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スカフェラレネー話②

(続き物になっているのでよければ①も読んでいただけると嬉しいです。)

 いつも雪に塗り込められる津軽の人間としては、やっぱり雪が無いって言うのが最高だ。
 津軽の人間はつねに雪と戦っている。
 本当にあるのかわからないが、雪かきノイローゼという言葉を聞いたことがある。一日に何度も雪かきをしなければならない。
 さっきやったはずなのに1時間も経つと、また、雪が積もっている。

 母が八戸市に遊びに来て、
「驚いた!八戸市はほうきで雪を掃くんだ!」
 とびっくりしていた。
 そんなやわな雪と違う。とにかく何度も積もる。
 だから、八戸市は、青森県なのにめっちゃ、雪に弱い。
 前にとんでもないドカ雪が降って、除雪の下手さがたたって、道路が全く渋滞した日があった。私はたまたま兼務校(美術教師は授業時数が少ないということで、美術教師が、設置されない学校に出かけて美術の授業をすること)の日で、1日、5時間ぐらい車に乗っていたことがある。
 雪の降る津軽と違う意味で相当大変なのに、全くニュースにはならない一日を過ごしたことも有る。(確かにこの程度の雪でニュースになったら、ばちがあたりそうだ)

 ある時、同じ職場の仲間にも、津軽人がけっこういるらしいと気づいた。
 みんな相手がいないとこてこての津軽弁が飛び出すことはないけど、標準語に近い言葉で話しているけれど、本当は、津軽人。
 テレビでよくわからない言葉の代表として取り上げられる津軽弁を津軽人は大好きだ。
 自動車のナビが出た時、標準語のほかに大阪弁と津軽弁が装備されたと聞いたことがあるけれど、大阪弁と並ぶぐらいのメジャーな方言だと思っている。

 津軽弁の地位の向上に貢献したのは、やっぱり「津軽弁の日」という番組の存在が大きい。これは青森放送の冠番組と言っていい。

 津軽弁の日(つがるべんのひ)は毎年10月23日に青森市文化会館(リンクステーションホール青森)で行われる青森県津軽地方で話されている津軽弁をテーマとした催し物。2012年で25回目を迎えた。 イベントの行われる10月23日は、青森県の誇る方言詩人、高木恭造の命日にあたる。主催は「津軽弁の日やるべし会」。一般の人から津軽弁に関する「短歌、俳句、川柳」「体験記」「詩」を募集し、優秀な作品は伊奈かっぺいを始めとする面々が会場で朗読する。作品は青森県内からだけでなく県外からも多数寄せられている。また出演者同士の津軽弁丸出しの会話も楽しみの一つである。
 会場はかつて「だびよん劇場」を使用していたが、廃業に伴い現在は青森市文化会館で行われている。後日、青森放送にてテレビやラジオでイベントの模様が放送される。また、カセットテープやCDも発売され青森土産の一つとなっている。(ネットより引用)

 この「津軽弁の日の25周年記念CD」が各教育機関に配られたらしい。
 非売品だ。毎年楽しみにしている津軽弁の日の25年間の面白い話がダイジェスト版になったというCD。小学校教師の姉からそんなCDがあることを聞かされた私は、小学校はいいなあと思っていた。

 ある日、教頭先生のところに書類に押印をもらいにいくと、教頭先生の背中の黒板に、そのCDが、立て掛けられてあるのを発見する。

あれれ、まさか、そんなところに!

「教頭先生!そのCD借りてもいいですか?」
「ああ、これ、送られてきたんだけどどうしようか困ってました。」
「じゃ、図書部で保管します!」
「ああ、よかった」
 そう言って、私はそのCDをやすやすとゲットした。

 それを通勤の車の中の行き帰りに毎日聞いた。
 大笑いして仕事場に到着。家に帰るまでの道のりも楽しい。
「津軽弁の日の25周年記念CD」を聞いた私の心に津軽弁への愛があふれた。

 津軽弁は面白い。
 最高だ。


 思わず自分の身の回りに津軽弁のネタを探して、勢いで、投稿した。
 ビギナーズラックというのか、私の話が入選した。

 うわおう、これすっげー嬉しい!

 津軽人にとって、津軽弁の日の入賞は、芥川賞にも値する賞だ。

 いやいやまてまて、すべての入選作品の中から、最後に、高木恭造賞と牧良介賞が選ばれる。
 芥川賞が高木恭造賞で、直木賞が牧良介賞に値する。

(そう思っているのはわたしだけか?つづく( ^ω^)・・・。)