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21世紀的〇〇

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#小説

21世紀的夏休み

21世紀的夏休み

夏休みに田舎へ帰省する、出発前の家族連れ。

父親が玄関から2階を見上げて叫ぶ。

父「おーい、リョータ!もう行くぞー!母さんもタケシも、もう車の中で待ってるぞ。」

2階から叫ぶリョータ。

リョータ「だっるいなあ。俺、家にいるからいいよ。3人でじいちゃんの家に行ってきて。俺、もう高校生になったしさ。」

父「お前、今さら何言ってんだ?お前に会えないと、じいちゃんもばあちゃんも寂しがるだろ。早く

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21世紀的親子「思い出と未来の親子関係とSNS」

21世紀的親子「思い出と未来の親子関係とSNS」

夏休みのよく晴れた日、公園にて。

ユミ「タクちゃん、こっちこっち、ママの方見て!そうそう、撮るよー。はい、チーズ!(カシャッ)うん、いい写真。さっそく投稿しよっと。(『息子が1歳になりました!!』と入力してFacebookへ投稿するユミ)」

15年後...

リビングにて。

タクヤ「母さんさ、俺の昔の写真をFacebookとかいう昔のSNSにあげたことある?今日さ、学校の授業でSNSの歴史教

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21世紀的恋愛「美人がどんな服を着ても似合う理由」

21世紀的恋愛「美人がどんな服を着ても似合う理由」

ミカ「美人ってやっぱり得だよね。何着たって似合うしさ。(ファッション雑誌をパラパラめくりながら)はぁ、いくら流行りだからって、身長低くて足短い私がさ、こんな中途半端な丈のガウチョなんて着ても似合うわけないじゃん。」

シュンスケ「そりゃそうだよ。美人になればなるほど、個性なんて無くなるんだ。だからどんな服を着ても似合う。別の言い方をすれば、特に似合う服っていうのも無いってことだよ。マネキンと一緒。

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21世紀的友情「フォロワー数が多い男と少ない男」

21世紀的友情「フォロワー数が多い男と少ない男」

コウジ「(スマホをスクロールしながら)あ、昔の同級生発見。でも、こいつフォロワー7人しかいない、少なっ!可哀想だからフォローしてやるか。」

***

ケンタ「あ、何か通知きた。(スマホを手に取る)コウジがフォローしてくれたのか。コウジか、懐かしいなあ。元気かなあ。(ゴホゴホと咳き込む)ヤベ、風邪かな?熱っぽいかも。何にもする気しないし、SNSにつぶやくか。」

ケンタのつぶやき『風邪ひいたか

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