煮しめのチカラ
連日の35℃から、突然気温が23℃に下がった日。
8月12日に、温泉の後、五戸の道の駅に行った時に、お盆の花を求める人で大混雑。ただ野菜を求めに行った我々は、一瞬、怯んだが、辛抱強く会計の順番を待った。20人ぐらいは並んでいた気がする。
そこでダンナは六戸のめっちゃ分厚い油揚げ(まるで生揚げのよう!)や、ごぼうをゲットした。この涼しい天気、どうしようか迷っていた煮しめにGO!サインが出たのである。
即、イオンに行き、フキやわらび、竹の子の水煮、卵、こんにゃく、焼豆腐、高野豆腐などを買い足した。
ダンナが煮しめを作る間、私も2階の寝室の掃除機や、布団直し等、いろいろな家事をする。
お盆ってなんで煮しめなのか思い出してみると、やっぱり大勢の訪問客があったり、墓参りでバタバタしているので、一気に沢山作れる煮しめが便利なのだろう。お正月と似たようなものだ。
問題は、気温だけ。
30℃越えの毎日だったら、すぐ、悪くなってしまいそうではないか。
23℃だから作る気になったし、23℃でも油断していない。
いつも火入れをするし、2日目には半分以上の具をタッパーに入れて、冷蔵庫にしまった。
初めは、ちょっと味が薄かったかな?と言っていた煮しめも、何度も温め直したり、日が経つにつれて、いい感じに、煮しまってきた。
味も深く、美味しくなってくる。
30℃越えの天気に慣れた我々には23℃は涼しすぎて、寒いぐらい、冷酒に、温かい酒のアテが嬉しいのであった。
煮しめというと下北を思い出す。
私の姉が新卒で下北の小学校に勤めていた。大学4年生の時に卒業制作のネタ探しに遊びに行くと、姉が仲良くなった地元の同僚の家で、ばさまが煮た美味しい煮しめをごちそうになった。
「うちのばあちゃん、カレーも煮しめも出汁が同じでさ、カレー作るときも昆布とか焼き干しとか同じ出汁とるんだよ~」
カレーのルーだけでも美味しいのにそれはさぞや美味しいカレーができることだろうと想像しながら話を聞いた。
小さな町の観光客が誰もいない道路に赤い提灯がずらりとぶらさがり、日常と違う姿を見せている。
京風の山車を引くお祭りは、風情があってよかった。
その各山車に載せる人形があり、田村麿像を支える人が町内で順番に決まっていると当時聞いた。祭りを見ると、確かに人形の後ろにそれを支える長老のような人がいるのである。
しかし、これも40年近く前に観た一度きりの祭りの話だ。
今は観光客も増えたかもしれないし、また違っているのかもしれない。
姉の友人のばさまの話を聞きながら、美味しい煮しめをどっさりごちそうになった楽しい思い出が蘇ってきた。私の祖母は、母方は亡くなり、父方は離れた秋田県にいたので、ばさまと一緒に近くにいる姉の友人を羨ましく思ったのである。
じさまもいいけど、ばさまっていうのが、また母親よりもなんでも許してくれそうな絶対安心を感じる存在であるなあと思った。
母が「私、お酒強いの」と言って、みんなを笑わせたことを思い出し、
ビールを飲めば、ビール、日本酒を飲めば日本酒を盃に注いで、煮しめも小皿によそって写真の前に置いた。
もちろん、母の一番大好きな団子も忘れていない。
甥っ子から、はかまいりかんりょう!とlineが入っていた。