見出し画像

言わないと伝えたかったことが頭の中でヘビロテし、後悔する。だから嫌でも話すことは辞めたくない。

誰もが知るBtoCの1番入りたかった巨大プライム市場の会社。その最終面接でいかにも役員といえる4人の面接官が並ぶ。

他社との違いは、まるで新卒採用の様な面接であったこと。他社は、ノックや畏まった挨拶は求めなかった。それより人格を知りたいから、「何卒緊張せず、どうか嘘をつかず、本音で対話して」とばかりに、話しかけてくれた。
しかし、この会社だけは違った。この2年で書類が通ったのは私だけと言う理由が分かる。パーフェクトなマナーと疑い続ける質問が続いた。
…………………
決して緊張しているのではないはずだった。しかし空気に飲まれ、「お座りください」の前に着席してしまった。その後の経歴についてのやり取りはスムーズに進んだが、突如、面接官の役員が大きな声を出した。
一瞬ビクッとなる。

「貴女の会社、ハラスメントの監視にメールやスケージュールチェックまで許したのか?そんなこと役員が許可したのか?」
面接官たる役員様の前にある私の履歴書は怒りの矛先でもあった。丸めて机を叩く。

私は「はい。」と解答した。

「そんなことはありえない、嘘をつくな!!」と太い針のような目が体に刺さった。

「例えばスケージュールであれば約1万人の従業員、全員が閲覧できます。誰が省かれているか一目瞭然なので、この様な場合、ITからのエラーが出て当該部署の管理職に人事が注意します。」と話す。このとき、私の声は震えていた。

納得してくれたのかは分からないが、次の一声は、
「メールは検閲だろう!」
と机を叩く。

私は言葉を飲んでしまった。辞めようとしてはいるが、所属している会社を四方八方から悪く言われることに耐えられなくなったのだ。
この面接ではそれまでも組織の仕組み、個人が仕事を囲って働く慣習から志望動機に至るまで全て否定されていた。ここまできたらもう何を言っても否定されるだろう。
だから、技術が盗まれないように注意している会社と食品の販売だけを目的としている会社の運営は全く違うとは言えなかったのだ。

しかし、言葉を飲んではいけなかった。聞いてもらえる、分かってもらえる、合格したい。そんなことのためではない。
言葉を飲むことのほうが嘘つきになる。何より、自分が言葉で伝えることができる人になるために。
…………………
ただ私に限っては言葉を飲むことはよくある。例えばWBCのチケットを1万円で買ったという友人に、「私の友人は10万でようやくだったみたいだよ。」との言葉を飲む。嘘つきや作ってると思われたくないから。「安くていいね。」で終えるのだ。

いつから諦めたのだろう。その癖がこうして大切な場面でも出てしまい、貴重なチャンスを失ったこともあったな。
……………………
今年、新たに入ってきた新入社員の子たちを見ると、まるであのときの自分のように思える。思いも気持ちも話さずに、何度も頷き「質問はない、その通りですね。」と帰って行く光景。

飲まなくて良いんだよ。それより伝えて欲しい。飲んだ言葉は好機を奪い、いつまでも体を回って後悔として残ってしまうのだから。

これから何度も訪れるだろう。大事なチャンスをものにするためにも。
………………………………………………………………
皆様✨今日もご閲覧いただきありがとうございます。

甘露寺蜜璃ちゃんを観ていたら遅い時間になってしまいました。
これから皆様のところにもお伺いさせて下さい!

いいなと思ったら応援しよう!

あやとりりい
とても嬉しいので、嬉しいことに使わせて下さい(^^)