でひとつの作品になっている作品をさしている。

Wikipediaより

一つのテーマに沿って作られたアルバムは、一連の楽曲間でストーリーが紡がれていきます。

それを聴く時、我々は曲単体に目を向けた視野から少し俯瞰して、アルバム全体におけるその曲の立ち位置を見るようになります。

この曲、実はこういう意味合いがあるんじゃないか?

それによって、もしかすると今まで好きだった曲の別の側面が見え始めるかもしれません。

アルバムの良いところ:
曲に色がついて見える!

また、楽曲の立ち位置が明確化することでかえってその曲を分かりやすく捉えることができるかもしれません。

例えば、単体で聞いていた時はイマイチパッとしなかった曲であっても、もしダークな雰囲気のアルバムに収録されていたらその曲は暗い色を纏い始めるでしょう。

言うなれば、アルバムを聴くことで曲に色がついて見えるということです。

抽象的な話ばかりしていてもつまらないので、具体例を上げて見てみましょう。

私が挙げるのは、Mr.Childrenの『深海』というアルバムです。

これは私自身初めて通しで聴いたアルバムで、いわばアルバムの原体験です。

この作品はまさにコンセプトアルバムの成分を凝縮させたような仕上がりになっていて、ジャケ写の雰囲気から分かる通り全体的にダークな作風となっています。

一曲目『Dive』で深海へ潜り、そこから楽曲がシークエンスに紡がれてゆく。遠い深海から現代社会や人間を見つめるように独白する。

そして7曲目には有名曲『名もなき詩』が収録されています。私はこのアルバムに触れる前からこの曲を聴いたことはありましたが、それまでは曲に対する印象は薄く歌詞すらちゃんと追っていたわけではありませんでした。

しかし、『深海』を通してこの曲を聴くようになると、段々と曲に色がついて見え始めて、解像度が高くなっていくようになりました。

このようにアルバムは、それまで音だけで楽しんでいた楽曲から歌詞も抽出させる装置としても機能します。

もう一つ私が挙げるのは、King Gnuの『CEREMONY』です。こちらは知ってる方も多いのではないでしょうか。


こちらのアルバムも一曲目と最終曲がそれぞれ『開会式』『閉会式』となっていてコンセプトアルバムの様相を呈しています。

ジャケ写からも伝わる華やかさは収録された楽曲たちを見れば一目瞭然で、有名曲が揃い踏みです。

このアルバムは先ほどの『深海』ほどコンセプトがきっちりしたものではなく、King Gnu特有の幅広い音楽性を備えた楽曲をドカンとお披露目するセレモニー、というコンセプトのように見えます。

そんな風にしてアルバムを読み解くと、『開会式』の後イントロ無しにいきなり始まる『どろん』は、セレモニーのスタートに打ち上がった盛大な幕開けのような雰囲気を纏って余計にカッコよく聞こえてきます。

その後に続く『Teenager Forever』までスタートダッシュを切って、『ユーモア』で少しペースを緩めて曲調が和らぎ、『白日』へと続く……

こんな感じで、アルバムは自分が好き勝手に解釈して無限に妄想を膨らませて楽しめるのが魅力的なんです。

さいごに:
実物も買ってみよう!

アルバムの魅力を散々語った上でもう一つお勧めしたいのが、実物を買うことです。

サブスクでもアルバムは聴けるし、一つアルバムを買うのにもお金はかかりますが、それでも現物の魅力は画面越しでは伝わりません。

例えば、私が最近買ったMr.Children『SUPERMARKET FANTASY』の現物。

写真では少し伝わりづらいですが、実物は普段スマホで見ているジャケ写以上にキラキラしていて、光沢感が半端じゃない!

更に中身を開くとここにもアートワークが。
中身までのデザインはサブスクでは楽しめません。ジャケ写を一目見た時の高揚、そして開いた時の圧倒される感覚…

視覚まで訴えてくるような感覚は、現物ならではです。もしお気に入りのアルバムが見つかったり、ジャケ写に惹かれるアルバムがあれば是非現物を買ってみてください!

アルバムを楽しもう

Can make Tokyo.

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