新たな世界への扉が開いた日。
食への好奇心が強いので、コロナでなかなか出かけられないようになってからは休日にゴソゴソと今まで気になってた色々を作っている。基本的には日本で気軽に食べられない台湾のもの色々。「台灣小吃」と呼ばれるスナックのような、いわゆるB級グルメが多い。
その様子をインスタにアップしているわけだが、そこから近況を知った同じ類の友人から先日ステキなおやつとお茶っ葉が届いた。同封の手紙には「一緒に実験しませんか」というお誘いが。
すぐにお礼と空いてる日を伝え、数日後には具体的な日取りが確定した。
そして昨日が待ちに待ったその実験日でした。作ったのは名前のインパクトがすごい「大腸包小腸」という餅米ソーセージ(大腸に形容)に、スパイスと独特の甘みや少し粘りのある食感が特徴の台湾ソーセージ(小腸に形容)を挟むお米のホットドッグのようなものと、豆乳で作る豆腐のようで豆腐じゃない台湾のデザート「豆花」。
手紙をもらった時からワクワクして何度も脳内でイメトレしたりしてたけど、一緒に実験と実食を済ませた時の充実感と言ったら今まで体験した充実感とはまた違う大人の楽しみを知ったような爽やかさがあって達成感がものすごく、帰り道は頭がぼーっとしていた。乗り換えを間違えてることに気付かず全く違う方面の終点まで行ってしまうほどに。
台湾ソーセージは1日では作れないので各自が事前に作ったものを持ち寄り、餅米ソーセージは打ち合わせ通り2種類の作り方で。味付けした餅米を腸に詰めるところから一緒に作った(トップ画像)。そして餅米ソーセージを茹でている間に豆花作り。これも気になってた2種類の作り方で。
合間合間や実食中にはお互いの台湾旅行の思い出を話したりアレ食べた時の味の印象とか何が入ってあの味になるんかな、っていうあーでもないこーでもない話。次に作ってみたいものの話とか(これが何気に嬉しかった、「次」がある感じ!)。
今回の実験に声をかけてくれた彼女とは好奇心の強さと対象への熱量が似ているので心地良くやりやすい。ここまで突き止めたいっていう「ここ」が限りなく近い感じがするから妥協出来るところと出来ないところにあんまり差がなくて話が早いというか。また、彼女も中国語学習者なので躊躇なく中文レシピのリンクが送り合えることも大きい。
当日までの連絡もお互いが気になってるレシピの交換と実際に作って失敗したことを共有したぐらいで、当日は着いてすぐ軽く打ち合わせというか擦り合わせをしたら作業に入れたし。もちろん彼女がたくさん下準備してくれていたことにも助けられている。
スムーズなようでこれは相手と自分との間に対象物への温度差があるとなかなか上手くはいかない気がするので、まず同じ熱量の人に出会えたこと自体が幸せだ。
豆花はまあ数ステップでできるので大丈夫として(厳密にはシンプルだからこその難しさはあるけど)、大腸包小腸に関しては「とりあえず見た目だけは“それっぽい物”が出来たらいいね」っていう低めの合格ラインを設定して挑んだけど、思いのほかハイクオリティな仕上がりとなった。
次に台湾へ行ける目処が立たない今、日本でこんなテーブルを囲める人がどれほどいるだろうか。
コロナ以前からチョロチョロとずっと1人で台湾の食べ物を作っては自己完結してきたので活動しているという意識はなかったけど、それを誰かと共有できるというだけで相乗効果以上の化学反応が生まれた気がする。今後のソロ活動はこのいつかまたコラボできるかもしれない実験日を意識しながら取り組むことになるだろうからより精度も上がりそうで、そこにもまたワクワクしている。楽しい!