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【ショートショート】洞窟の奥はお子様ランチ✧♡

 ある遺跡の発掘調査をしていたT教授が、体調を崩し、あっという間に、亡くなった。調査団は突然のリーダーの不在に呆然としていたが、その時に、教授のfileに、あるメモが残されていたことに助手Aが気づいた。

「洞窟の奥はお子様ランチ」

 メモが発見されたことは嬉しいことのような気がしたが、これは、呆然とした調査団をさらに呆然とさせるような謎のメモだった。

 エジプトの遺跡発掘に、怪死を遂げた事件は有った。

 T教授亡き後も意志をついで、調査団は発掘を進めていたが、誰からともなく、そんな怪死の噂が持ち上がり、初めはせせら笑っていた連中も、次第に、発掘に対するモチベが削がれている今日この頃である。

「洞窟の奥はお子様ランチ」

 このメッセージは一体、何なのだろうか。

 お子様ランチ。お子様は嬉しいかもしれないが、大人にそのランチには満足感がない。子供だましの。

 そうか。
 この発掘を進めても、お子様ランチほどの研究の成果しかない。
 T教授は死の淵で、そんな気持ちを伝えようとしたのではないか?

 モチベが削がれていたので、調査団の全員が、助手Aのその説に賛成。

 発掘は打ち切りとなった。

                                    

 本文(486字)
【洞窟の奥はお子様ランチ】のお題で【冒険小説風】