2023年最後の旅✧♡①
家を10:35に出発。徒歩でバス停に行く。
こうやって年末に出かけるのも何度目かだが、こんなに晴れた風の無い日に出かけたことは無い。
バスは10:54発。
一番後ろに乗り込み、いつも見たことのない高い位置から町を見る。
いつも散歩で歩く川は大きく美しい。大好きなポプラの木も見える。
雪も無く、スムーズにバスは走っていく。
バスにたまに乗ると小銭を持っているかどうか不安だが、黒帯が財布にたくさん小銭があるという事で安心してバスに揺られている。
いつの間にか八戸のバスも電子化しており、おじいさんおばあさんが、ピッとカード一枚でスマートに乗り降りしているのだった。
八戸は車社会でほとんどの用事を車で足しているが、免許を返納したら、こうやってバスに揺られて用事を足すのかしら?なんて考えながら、バスに揺られている。
それにしてもバスの運転手が何をアナウンスしているのかわからない。
「あひmろといrにうていください」
今、なんと言った?黒帯と顔を見合わせる。
バスに30分は揺られながらヒヤリングを頑張ったが、ついぞ聞き取れなかった。運転手は年配でマスクをし、アナウンスも独特のいつものネイティブ?なノリでしているのだ。
何を言っているか聞き取れない運転手のアナウンス
八戸駅に着き、弘前行きの切符を買い、コンビニでお握りと暖かいお茶を買う。朝、トースト1枚程度のハムチーズサンドを食べたが、昼が近くなり小腹が空いている。温かい駅ソバでも食べたいところだが、帰省の人たちで混んでいる構内は蕎麦屋の前も行列だ。諦めてお握りを2個買ったのである。
新幹線のホームの誰もいない待合室で黒帯とお握りを半分こして食べた。できるだけ、ストックした食品を食べきろうと、冷凍したご飯も少し残ったスパゲティもすべて平らげ、冷蔵庫には食パン、ハム、チーズ、水、ビールぐらいしかない。
弘前で、美味しい店でランチと行きたいが、今夜は高校時代の仲間といつものスペイン料理店に集まる予定。そのメンツになぜか三つ年上のあねさまもはいって、御馳走を食べる日なのだ。
夜の御馳走を美味しく迎えるために、多少、飢えておく必要がある。
今、食べ過ぎては台無しだ。
そこで、待合室で、お握りw。
ごちそう前の、待合室でコンビニお握りとお茶
時間になり、12:04の新幹線に乗った。
空いた席に座る。座ったら、目の前にカラダにナナメがけにするタイプの黒い鞄が下がっていて、人がいるのかな?と席を変える。
しかし、財布とか入れて身に付けるような鞄なので、さっき、八戸駅で降りていく人が忘れたのだろうという気がする。可哀想になあ。故郷に着いた安心感で、あわてて降りていったのだろう。せめて、その鞄をぱくっていくような人がいないようにさりげなく見張りながら新青森に着いた。
あとはJRの人がなんとかしてくれるだろう。
故郷に帰る途中で新幹線に鞄忘れる
今日は、いいお天気なのに、ケッコウ、寒いぞ~www
自分じゃないのが救いだ。
この新青森駅が、この旅の最高の難所である。
新幹線が来る前は、八戸-弘前間をつなぐ快適な一本の列車があって大そう便利だったが、今は、新幹線から鈍行へ、というなんともいえない乗り換えをしなければならない。弘前に住む高校の同級生は、東京へ行くときはグランクラスに乗ると言っていたが、グランクラスの後の、あの寒いホームに並んで、鈍行は、寒すぎる。弘前市民の冬の季語だ。
グランクラスの後の鈍行(新青森ー弘前)
我々も日頃の体験から、暖かい待合室を早々に出て、乗車口に並ぶ。
弘前ー青森間は1時間弱の道のりだが、できれば座りたい。
そのため、ホームに並ぶ必要がある。先頭に並んでいる若い女の子は長いコートを着ているが寒さに震えている。可哀想にと思うが、我々は、彼女を風除けにして後ろに並ぶ。今日はいつもよりましな天気だというものの、風の吹き込むホームは、ああ、なんて寒いんでしょ!
乗り込んだ急行はさほど混んでは居ず、急行料金を払って、快適に2人並んで座った。泣き叫ぶ子供もいないし、全員、座れて、至極、快適。
よしよし、今日、最大の難所を乗り切った。
弘前駅に13:30頃着いた。
なに?13時台?
たしか黒帯は、14時20分ごろ着くから、チェックインまであと少しだという予定だったはずだが?どうやら、1時間、間違えていたらしい。
とんだ伏兵だ。
用意周到なはずの黒帯のうっかりミス
バスで行こうと言っていた黒帯は、歩くことにしよう、時間はいっぱいあると方針を変更。2人で、駅前から公園近くのホテルまでの道を歩く。
いつも雪深いはずの弘前の街が、ところどころ雪の無い道が見える雪の少なさ。雪が解けてぐじゃぐじゃの所もあるが、いつもの冬に比べてとても歩きやすい。
中三デパートの本屋に寄ったり時間を潰すがなかなか潰れない。黒帯がお腹が空いたと申し立て、地下で、小さな焼きそばを買う。私はおなかは空いていない。なにしろ今夜は御馳走なのだ。
結局、ホテルに、ちょっと早く着いたんですがと受付をしてもらう。チェックイン15時は変わらず、重い荷物は預けて、2人でまた、街に向かって歩き出すことに。
これはもう、仕方が無い、お気に入りの蕎麦屋で熱燗を飲むしかないではないか!喫茶店で珈琲っていう気分ではまるでない2人。
だって、年末年始だもの!
お屠蘇、お屠蘇!
危険は、そこでついつい酒のつまみからそばまで食べてしまう事であるが、そこは理性で乗り切るしかない。
チェックインまで、45分ぐらいあるんだもの。
お気に入りの蕎麦屋まで歩いて行ってみると、なんと、蕎麦屋は、準備中に入っていた。確かに蕎麦屋も、年越しそばづくりで忙しいのだろう。
お気に入りの蕎麦屋の準備中
いよいよ、心のよりどころを失った2人はしばらく、代わりの店はないかと歩いてみたが、年末だけあって、正月休みに入った店も多く、喫茶店も開いていないのであった( ´艸`)。トホホ。
いや、今夜は御馳走だから、むしろ、蕎麦屋もどこも休みで正解だ!と黒帯と互いを励まし合いながら、飲み屋街をぐるぐる歩いた。
諦めてコンビニで水を買い、結局、ホテルのロビーでチェックインを待つことにした。ふうぅ。
山ちゃんのまねして冬の季語風に書いてみたが、冬の季語にも、色んな段階があるような気がする。暖冬から極寒まで。
「お客様、お部屋の準備ができました」
と、声をかけられて、14:45に、早めのチェックインとなった。(つづく)