2023_3nd_week(1/16-1/22)
何を隠そう、朝オムレツを食べて、昼オムライスを食べる程の卵好き。
そんな卵ラバーが綴る2023年3週目。ダウンアンダー一色です。
1/16(月)
女子ダウンアンダーstage2。在宅勤務の日は昼休みに映像で観戦できるのがいい。この日は飛び出したスプラットをキャッチした後、ラストコーナーを先頭でクリアしたマンリーが勝利。ダウンアンダー、こういう長めのやや登ってるスプリントフィニッシュ多くないですか?踏み出すタイミングが難しそう。
この日はローズマンギャノンがブラウンを上手く封じていて、ジェイコ・アルウラー(伸ばすんですね、ウラー)女子たちがいいレースしたな~という感じです。しかしスプラットもブラウンも、何なら女王ファンフルーテンもグリーンエッジ卒業生なんですよね。毎年いい選手が抜けていく悲哀。
1/17(火)
ダウンアンダー女子最終日。事務所に出社の日でテキストライブを途中まで追ってましたが、激アツな展開でした。激坂コークスクリューで飛び出したスプラットで決まりかと思ったら、ブラウンが猛追。フィナーレは漫画のような2人のマッチスプリント。勝ったのはブラウン。追走の勢いそのままの大変良いロングスプリントでした。総合も逆転というドラマティックな幕切れ。
FDJ女子は一昔前はルドヴィグが1人で頑張っているイメージでしたが、昨年カヴァッリが覚醒、ロングアタックができるTT巧者のブラウンも存在感を増して、上手く3本柱がかみ合っている感があります。コッポーニのスプリントもいい。面白いチームプレイを仕掛けてくるチームで女子ウルフパック感があり、注目しています。あとはトレックもチームプレイチーム(?)ですね。
男子ダウンアンダーはプロローグ、短距離TTで開幕。全員TTバイクなしというレギュレーション。まあ5.5kmのためにヨーロッパから全員分のバイク持ってくるの大変ですしね。それでもちゃんとバトンホイールを付けてTT仕様セッティングバイクで走っているのは流石で、メカニックの皆さんはお疲れ様でございます。
サイモンの出走の時に出ていた顔写真がメーウス(今年から髪型を変えて坊主になった)で、いや別人!となりました。気付いて主催者!
そして走行中の写真はLLサンチェス。なんでやねん。
日本時間夕方の配信でリアルタイム視聴できなかったのですが、序盤と中盤の限られた時間以外は雨だったそうで、ほとんどの選手が全開走行できなかったそうです。
1/18(水)
ダウンアンダー男子stage1。落車多すぎ。シーズン初戦の選手が多いとはいえ、これは酷い。
ヘーシンクは12月下旬からオーストラリアに前乗りしていたのに実質初日で帰宅とか、ちょっと言葉がない。また落車復帰にチームカーを使ったとしてノックスくんが失格になったのだが、これが界隈で大きな問題になっていた。
ノックスくん本人がSNSに声明を出し、この失格判断はチームドクターによる骨折や脳震盪の診断を省略して早くレースに戻ることを推進するものだと批判。 多くの選手もこの意見に賛同していた。
個人的な考えだが、落車した選手の扱いをもう少し細かく整理した方がいいと感じる。選手・バイクの落車ダメージチェックをした上で、集団復帰をさせる/させないタイミングを規定、復帰させる場合は一時ニュートラルにするか車列の利用を認めるとか。落車もレースの一部と言うなら選手の安全確保を織り込んだルールを策定するべきではないか。
あとは装備面。そもそもヘルメットもあんなに部分的で大丈夫なのかと心配になる。メーカーはチームの要請を受けて速さと軽さを目指したギアを開発するが、それが結果的に安全性を引き下げる結果になっているのは皮肉だ。これもルールで仕切らないと改善されない部分なのでは…と思う。
他のスポーツも少しずつルールが変わってきたと聞く。自転車も変わってほしいし、自分も手の届く範囲で意見を伝えたり発信していきたい。
ちなみにノックスくんは失格になった後もオーストラリアに留まっていて、stage3のフィニッシュを観に来ていました。怪我なく元気そうで良かった。サイモンがケラケラ笑っていて、ノックスくんとの仲良しぶりが伺えていいぞ。この後クリケットを観に行くそうです。
ちなみにノックスくんとサイモンは東京五輪の英国代表メンバーとして一緒に過ごした仲でもあります(ノックスくんはリザーブ)
その時のことをこちらの記事で話していて、メディアでは大人しいイェーツ兄弟は2人一緒だと話が止まらない賑やかなお茶目さんとのことです。
1/19(木)
仕事終わりにダウンアンダーstage2の結果をチェック。全く予想のつかない展開だった。
リーダージャージのベッティオルが足攣りで脱落
バーチャルリーダーマシューズが接触のちメカトラで脱落
山岳と総合狙いのヴァインのアタックに総合勢が反応
先頭グループにいたデニスがTT能力を活かし超ロングスプリントで勝利
1/20(金)
ダウンアンダー男子stage3。「サイモンはスプリントがない」と言われると「いやないことないです、むしろ売る程あります」と言いたくなる面倒くさい人間とは私のこと。トラックポイントレースの元世界王者やぞー。
英語コメンタリーがあればそちらを観るようになってしまった理由の1つに、この日本語コメンタリーの情報の偏りがある。時には海外メディアでは聴いたことがないような話が出てくることもあって、戸惑ってしまう。
表面的な情報提供が多く、深堀がないのも残念に感じる点。これはArenberg Podcastのロードレースカタカナ表記ミーティング回で触れられていた日本特有の実況・解説の役割分担の影響も多分にあると思う。複数人で意見交換をしていくフォーマットではないのだ。中には解説役の方に話を振りつつ、上手に自分の見解を交えて話を展開していく実況の方もいるのだが(これは流石プロだなと感心する)
では英語コメンタリーが最高かというと、誰がやるかによる。好きなコメンテーターさんは多いが、中には苦手な人もいる。なので究極的には人それぞれの好みということになるのだろう。
それでも英語コメンタリーを選びたくなるのは、誰に当たったとしても映像なしで音声だけを聴いていてもレース展開が把握できるコメントをしてくれるからだ。日本語だとその時やっているレースと関係がないことを延々と話す人がいて、頼むから今起こっていることを伝えてくれよ!と言いたくなってしまう。
冗長な時間が多いロードレースを観てもらうための工夫というのはわかるし、それを楽しんでいる人がいるのも知っている。でも、同時にその時やっているレースの話を聞いていたい人間は(少なくとも自分の周りには結構)いるのだ。ということで、全てのレースで日本語と英語コメンタリーが同時配信される日が来るといいな…と思っている。
ところでスターバックスの新作のティーラテが大変好みで、職場のあるビルに入っているスターバックスに通っている。花の香りのお茶が好きな人はハマる味ではないでしょうか!お高いけど。
1/21(土)
掃除をして昼食を作りながらダウンアンダー男子stage4を観戦。今年のダウンアンダーはいつになくガチだな…と思っていたらThe Cycling Podcastの最新エピソードでも「今年のダウンアンダーは以前とは全く違っている」と言われいて、やはり!と思った。
「ヒンドレーやサイモン・イェーツなどのグランツールライダーがこんなに早くピークを迎えて大丈夫なのか」という、私も疑問に思っていた点についても話題に上がっていた。これは「ロードレースも走るシクロクロッサーのように、レースを上手に使って年中高いパフォーマンスレベルを維持するのでは」とのこと。
U23チームのハーゲンズバーマン・アクセオンを率いるアクセル・メルクス氏が、ロードとシクロをトップレベルで走り続けるマチューとワウトがオーバーレースとオーバートレーニングでバーンアウトするんではと心配していた記事を思い出した。ロードレースは仁義なき弱肉強食の時代。ワールドチーム残留ポイントを稼ぎスポンサーを満足させるために、選手たちは勝ち続けなければならない。レース強度は上がり、そのまま高止まりし続けるので、シクロクロッサー以外もシーズン中はずっとフルスロットルで走らなければならなくなったということか。観る分にはこの上なく面白いが、選手の健康が心配になる。肉体的にも精神的にも、長く競技を続けることができるといいのだが。
ポッドキャスト後半では引退後の選手のメンタルについての話もあり、色々と考えさせられた。
1/22(日)
ダウンアンダー男子最終日。マシューズの脱落で急遽総合単独エースのお鉢が回ってきたサイモンがきっちり仕事をしてステージ優勝と総合2位。これができる男の走りですわよ奥様~!
サイモンは今年はツール狙いなので現時点ではキレキレのフォームではないものの、それなりの仕上がり。観戦仲間曰く、グランツールを狙う総合勢は高地トレーニングの感触をシーズン頭のレースで試したりするらしい。その場合、追い込んではみるものの、追い込み過ぎないのがセオリー。この日のサイモンはまさにそんな感じでした。研ぎ上がっていない刀でもそれなりに切れるぞ、的な(謎の例え)
最終日だしアップダウンのある周回コースだし逃げ切り決まらんかな~と夢見てたんですが、オフ明けに高強度で長距離逃げられる選手はそう多くないそうで。アタックに必要な瞬発力は早めに戻ってくるけど、シーズンピークのFTPで長時間走れるようになるには時間が必要とのこと。
自分はレースを全く走らないデジタルゆるポタ勢なので、選手のコンディションについてはガチサイクリストの観戦仲間に色々教えてもらっています。持つべきものは友人!
最後に、今シーズン知っていると楽しいのではと思うTIPSをまとめた記事をスペシャライズド公式ブログさんで書いたので、良かったら見て行って下さい!
今週読んだ本
BRUTUS 2022年12月15日号「サウナ、その先の楽園へ」
アイテムで読み解く西洋名画(佐藤晃子)