見出し画像

人の仕事を尊重すること〜調停で全要求を弁護士なしで飲んでもらうには〜

「今頃?なんで直ぐに言わないの?」
「他人を悪く言って責任転嫁かよ。」
仕事をしていると、バッドタイミングの要求や、他人を悪く言う事で責任逃れしようとする人に振り回されることがある。勿論、緊急事態が発生しやむを得ないこともあるが、その殆どは理不尽な要求で、自分の主張を正当化し押し通そうとする傲慢さが滲み出る。そして、納期遅れや不当な主張をする人は、一時が万事で、何度も非常識な行動を採る。そんな人と働いたとき、自分はこうはなりたくない。納期を遵守することで人の仕事を思いやり、何事も他人のせいにすることなく相手を尊重する意思を持ち続けたいと思う。
⋯⋯⋯⋯
調停に当たり、多くの人のブログや弁護士事務所の投稿記事を読んだ。その殆どで、「弁護士を付ける」ことに並んで、「調停委員を味方に付けること」とあったが、私には調停委員を味方に付ける意味も手段も分からなかった。何より、「味方につける」というのは、人の内心の自由を侵害する気がして、抵抗があった。
ただ、調停に当たっては仕事と同じ様に、人を尊重することを心掛けた。だから、主張には根拠判例や証拠を必ず付けた。調停委員の先生が、根拠のない主張に疑念を抱き時を浪費することを防止するためである。

他方で元夫とその弁護士は、一度も根拠判例や証拠を付けなかった。なぜなら、元夫の主張は「怒った」という評価であって事実ではないから証拠を出せなかったのである。だから、その主張は思い込み又は屈解と判断されざるを得なかった。
⋯⋯⋯⋯
前年(2023年)の年収で決まる婚姻費用分担調停において、「2024年の年収にすべきだ」と元夫側が主張してきたのは、2024年8月の調停で、年収が未確定の段階だった。毎年、年収が変わり得るのは全ての人に共通だから、婚姻費用の算定基準は前年の年収とされている。にもかかわらず今年の年収で決まるとするならば、根拠判例が必要だが、出さない。
そればかりか、私が出した源泉徴収票と給与明細を改造して、「もっと多いはずだ、おかしい。」と2024年の想定年収を主張したのだ。もっともその算定式は、元夫の妄想でできたものであって、四季報やインターネットに載っている弊社の賞与、提出した給与明細の金額とかけ離れ、とんでもない数字になっていた。既に私が出していた給与明細を無視し、簡単にインターネットから見つけ出せる賞与額の根拠すら夫は提出しなかったのだ。
今年の年収にすべきとの利己的な主張と意味不明な算定式を、調停委員の先生や書記官、裁判官に理解させ人の時間を奪う主張を平然と行ったのは、調停の前日であった。1週間前までに出すべき書類を出さないことは、打ち合わせを重ねて準備をし、調停という仕事に挑んで下さった調停委員の先生への思いやりが夫にはなかったことを意味する。
そして、非常識な言動を懲りずに元夫とその弁護士は、調停中にFAXを送ってきた。緊急事態かと思ったが、そうではない。7月分の婚姻費用から5、6月分の光熱費42,668円を控除しろとの利己的な主張であった。勿論ここでも控除出来るとする根拠判例はない。
2ヶ月に1回しかない調停で、調停委員の先生が私に謝ってくださる。
「裁判官にも今日で終えるように言われていたのに、光熱費の控除をしろとの主張があるとは思わず、ごめんなさい。」と。
⋯⋯⋯⋯
この話をして「えーーー」と大声を上げて下さったのは、重鎮と呼ばれる弁護士の先生で、
「そんな細かいお金、普通の弁護士は請求しないよ。なぜなら弁護士は、今後もお世話になる裁判所で、『そんなせこい請求をすることで、みんなの仕事を滞らせて。』と悪評がつき、心証が悪くなって今後の仕事に支障をきたしてしまうから。弁護士業をやっている弁護士なら絶対にやらない。」
とのことだった。友人の弁護士も同じ発言をする。
「判例で否定されている見解を根拠なく正当化して、調停中にFAXすれば、ヤバイ奴認定されて調停に弱い弁護士になるから、そんなことはしないよ。」
と。

婚姻費用のうち、共同生活中のクレジットカード引落しにかかる負担分は、引落しが共同生活終了以降でも、共同生活終了後の「生活費とはいえず、婚姻費用の既払金とは認められない」。しかし、元夫は判例すら出さずに、判例で認められていない期間の光熱費を1円単位で控除する要求をし続けていた。
そして、この様な控除不可能な金額の控除請求をした元夫側の弁護士は、裁判所に来ることすらたったの一度もなかったのだ。

重鎮の弁護士の先生が仰る。
「奥さんを無視する、調停に来ない、判例も出さない、せこい主張をする。大人がすることじゃない。印象最悪だよ。」
と。
⋯⋯⋯⋯
「次回の主張書面は、遅くとも必ず調停の1週間前までに出してください。約2カ月ありますから、守ってください。」
と調停委員の先生が元夫に伝えたが、期限までの書類の提出は、またもやなかった。そこで私が書記官に連絡し、書記官が釘を差して下さった結果、元夫側からようやく出されたその書面は、調停2日前だった。
誤字脱字、ナンバリング間違え、ひたすら私の悪口を書いた書面は4ページにも及ぶ。本来、「妻を罵る音声を口外しないでくれ」等の守秘義務のお願いや、慰謝料の減額を主張すべき書面で元夫は、私の人格を下げるための誹謗中傷に終始したのだった。
「何これ?証拠は?」
と、友人の弁護士が聞くが、証拠はない。なぜなら元夫が主張する事実がないから。その後、私が反論したLINEや音声で、元夫の主張した事実はないものと認定された。
「こんなもの裁判所に出して、酷すぎる。『僕がモラハラをやっていました』と、旦那がりりいさんに自白するような内容だよ。」
と、重鎮の先生が怒ってくださった。
「こんなもの裁判所は2度は読まないよ。内容も本当?と疑問ばかり。
結婚式からたった2カ月で、思い通りにならないと離婚届けを送っていなくなる。奥さんと話し合いもしない、調停に来ない、期限過ぎてから書面を出す。判例も証拠もない。誰のために調停をやっているのかと、調停委員なら怒るよ、これ。」
と、調停委員の先生の仕事を蔑ろにした元夫に、私の周りの方たちの誰もが白い目を向けた。
きっと元夫の本性は、他人が誠意を持って準備し、対応している仕事について思いやりを持てない。そればかりか、仕事なのだから働けと裁判所に言わんばかりに、思い込んだ事実を主張し、自分は正しいと訴える自分本位な人格なのだろう。その言動が周りの人の仕事にどれ程、不快感を与え、業務の遂行に支障をきたしているか、社内申請をしても祝電が一通も来なかった元夫の職場での態度が目に見えるようであった。
仕事なのだから働け、嫁なのだから言いなりになれ、そう言う人間だったのだ。
⋯⋯⋯⋯⋯
仕事には、必ず期限がある。仕事は結論云々ではなく、打ち合わせや会議の積み重ねで、人との意見交換の結果、成果が出る。だから、期限を守り、意見交換の機会には真摯に対応する。そうやって尊重し合うからこそ、納得した仕事を完成することが出来る。
自己都合で根拠のない主張が認められることはないし、虚偽がまかり通ることもない。ましてや会議に対面参加せず、会議中にFAXで資料を出すなんてあり得ない。それもトータルで半年も猶予があったにもかかわらずである。そんな非常識な人の主張を、普通の会社であれば、誰も聞かないだろう。ヤバイ奴だと、非難轟々となるに違いない。

こうして、居住地たる東京での調停において、義母のご希望する長野県の弁護士をつけた元夫の主張は全く認められず、私の請求を全面的に認める審判が出されたのだった。審判離婚は全体の僅か1%しかない。判決に次ぐ裁判所の判断が大きい決着方法で、元夫には、慰謝料の支払いをしろとの、実質、有責配偶者たるレッテルが貼り付いたのだった。
この記録は半永久的に残る。
⋯⋯⋯⋯⋯
調停で有利になるために、調停委員を味方にするという多数の書き込みは、私には妥当しなかった。
結局は、調停に真摯に向き合うことで裁判所の仕事を尊重するだけだった。しかし、人の仕事を尊重することは、日常的に行う当然のあるべき姿で何も特別なことはない。
もし調停を検討されている方がいらっしゃれば、勝敗は、調停委員を味方にすることでも、弁護士を付けることでもない。
他人の仕事を尊重することこそ必要だと、私は感じた。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
昨年も沢山記事を読んでくださり、ありがとうございます✨️
もっとも読んでいただいた記事は、こちらです。
1年近く経つ今も、毎日、多くの皆様に読んでいただいております。ビュー数は、7000に向かって伸び続けている記事です。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯
ego様
何度も読ませていただきました。眠れなくなったというメンタルの状態や義父に逐一報連相をしなければ何も出来ない元旦那様のご様子、凄く共感致しました。
ありがとうございました。


いいなと思ったら応援しよう!

あやとりりい
とても嬉しいので、嬉しいことに使わせて下さい(^^)