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話題のニュースはもう遅い?早さ以外の価値
朝のニュース番組を見ていたときのこと。
話題として学校設備「最新デジタル黒板」が紹介されていて、それを見た現役小学4年生の娘がポツリと一言。
「これ、前使っていたやつやん、もう昔のだね。」
これはなんとも衝撃。
このように知らない大人にとっては「最新技術」でも、現役の小学生にとってはすでに当たり前のもの。つまり、テレビが「新しい」と思って紹介するものは、視聴者の感覚からズレている可能性がある。
テレビをディスりたいわけでもなんでもなく(むしろテレビを作る方に近い)皆に求められる映像を作りたいための考察。
この件から感じた「新しさ」の価値とは?
教育関連、コンテンツ制作、プロダクト生産などサービス全般関連お勤めの方への内容です。
ニュースと現場の距離感
今朝、紹介されていた最新黒板は黒板に布を貼ってプロジェクターで投影。
布面に専用のデジタルペンで書き込みが反映できるというもの。
番組では「昔のプロジェクターは距離が必要でしたが今のプロジェクターは近距離でも投影できるんです」と新しげに紹介していたけど…
娘に「十分最新じゃない?」と聞くと娘の公立小学校で使っているのは見えにくいプロジェクターではなく明るいデジタル画面でタブレットやパソコンが反映できるのはもちろん、書き込みも中身を動かしたりも自由自在。
「リコーダーにもなるよ」「は?どゆこと?」
どうも、画面にリコーダーが登場し穴を塞ぐとその音が鳴るらしい。
もはやそれで楽器を吹く感じ伝わるのか?謎だけど…
DTMなどで音楽を作ったりデジタルで漫画を描く現代、芸術もデジタルに対応するという、学校は生活の訓練をする場所と捉えると時代の流れである。
OHPのスライドを投影していたのは昭和の話(懐かしいw)。
プロジェクターの投影距離が近いのが最新とかいうレベルでは無いのである。
「最新」を伝えるニュースは確かに必要だけど、グルメやゲームでエンタメ性の高い特集企画が増えてきているのは確か。
ここから色々なことが考えられる。
報道は視聴者のスマホ映像に勝てない
かつてテレビは「速報性」で価値を持っていた。災害や事件が起きたとき、真っ先に現場の映像を流せるのはテレビの特権だった。
だが今、第一報を届けるのはテレビではない。SNSに投稿された一般人のスマホ映像が、一瞬で世界に広まる。現場にいる一人ひとりが「報道機関」になった時代、テレビはどうしても後追いになってしまう。
トレンドはネットやバズりを参考にする時代
エンタメや流行の分野でも同じだ。かつてテレビは「流行を作る側」だった。だが今、多くのテレビ番組がネタ探しのためにTwitterやTikTokのトレンドをチェックしている。ネットでバズった話題をテレビが後追いすることが当たり前になり、「テレビ発」のブームは生まれにくくなっている。
こうした状況の中、テレビが生き残るためには「速さ」ではなく違う価値を提供しなければならない。
テレビが生き残るための解決策
では、テレビには何ができるのか?
1. 「深さ」で勝負する
ネットの情報は断片的になりがち。
テレビには、独自の取材力と編集力があるからこそ単なるニュースの紹介ではなく、その背景や影響まで深く掘り下げ、視聴者に「なるほど」と思わせることが重要になる。
• 単なる報道ではなく「なぜ」「その後」を深く長期取材で追う
• 流行の裏側にある「仕掛け人」や「構造」を解説する
長期的な視野で取材できるのも資金力があるテレビの方が質が高い映像を作れる強み。
2. 「体験価値」を提供する
ネットでもライブ配信はあるがTVにはクオリティの高い制作力がある。
• 圧倒的な映像美や演出を活かした「没入感」のある番組作り
• 視聴者参加型の生放送やリアルイベントとの連動
例えば、スポーツ中継で最新技術を駆使して選手の視点を体験できる映像を作ったり、ドキュメンタリーでVRを活用して「その場にいるような」感覚を作り出したりすることで、ネットにはない体験価値を生み出せる。
3. 「信頼性」と「ブランド力」を強化する
ネットは速いが、フェイクニュースも多い。テレビは「確かな情報を伝えるメディア」として、視聴者の信頼を得ることが生き残る鍵になる。
• ファクトチェックを徹底し多角的な構成にする
• 信頼できる著名人や専門家をキャスティング出来る
資金力を活かした「この番組なら間違いない」というブランドを作ることでネットが弱い信頼性を強化することで速さではない部分で訴える。
4. 「ストーリー」で引き込む
経験ある構成者やライターが執筆し、経験あるカメラマンが引き出し腕のあるディレクターが編集した情報の羅列ではない「物語」。
物語として伝えることで、視聴者の心を動かす上質なコンテンツになる。
• 単なるニュースではなく、そこに関わる人々のドラマを描く
• 視聴者が感情移入できる構成にする
例えば、ただ「最新のデジタル黒板が導入されました」と報じるのではなく、それを活用する先生や生徒のストーリーを伝え、「学び方がどう変わったのか?」をリアルに描くことで、視聴者の共感を得られる。
テレビは「速さ」以外で勝てるか?
テレビが情報の「速さ」でネットに勝つのは、もはや難しい。
昔のように雑誌やファッションも誰かフィクサーが数人集まって決める時代ではない、テレビの番組企画決定はドラマ「ホットスポット」を見ればわかるように10人もいなかったりする。我々テレビショッピングの内容を決定する企画会議も同じように少数で決定される。
その10人で日本人でも1億2,000万人の最新情報を網羅できるかといえば不可能なのは明白の事実。
でもそれはどの業界でも同じ。
新しさや機能だけではなく「深さ」「体験」「信頼」「ストーリー」という新しい価値の伝え方を磨けば、まだまだ生き残る道はある。テレビショッピングもそのような企画になっている。
朝の娘の「もう昔のだね」という言葉は大きなヒントかもしれない。
「最新」を届けるのではなく「本質」を届ける時代へ——。
今こそ、コミュニケーションを再定義するときなのかもしれない。
「速さ」で勝てない時代に生き残るには
これは、テレビ業界だけでなく、他の仕事にも活かせる。
たとえば
マーケティング、商品開発においては、流行を追うだけでなく長く愛される商品や企業価値を物語としてブランディング。
営業、プレゼンにおいてはただの特性説明ではなく、相手の状況を汲み取って感情に響く伝え方をする。
コンサル、サービス業であれば、AIが出来ない知見と目の前のクライアント状況に応じたカスタマイズされた温かみのある意外性を持った属人性の高い誠実な対応が差別化につながる。
接客、コンテンツ制作では、単なる提供ではなく「また体験したい」と思わせるここでしか得られないリアルな体験提供において工夫をする。
どの業界でも環境は変わる。でも、単なる「速さ」ではなく「深さ」「信頼」「体験」に目を向ければ、新しい生き残り方が見えてくる。
ただ情報を速く伝えるだけの動画で反応が薄かったなら…
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映像ディレクターの映像記録
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