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24時間営業を辞めたコンビニ〜12月の販売数値の動向〜「非デイリー品」


 「理想を曲げる」ということ



 皆さんこんにちわ、あやすけです。


 「理想」という言葉が心の底から大嫌いな自分であるにも関わらず、最近の記事ではこのワードが出てくる事が増えました。 

 
 自分が大得意な分野である「従前の考え方を変えること」という出来事が、最近あったことも以前の記事で書きました。

 

 結論から言うと、「複数店」を経営したいという意思を、本部に伝えました。

 その理由は、現在の当店が持っている、いわゆる「ロードサイド要素100%」という立地特性には、少なくとも今後10年単位の期間において、「将来性が無い」という判断を下したからです。

 
 上記の見立てによれば、1分1秒でも早く契約を解除して店の経営から離れることが最善策となりますが、それをしない理由はいくつかあり、その中で最も大きな理由は2つあります。1つ目は、チャージ率が減額される「契約更新」が近い将来に控えていること、2つ目は、戦争でも起きない限り、この国においては「世の中の変化」の速度はゆっくりであること、となります。

 
 複数店に希望する店舗の立地特性は言わずもがな、現在の当店の立地特性と真逆の立地となります。それは言い換えれば、ターゲットとする商圏=客層の間口を可能な限り広げた現在の立地とは正反対の、それを可能な限り絞って限定した立地となります。



 「生き残ることが出来ずに消えて無くなるリスクを最大限減らすため」
 

 これが複数店を希望することにした根拠です。やはり、「撤退戦」ですね。


 希望が実現する確率は、現在の本部の出店戦略の現状、複数店を希望する同業他者の人数及び当店が非24時間営業の経営形態であることを考えれば、5%にも満たないでしょう。



 それでもやはり、生き残ることを最優先にするのであれば、やるしかないでしょう。加えて、将来の変化を100%予測することは誰にも出来ないという視点から考えたとしても、妥当な結論となるでしょう。


 ・・・「理想」ですか?

 
 私の中の「理想」は、今も変わっていません。その途中で理想を曲げることも、この現状を考えれば避けては通れない道なのでしょう。生き残ることが出来て初めて、理想が現実になる確率は「ゼロ」以外の数字となります。そして何より、理想が現実とならなかったとしても、それを価値の無いものだとは1ミリも思いません。


 

 長くなりました。それでは前回の記事の続きとして、今回は「非デイリー品」の12月販売数値の動向について書きたいと思います。




1.基礎数値

・日販
 前年比100%(103%)
 コロナ禍初年度比104%(103%)
 24時間営業時比89%(90%)
・客数
 前年比93%(97%)
 コロナ禍初年度比97%(95%)
 24時間営業時比76%(79%)
・客単
 前年比107%(106%)
 コロナ禍初年度比108%(109%)
 24時間営業時比116%(114%)
・買上点数
 前年比100%(100%)
 コロナ禍初年度比101%(102%)
 24時間営業時比105%(103%)

※当店における時短営業開始時はコロナ禍初年度です
※( )内は前月の数値です           

 前回の記事と同様です。10月の経営数値をもって確定させた当店経営陣の今後の見立てと比較して、客数は予想以上に下ブレし、客単価は低下せず頭打ちを継続、結果として日販は前年と同等&コロナ禍初年度と比較して約4%の上ブレ、となりました。そして、日販は今後さらに低下していくでしょう。


2.前年比upした分類

◯加工食品→前年比103%(110%)
・「カップラーメン→up」
・「カップ味噌汁→up」
・「袋味噌汁→up」
・「レトルト→up
・「加工米飯→down」
・「袋ラーメン→大幅down」

( )内は前月の数値

 前年比超えをしばらく継続している分類ですが、前月からは一転してその上昇幅が減少しました。大幅に優位であった地区平均と比較しても、当月の数値はそれと同水準まで下降しました。

 販売額を牽引してきた分類のメインとなる「カップラーメン」が、その前年比超えの度合いを急激に小さくしたことが原因です。やはり、地区平均以上に大きな数値の減となった「当店の客数の減少」が大きく影響しているのでしょう。

 9月の販売数値において前年比が下ブレしたため、10月以降は各種割引等の本部販促に全乗りしています。通常の売場のみならず別場所においても販促対象商品の展開をすることで、インフレによる購買意欲減の状況に少しでも対抗していますが、直近1月の数字を視ても客単価の伸び率と買上点数がさらに鈍化していることを考えると、この下支えの効果もいずれは打ち消されマイナスに転じることが予想されます。


 「客数」の力は、偉大ですね。


 しかし、やるべきことは変わりません。これまでと同様に本部販促に全乗りする事に加え、割安感のあるPB商品の品揃えの強化もこれまでと同様に継続します。


◯珍味・缶詰→前年比102%(107%)
・「珍味→大幅up」
・「魚肉ソーセージ→大幅down」
・「缶詰→大幅down」
・「ビン詰め→大幅up」

※( )内は前月の数値

 8月にゴンドラ移動を実施してから好調な販売数値が継続していた「珍味」の分類ですが、その上向きのトレンドに陰りが見えて来たことは前回の記事でも書きました。そして、その度合いは12月になりさらに増しました。

 一方で、不調から好調に転じる端緒が見え始めていた「豆菓子」、お菓子の分類の一部である「ポテトチップス」&「小物チョコ」の分類のうち、後者の2つは引き続き好調を維持していることから、現在行っているレジ前での売り込みについて、「珍味」から変更することとします。いつの日かまた、「珍味」の分類にも日が当たる時が来ることでしょう。一時ですが、さようなら。


3.前年比downした分類

◯ポケット・洋風菓子→前年比93%(99%)
・「焼き菓子→大幅down」
・「チョコレート菓子→大幅down」
・「グミ素材菓子→横ばい」
・「小物チョコ→大幅up」
・「袋キャンディ→大幅up」
・「スティックタイプキャンディ→大幅up」
・「ガム」→「大幅down」
・「駄菓子→down」

※( )内は前月の数値

 甘いお菓子の分類です。数値が一進一退を繰り返している状況に変化はありません。7月まで下、8月&9月と上、10月は再び下に転じたのち、11月&12月は継続して下です。塩っぱいお菓子と同様、「売る力」が未だ弱い状況に変化なしです。

 分類の内訳を視ると、「小物チョコ」&「袋キャンディ」が好調であり、前者は数ヶ月連続、後者は3ヶ月連続で数値の上向きが続いています。一方で、好調であった「焼き菓子」の下ブレは3ヶ月連続となりました。新しい什器が本部から送り込まれましたので、この下向きの数値が変化するかどうか注視したいと思います。

 レジ前での売り込みについては、「焼き菓子」から「小物チョコ」への変更を継続していきます。今後も費用対効果が最も大きい可能性がある分類を選んで、販売額を下支えすることを主たる目標に取り組んでいきます。


◯アイスクリーム→前年比99%(118%)
・「ノベルティ→大幅down」
・「プレミアム→大幅up」
・「ファミリータイプ→大幅up」
・「ロックアイス→大幅down」

※( )内は前月の数値

 開店当初から当店では弱い分類であった「プレミアム」及び「ファミリータイプ」の強化を11月から取り組んでいますが、12月は数値が下がりました。その原因として考えられるのは、予想以上に下ブレした「客数」だけではなく、「ノベルティ」の分類の軽視もあるでしょう。

 「プレミアム」や「ファミリータイプ」といった付加価値が高い商品とは対照的に、「ノベルティ」の商品は「客数」の動きに販売額が左右される度合いが強いです。また、当店の販売構成比から視ると、「ノベルティ」 「プレミアム」 「ファミリータイプ」 「ロックアイス」は5:3:1:1です。全体の販売額の5割を占める「ノベルティ」の分類は、たとえ付加価値が低く客数依存の度合いが強いとしても、一定レベルの品揃えと売り込みが必要であるということなのでしょう。

 今後は「プレミアム」&「ファミリータイプ」の強化を引き続き継続しながら、「ノベルティ」についても軽視すること無く、既存商品の売場スペースの確保&新商品の売込スペースの拡大に注力することとします。


◯スナック菓子→前年比92%(93%)
・「ポテトチップス→大幅up」
・「箱スナック→大幅down」
・「袋スナック→大幅down」

※( )内は前月の数値

 塩っぱいお菓子の分類です。数値が低空飛行している状況は依然として変わらず、甘いお菓子と比較するとこちらの分類の方が状況はより「下」である状況も変化なしです。

 その中でも、「ポテトチップス」については数値が2ヶ月連続して上向きました。客数の落ち込みが平均より大きかった当店の12月の状況でしたが、その中で「ポテトチップス」の販売額は地区平均の数値と比較しても同水準で上向きましたので、レジ前の売り込みを「珍味」から変更します。

 甘いお菓子と同様、落ち込んだ谷が深ければ深いほど回復する際の伸び代は大きいと判断し、費用対効果が最も大きい可能性がある物を選んで、販売額を下支えすることを主たる目標に取り組んでいきます。


◯和風菓子、豆菓子→前年比80%(84%)
・「豆菓子→大幅down」
・「米菓→大幅down」
・「和菓子→大幅down」

※( )内は前月の数値

 数値が上向きのトレンドとなりつつある状況を前月までは少しだけ見せていた分類でしたが、12月は再び下降しました。上向きのトレンドへ向かいつつあった数値の主な牽引役であった「豆菓子」は、その販売額を大幅に下げました。上向きは1ヶ月で終わりましたね(泣)

 上向きの数値をトレンドとして確認出来た際に検討していたゴンドラ移動でしたが、しばらくお預けです。やるべき事は多いですが、私の体は1つであり、私の1日は24時間です。それは今日も変わりありません。

 引き続き「守りの姿勢」で耐え忍ぶ方針を継続します。時間と金と人は、有限です。その大事な資源は他の分類に回しましょう。


◯冷凍食品→前年比94%(103%)
・「冷凍麺類→up」
・「冷凍惣菜→大幅down」
・「農水産、素材→大幅down」
・「冷凍米飯→大幅down」

( )内は前月の数値

 本部によるレイアウト変更工事が実施されてからおよそ6ヶ月が経過しましたが、そのうち販売額が前年比を超えたのは3ヶ月、割ったのは3ヶ月です。一進一退の状況ですね。そろそろ結論を出していいでしょう。レイアウト変更工事の効果は、「冷凍食品」の販売額に大きなプラスの効果を生む事は無かったようです。

 「他の分類の売場に良い影響を及ぼしている」 「レジからの見通しが良くなり防犯上のプラスの効果がある」などの意見もあるかも知れませんが、それはあくまで相乗効果であり、本来の主たる目的では無いですね。

 数値の内訳を視ると、「麺類」の好調は継続しているもののその上昇幅は鈍化し、一方で「惣菜」の不調が全体の数値に大きな影を落としています。

 今のところ、打つ手は思い付きません。前月までと同様に、「麺類」に集中した売場作りを方針としつつ、「守りの姿勢」で耐え忍びます。





 前回の「デイリー品」の記事と併せて、12月の当店の販売数値の動向は以上です。
 



 それでは今日はこの辺で。
 
 このクソッタレな世界と戦う皆様と明日もともに。

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