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人を試すと、試された方はいなくなってしまう。その時、他人を巻き込んで追いかけることは打開策ではない。

特に嫌いではなかった。職場では親切にしてもらっていたし、息が詰まりそうな雰囲気のときに話しかけてもらい、体が楽になったこともある。救われたことは数知れず。
しかし私は、彼女とは職場で会ったら話すくらいの距離が楽で、それ以上、関係を深めることは望まなかった。
だからランチも夕飯も、スーパー巡りも断っていた。誰に対してもであるが、関係を深めることは円滑に仕事を行う上でも避けてもいたのだ。

しかし親子ほど年の離れている彼女は、毎日の様に二人でのお出かけを望み、私はお誘いを受けていた。
その誘い方は、「そこのスーパー安いから」「お弁当を作ることは普通じゃないよ」と、私にメリットが在るという言い方であった。
「遊びたいから」「お話をしたいから」等、自分を主語にした依頼ではなかったことから、少しずつ重たくなっていった。
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本当に疲れていることとプライベートが忙しく、断ること、半年くらい。

断ることにも疲れ、1時間位との約束で、5時間くらいの食事をした。内容は同僚の愚痴で、無意識にしばらく離れたいなぁとの気持ちが浮かんだ。

嫌になりたくないから「また来月行こう」との誘いを断ったことが原因か。
「じゃあもう私に話しかけないで。」と言われたから、話すのを辞めた。
それはまるで恋人が相手の気持ちを試すかのようだった。
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それでも彼女からは、いくつもチャットが届き、私は見なかった。
そうすると、彼女が別の男性に私を紹介し、私はその男性からも話しかけられる。丁度、会社PCの不調も伴ったことが悪かったのかもしれない。

「PCが得意だから見たい」という、五十歳前後の彼は、百キロ超級のビックボディ。PCの設定確認をしてくれている時には、小刻みにおならの音がする。足の裏をかき続けながら、説明してくださるパソコンの設定内容は、Google先生への検索結果と同じものだった。

殆どが雑談で、私は頷くことにも骨が折れ、「パソコンどうですか?」と質問すると、「待ってユーチューブ見てみる」と回答をいただき、雑談が続く。
2時間に渡る拘束から解放されるが、いくつかの疑問があった。
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彼は、私の家のWi-Fiの会社やパスワードを知るために、私の家の管理会社に電話していたこと。
管理会社が、彼が誰であるかを私に問わず、回答していたこと。等。

礼儀として伝えたお礼の返事に
「りりいさんと話せて楽しかったです。」
「また会えるのを楽しみにしています。」
との言葉。
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どうして追う人が増えるのだろう。
私は長く仲良くしたいから、距離を取りながら人と繋がっていきたい。それは家族や友人とも同じで、とりわけ職場の人とはプライベートに深入りしないことが円満な状態をキープできると思っている。

確かに、深くなっても長く仲良くできる人がいることもあるだろう。しかし、一定の距離以上に仲良くなると嫌なところが見えてくる。だから芯まで理解し合いたがり、境界を超えてのずっと仲良しは私にはない。
特に逃げられない職場の人とは、深入りには注意せざるを得ない。

だから壁を作る。必要以上に仲良くしない。場合によっては避ける。それはあらゆる人にメリットだと思っていた。
しかし執着し、追いかけてくる人もいる。
追いかける人は、他の人まで巻き込むこともある。
巻き込まれた人は巻き込んだ人に似ていて、やはり執着心が強い。
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他方で、「長く仲良くするには距離が必要」ということを分かってくれる人もいる。

学生時代からの友人は、「いつかみんなで旅行とかいけたら良いね。」と私が話すと、
「今がいい距離だよ。それよりクリパしよう」と回答する。
私も本当にそうだと頷く。

人と人との関係は、好き嫌いでできている。そこには温度差があり、しかも時とともに移ろう。
だから時宜に応じ「誘われる→断る→別の提案」の流れが良い関係で居られるのだろう。
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人に深入りすると、その人の愚痴を聞かざるを得ず、人間関係のトラブルに巻き込まれることもある。

だから人に深入りされるのを避けるため、1回だけ誘いにのることもある。しかしその行動が、適度な距離を保つ結果にならず、相手のより近付きたい思いを掻き立てることもある。

断ると、しつこい人や深入りする人を巻き込み、付き纏われることもある。
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キャラも愛情の提供度合いも違う者同士が共生するには距離が必要。
もっとも、愛されたい気持ちは分かる。
しかしどんなに親切にしても、受け取り手は満足せず、親切の見返りをもらえないこともある。
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ただ、私も相手のNOや求める距離感を誤ったこともある。誘いは2度までで、3度目はよくないとも思っている。

それでも気づかずに執着し、相手を失うと戻ってこない。

だから人とは距離を考えながら接したい。特に自分が仲良くしたい気持ちが大きい相手には、何度もは誘わない。
他方で、温度差が相手に複数回、誘われたら、1回だけのることはせず逃げる。

大事な人と長く付き合っていけるように。
自分を取り囲む人たちが、適度な距離を保ち、尊敬の念で繋がっていけるように。
心を冷ますしつこい行為には私自身、気をつけたい。
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皆様✨今日もご閲覧いただきありがとうございます。

桜がきれいな季節ですね。皆様の桜のお写真を楽しみに拝読させて下さい。

とても嬉しいので、嬉しいことに使わせて下さい(^^)