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一本歯下駄ランニング!ippon blade369で丹後ウルトラマラソン60kmチャレンジの実験と気づき。


こんにちは!ippon blade研究者のAyari✼です。

一本歯下駄ippon blade369で、丹後ウルトラマラソン60kmを走ってきました。
33.1kmの関門に7分、間に合わずリタイアになってしまいました。


難コース+暑い+関門タイトの完走率約50%の丹後ウルトラマラソンなので、一本歯下駄で完走するには、相当に厳しいだろうなと覚悟して挑んだものの、それは想像していた以上の過酷さでした。
私の個人的な感想と気づきが多く含まれますが、ブログにまとめました。

知らない方もたくさんいらっしゃると思うので、簡単に説明すると、私の履いている一本歯下駄はスポーツ用に独自開発された走れる一本歯下駄でippon blade(イッポンブブレード)というものです。
マラソンの最長走行記録と最速記録は、数ある一本歯下駄の中でもippon bladeが保持しています。ippon bladeでマラソン大会に出ると、その後、ネット検索されて他社の一本歯下駄を購入されて「走れなかった」っというご相談をとても頂くので、まずは、ippon bladeの製品説明をご覧いただけたらと思います!↓


それでは、本題です!


いざというとき、人はなんでもやれる。


丹後ウルトラマラソンは初挑戦。
どれだけ厳しいかは、完走率を見ればなんとなく想像はしていたけれど、まさか33,1kmの関門に間に合わないという想定はできていなかったので、29km地点で、「関門に間に合わないかも!?」っと気づいた時、苦渋の決断をし、急いでippon bladeを脱いで、持っていたボトルの水を足にかけて、裸足になり、熱いアスファルトの上を、両手に下駄をもって必死に走りました。
まずは、関門に間に合わせなければ・・・!

ippon bladeでの完走を目指しているので、もうこの時点でリタイアすればいいのに、何故、そんなことをしたのか、自分でもよく分からない。どこかで、また調子が戻りippon bladeでも走れるかもしれない。その1%の奇跡を諦められなかった。


撮れた写真はこれ一枚


とにかく、暑い中での峠越えをしてきた時点で、ippon bladeが異常な重さになっていました。

さらに私は、裸足になったからといって、さほど速くもなく、その姿は、かなりカッコ悪かったことが想像できます。まさに鬼の形相をした山姥そのもの。

アスファルトの小石、痛い、、、。

今回、条件の厳しいウルトラマラソンを、ippon blade369でどこまで走れるか?

その実験が私のテーマだったので、予備のワラーチも用意しませんでした。
もちろん、実験は本気です。だから、完走は目指します。

ippon bladeで走れなくなったら、もうそこでリタイアする。そう心に決めて走りました。

保険をかけたら、なんとなくどこかで、気持ちの入り方が変わってしまう気がしたからです。

最後まで、絶対に諦めない不屈の精神を持っているのが私であり、その自分に賭けたかった。

熱いアスファルトの上を走っていると、一瞬だけ雨がポツポツ降ってきて、「あ、神様も背中を押してくれている」そんな気持ちになり、焦る気持ちを落ち着かせ、なるべく、下駄わらじMUNIで走っている時のフォームを意識して走りました。



少しずつ、足の痛みが和らぎ、足裏が柔らかくなる感覚もあり、微かにスピードも出てきた。でも、見えないほどの小さな石を踏んでしまうと、やはり痛い。

アスファルトの裸足RUNは、そもそも練習したことがないのだ、、、。
でも、そんな辛い時は、大切な人たちの顔が次々と浮かんでくる。

自分だけのために、こんな苦しいことは、人はできない。

自分の限界を越えられるか、越えられないか?マラソン大会でのチャレンジを、ippon bladeに出会ってから、4年も続けている。

何度も、まだ出会ったことのない、最高にかっこいいと思える自分に出会えた。

一本歯下駄ippon bladeでゴールテープを切った10Km、ハーフマラソン、フルマラソン、50Km。その一つひとつに、かけがえのない思い出がある。日本の山や城下町を日本の履き物で走るのは、先人たちの想いを引き継ぎながら走っているような、なんとも言えない不思議な充足感と魅力がある。

何度も、まだ出会ったことのない、最高にカッコ悪いと思う自分にも出会えた。

あともう少し、あともう少しなのに、50kmを超えると失速してしまう。関門にどうしても間に合わない。周りのランナーに話しかけてもらっても、笑顔で答えられる余裕がない。全てにどうしても、イライラしてしまう。

それから走っても、そんな自分が嫌になって「そこまでして、何のために私はこんなことをしてるんだ」ただの自己満足じゃないか。
誰も幸せにしていないじゃないか。止める理由をたくさん探してしまう。



いざという場面に出くわすほどに、普段の社会生活では押し隠している自分がひょっこりと出てくる。

周りから見たら、私ほど"自分らしく生きている"人はいない。そんな風に見えるだろうけれど、まだまだ、私は人に合わせて生きている。

それは、世の中全体が、そうなのかもしれない。うまく帳尻を合わせないと食べていけない。

だからこそ、お金を払って、わざわざ苦しいことをして、普段、隠している自分の心の癖に出会いにいくのかもしれない。


こんなに苦しいことをするのはなぜ?

本当に苦しい、いざという時は、自分の人生にとって大切な一握りのものだけが浮かび上がってくる。

気持ちに答えたい人たちがいる。

離れて暮らす娘、いつも一緒の天ちゃん、どんな私でも信じてくれる両親、最高にかっこいいippon bladeレジェンドたち、生徒さん、ippon bladeユーザーさん。

辛い状況の中で、大切な一握りのものだけが、ふわりふわりと浮かび上がってくる。その瞬間、ありがとうの気持ちで満たされる。
言葉にすると、薄っぺらくなるから、この体験を心の奥底に刻み込む。
体験記憶は、例えまた日常の忙しさに戻っても、心に深く残っていく。

その体験から、未来が拡がる。


ippon blade研究者としての役割

ippon blade研究者としての私の仕事は、想像や誰かがつくったエビデンスで終わらせるのではなく、身をもって実験して結果を検証していくこと。

そしてこの体験をippon bladeの活動に反映していくこと。

約1400年の歴史ある一本歯下駄を、ハイブリットに進化させたものがippon blade。ippon bladeが開発されてまだ6年程度。まだまだ実験や研究が必要。
それも、誰かにやらせるのではなく、製品に携わる中の人たちが自らやること。
ippon blade代表の天ちゃんは、結果が出ても出なくても、どんな時もずっとそうやってきた。だから、信頼できるし尊敬ができる。

自分の限界。

そういった点では、今回、私は丹後ウルトラマラソンで自分の限界以上をやり切った。

完走出来なかったことは、とっても悔しい。
自分の状態を鑑みながら、努力もしてきたし、練習不足では決してなかった。
これが「練習不足」っというのなら、身体を壊してまで練習量を増やさなくてはいけない。それは、私が私ではなくなってしまう。

まだまだ、体力も気力も残っていたのに。
ご飯だって食べれるし、どこも痛いところがない。
でも、間に合わなかった。

確かにもう足は重くて失速しているし、大会の基準のペースでは、走れない。

それは、この丹後ウルトラマラソンを走れる走力は残っていないという事実。
目の前が真っ暗になった。

「おつかれさまでした!」ランナー同士で声をかけ合う。

頑張ったもの同士で、労いあう瞬間が、とても癒される。

悔しい。っという気持ちでいっぱいだった自分(おそらく相手も)の心が、お互いに癒えていく。程なくして、一緒に走ったまいこちゃんが到着。関門には間に合わなかったけれど、とても元気そうで、暑い中、あの峠をこんな薄いワラーチで超えてきたんだ。そう思うと、嬉しさでいっぱいになり感動の波がまた押し寄せてきた。「まいこちゃーーん!!」大声で叫んだ。キョロキョロしているまいこちゃん。どんな時も、まいこちゃんは、まいこちゃん。
やり切った後に、一緒にゆっくり食べた丹後のバラ寿司は、とってもおいしかった。
もう一人、ワラーチで走っている美里さんから、「今、40km通過しました。すでに足に余裕がもうないですが、頑張ります!」っというメッセージが入ってきた。

「頑張れ!辛いのは気のせい!そこから必ず良くなる!絶対に諦めちゃだめ!」っという援護射撃を二人でメッセージした。


リタイアした選手は、まだ走っている選手を強引に応援できる 笑!
美里さんは、そこから走り続け8時間20分といういいペースでゴールしました。
本当に、おめでとうございます!良かった・・・。

リタイアした選手を会場まで送る帰りのバスは、悲壮感と清々しさが同居した独特の雰囲気があり、たくさんのランナーと言葉交わさずとも、気持ちを共有し合う。

本当にお疲れ様でした。


ippon blade369で丹後ウルトラ60kmにチャレンジして感じたこと。

①ダメージはゼロ、むしろ整う。全身の癒着がブレードの板で削ぎ落とされたみたいにスッキリしている。

②一本歯下駄ippon bladeでの大会完走を目指す場合は、条件が優しいものであれば完走できる確率が上がる。条件選びだいじ。

③ウルトラマラソンは、交通整理されないので歩道を走ることになる。砂利道や細い歩道もあるので、悪路をペース落とさず走る練習が必要。


はじめて転んだ。


混み合う細い歩道を、スニーカーの人たちと同じペースで走らなければいけないのは、かなり精神的にきつかった。

一度だけ、大会ではじめて転んでしまった。
細い歩道で、砂地の砂利道で、横の傾斜がきついところ。
隣と、後ろにランナーがいて、そこしか走れずペースを落とせなかった。

転ぶ瞬間だけ、なぜかスローモーションになり、急いで両手をついてそのまま立ち上がり、颯爽と駆け抜けた(つもり)
他のランナーと少し距離があったので、接触せずに済んだことが不幸中の幸い。

一本歯下駄で走るのは危険。
そう思われたくなかったし、何より数々の記録を厳しい大会で残してきた先輩たちの顔に泥を塗りたくなかった。

「大丈夫ですか?」聞かれても、「大丈夫!紐が少し緩んだだけです」そう言ってスピードを何も落とさずに走って現場では立ち止まらなかった。
でも、もう紐がゆるゆるになってしまい、膝は擦りむいて血が出ていた。

そのまましばらく走り、ようやく少し休めそうな広場で紐を結び直す。
血がダラダラと流れるほどの擦り傷じゃない。
手当をする時間もないから、そのまま走る。

大会ではじめて転んだことで、気持ちを切り替えるのが難しくなり、それからは慎重になり過ぎてしまった。砂利道の歩道ではより失速してしまう。

その日の帰りや、布団の中でも、瞼を閉じると、グラグラした中で、凸凹道を避けて走る足元の下駄歯の映像が、ずっと浮かんできた。

三半規管に、相当なストレスがかかった様子。
それでも疲れの方が大きくて、どっと眠り込んでしまい、翌朝はこの不思議な目眩のような症状もスッキリ無くなりました。

女性が一本歯下駄ippon bladeで大会出場の際に、気持ちよく走れる範囲

これは、あくまで一般女性がという私の見解なので、若いアスリートの選手だったら、未来は変わってくると思います。
それを踏まえた上で、一般の女性が、一本歯下駄ippon bladeで走るなら、頑張ってもハーフマラソンぐらいまでが、ちょうど良い距離と条件かなと思います。交通整理もされているし、走りやすい路面を選びながら走ることができる。
ハーフ以上を走るなら、制限時間が長かったり、コースの条件や制限時間が優しいもので充分。それでも、全く練習しなくてもぶっつけ本番で走れるという意味ではないので、練習は必要です・・・。

あくまで「整えるために走る」というのがippon bladeのコンセプトですから!
無理はおすすめできません。

これからまだチャレンジするのか?

っということで、私が、制限時間が短いウルトラマラソンに、これから一本歯下駄ippon bladeで完走を目指して走る。
っということは、無理なことを頑張ってやり続けることになるので、今後はありません。

これだけは、今回のチャレンジではっきりしました。
完走できる確率は極めて低いけれど、走れるところまで走る。っということは、あるかもしれません。

でも、周りの方々に、期待させたくないので、もう完走を目指すとは言いません。山を超えて走る制限時間がタイトなウルトラマラソンでは、30kmが私の限界です。

もし、それでも結果を残すことを目標にするなら、生理をピルで調整したり、痛み止めや、胃薬などが必要になるし、それに特化した練習やトレーニングが必要になり、ippon bladeのコンセプトである「整えるために走る」ことから外れてしまう。

結果を得るために、犠牲にするものがあまりに大きすぎる。
ワラーチでウルトラマラソンは、まだこれからも走っていきたい。

一本歯下駄では、ハーフ、時々、フルマラソンにチャレンジしたいと思います!

60歳になっても一本歯下駄ippon bladeでフルマラソンを走るおばあちゃん

それが私自身が目標とする「動けるからだの基準」なので、とにかくコツコツとやり続けます。

なんだか、そんなおばあちゃんは、前代未聞だし面白いかなって!

今回も、たくさんのランナーの方々が話しかけてくれました。
本当にありがとうございます。
また、どこかでお会いできますように・・・。

お一人、登り坂を走っていく私を見て、「その下駄は坂で推進力が増すから、登り坂を楽に走れるんだね」っと、仰ってくださった方がいました。

姿から全てが伝わっているんだと、心が震えてとても嬉しかった。

他にも、YouTube見てます!っとか、月山山麓ウルトラマラソンでお会いしました。っとか、たくさんの出会いと再会があり、本当に嬉しかったです。

私は、自分らしいランニングができました。

たくさんのランナーに出会い、どんな姿になろうと、自分との約束を守るために走っている人たちの姿は、とても輝いているし、みなさんのランニングも、本当にかっこよかった。

ippon bladeランニングは、心が調律され、身体が整う。

何が人間の心と身体にとって大切なことかは、全部、身体が知っている。

知っていることを、確認するために、わざわざ体験がある。

だから、体験することを恐れてはいけない。

失敗することを恐れたら、実験や冒険ができない。

だから私は、これからもippon bladeで実験と冒険を続けます!

いつも、応援してくださる皆様、本当にありがとうございます。

これからも・・・

これからも、自分自身の研鑽、実験を継続しつつ、ボディーワーカーやippon blade研究者としての仕事を深めていきます。

ippon bladeでマラソン大会を走りたいという方も、たくさんいらっしゃるので、サポートを全力でさせてもらいながら、走るだけではなく、ファッション、ヨガ、コンディショニング、踊りや武術など、垣根を超えて、様々な分野で活躍される方々と交流しながら、ippon bladeの汎用性をイメージしやすくしていきたいと思っています。

そして、これから山暮らしがはじまります!
両親が25年かけて育てた土地と家。
そこは春野町という天狗の里であり、ippon bladeで歩いたり、走ったりするのに、とても最適な修験の山です。

たくさんの方に自然体験をしていただきながら、新しい展開にも、とってもワクワクしています。

ippon blade公認指導者資格2期生も、募集が始まりました。
山でのリトリートプランがあるので、ただお勉強だけではない実験や冒険を、ぜひ一緒にしましょう!

詳細はこちら↓

本日も、最後まで読んでいただいて本当にありがとうございます!

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