真剣に向き合った過去は、流せるように

振り返ると仲良くなれる相手は、出会った人の数に比べて少なくて、自分が本当に大好きな相手や尊敬する人もそれほど多くはない。
仮に仲良くなったとしても、
時の経過と共に価値観が少しずつズレたり、生きる世界が変わったり。
仲良しの順位が違うなどの温度差があったり、踏み込みすぎたり、誤解したり。

更に第三者が介入することで噂や評判に流されてしまったりと悪く働くこともある。

そうやって仲良しが幻のように変化することもある。
………………
ギスギスしたり、見えない亀裂を感じたとき、それでも大好きだから仲良くしたくて、
精一杯、向き合おうと話そうと思うけど、うまくいかないときは先がない。

そして、その原因が他人だったりもする。
………………
私は、Ｔちゃんが大好きだった。彼女は人間関係に対して的確な指摘ができる子だった。また愛情表現も豊かで手作りお菓子を焼いてきてくれたり、資格試験の前にはお守りをくれた。
女性同士でも手作りってキュンとすると思った。
そんな妥当性判断と気配りができる女性だった。

知り合ってから5年位の空白があったが、お互いフリーで彼氏を探しており、再会してからは急速に仲良くなっていった。
…………………
私の同級生O君に頼まれて開いたのは、恋人がいない人限定との念押しの合コンだった。
今どきの出会いはアプリだが、昔の出会いは合コンという飲み会が主流だった。

合コンの後、ＴちゃんはO君を気になり始めていた。O君は気づいていたのだろう。二人のデートで、彼は彼女を突付いたり、ボディータッチをしていたらしい。

ただ彼は彼女を受け入れてなかった。

後から知ったことだが、彼には、彼女がいた。それも人妻と上級生の女性の二人もいたのだった。
………………………
私は彼とは、プライベートな連絡は殆ど取らない。省エネの私は活動時間が短く、本当に大切な人にしか時間を割けなかったのだ。

彼と彼女がうまくいかなかった後、私は彼女の話を聞いていた。
他方で彼とは研究室で会い話すことはあったが、それは私にとってあくまで業務連絡だった。
しかし、彼女はそう思ってはいなかった。自分がうまくいかなかった相手と私が仲良しとの認識だったのかもしれない。
その頃、私には彼氏がいたのに…。

そして、ある日、彼は私に「暇潰しに◯ックス」しようとメールしてきたのだ。
………………………
これは私の喧嘩だと思った。
「いい加減にしてくれ、私の大切な人に好意を持たせてそれはないだろう。」
メールがきた翌日、彼がパソコン室にいることを知っていた私は憤慨し伝えた。

逆ギレした彼と突如、取っ組み合いが始まった。身長160センチ程度の二人は互角かと思われたが、私は片手で持ち上げられ、飛ばされた。
転倒し、腕に大きな痣が出来た。
「私は手加減してあげているのにそれは卑怯だ。」
そう言うと彼は私の足元を見た。ピンヒールで踏まれたらヤバいと思ったのだろう。

この一言で落ち着かれたご様子だったので、
「私やその関係者を二度と性的対象にしないように」と言って立ち去った。
………………………
自分が大切に思っている関係やかけがえのないものを他人は簡単に踏み潰す。それを注意すれば、プライドに傷が入り激情する。どうしようもない。

しかし、私は例え言葉が通じない相手であっても巻かれずに、大事なものは大事ときっちり伝えていきたい。友達関係の持続に他者が全く立ち入らないのは無理でも、壊されるような過度な立ち入りはしないで欲しいからだ。
私にとっては、彼の「女性は自分のものになる」との理解不能なプライドより、時間をかけて培った同性との関係の方がずっと大切。
………………………
私は彼女に、私が彼に興味がないことを伝えたが、体の関係を要求され拒んだことまでは言えなかった。
彼女が、私と彼との関係を、彼女なりの認識の仕方によって傷つくだろうと思ったからである。

そして、それ以上、言葉を交わすことはなくなってしまった。なかなか出会えない大切な思いと大事にした関係は、過ぎてしまったのかもしれない。
………………………
時は流れても心の奥に切なかった記憶だけは残る。
しかし、もうそんな記憶も吹っ飛ばしたい。
人との関係は、移ろう。そして持続にも崩壊にも第三者の介入は不可欠だったりする。その結果、かけがえのない仲良しも今は昔だったりするが、逆もしかり。

言うべきことをいい、やるべきことをやったのだから、時の流れと共に悲しかった出来事を流して、囚われるべきものは「今」だけでありたい。
………………………
私が吹っ飛ばしたいものは、どうにも変えられない過去。

………………………………………………………………………………………

きゃらをさんの【お前ぶっ飛ばす企画】に参加させていただいております🎀

面白い企画をありがとうございます✨

また、皆さんの記事を読ませていただき、気持ちがホッコリしました。とても素敵な企画ですね。

「ぶっ飛ばす」との企画名でぶっ飛ばされたことを思い出してしましました🤩

私も参加させてもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします。