自立を阻む毒親とは、子供の人生を搾取する自己中だと知った
「これから長い付き合いになるから。」
「私にとって良い人そうで良かった。」
結婚報告の挨拶で伺ったとき、なぜ義母の主語が、ご自身なのかと疑問に思ったが、口には出さず、「私は義母と結婚したんじゃないよぅ」と心の中で回答した。
…………
夫との関係が終焉に向かう中で、挙式に参列して下さった人たちに事情を説明し、謝罪をする。夫が怒りを抑えることができない心の病であること、義親族が過干渉であることを話す。しかし、誰も私のことも夫のことも悪く言わない。
「りりいちゃんにはいつも楽しいことで心をいっぱいにして欲しいよ。怒りや憎しみの心を増幅させたくないから、旦那君のことは、自分は悪く言わないよ。」
「相性の問題だったから、りりいちゃんは悪くないから、私たちへの謝罪の気持ちより、自分の望む人生に目を向けて。」
「厄年のせいだよ。りりいちゃんのドレス姿が綺麗だったから、私は何も思ってないよ。」
と。誰も「ご祝儀が」とか、「旦那の親族に自分も無礼なことをされたから、腹立つ。」と怒る人はいない。私の周りの人たちは、誰も自分の思いを中心には考えていないのだ。
…………
夫の態度が、「慰謝料払う」と言った後に、「やっぱり払わない。」
と土地狂った様に切れた。
それを見た友人が、
「旦那君もさることながら、旦那君の家族や友人が、旦那君を憎悪の妖怪に変えているよ。取り巻きがヤバい。」
と夫の周りの人々に警戒を払う。義親族は自分たちの我儘を受け入れてくれなかった嫁憎しの思いを、夫にぶつけているのだろう。
夫の取り巻きは、いつも自分のことばかりの人々だと思う。
……………
他人が自分の思い通りに行動してくれると、洗脳出来たかの様で嬉しいのだろう。他人を支配することに快感を持つ人もいる。まるで某国の国家主席のように、称賛を浴びたい欲をお持ちの人間は、日本にもいるのだ。
だから夫の親族は、夫に自分都合の弁護士まで紹介した。
「調停中にFAXを送る弁護士は聞いたことない。」
「本人出席で弁護士欠席って、初めてです。」
そして、
「相手がこんな主張を当日してくるなんて誰も思わなかったから、裁判官にも終結を言われていたのに、ごめんなさい。」
と調停委員の先生が私に謝罪する事態にまでなってしまった。
親が知人弁護士を、40代の息子に押し付ける。親は威厳を示すことができ、ご満悦かもしれない。
都合が悪くなると話し合いをせずに逃げる夫につけられたのは、調停を約5ヶ月逃げることを防衛とする人だった。真に相手を思うなら、毒を与えずに、自分で手に入れる叡智を与えることではないだろうか。
…………
夫のチック症に隠されていた怒りの感情の1つは、周囲が与え続ける自己中心的な感情だったのだろう。そして毒を渡されているのに、それを毒とも気が付かず、麻痺した毒を逃すため、人に毒を転嫁する、その夫もまた毒だろう。夫は義親族と違うと思っていたのは都合の良い私の解釈で、結局、一丘之貉だった。
………
「りりいちゃんは、楽しい気持ちでいたほうがいいから。」
と話す友人が、マリオカートをやりながら、夫の不満をちらっと話す私に、
「りりいちゃん、やかましいよぅ。ヘンテコおじさんはもういいから、レースに集中してぇ」
と、微笑む。
友人も、挙式で義親族に見下され嫌な思いをしたという。しかし、そんな自分の感情を私に与えず、いつも楽しいことで満たされるように、配慮してくれる。そんな人を思いやることが出来る、崇高な人に囲まれていたから、知らなかった。
自己中心的な理由で子供を支配したい、そんな人がいることを。それが毒親だと。
「毒義親族との絶縁」と書いた護摩木が焚き上がる様子を見つめながら、今はただ浄化を祈る。