SEXができない
私の母は、とても真面目で堅い人だった。
17歳の時に子宮がなく、膣が浅いと言われてから、私はずっとインターネットで自分の身体について色々と調べていた。だけど出てくる情報は、染色体の異常により生まれつきの膣の欠損と、子宮がないなど同じような情報しか得られず辟易していた。
だけど膣は、造膣手術をすれば性行為はできるようになると書いてあった。
だけどその当時、ロキタンスキー症候群に関して知識のあるお医者さんにたどり着くのは本当に難しく、造膣手術に関しての情報と言えば、性転換をするためのもの。みたいな情報しかなかった。
母には、
手術は結婚してからでいいんじゃない?
と言われ、当時、恋愛なんかまともにしたことのない私は
あ、そういうものなんだ…
って思ったし、私はその時17歳で、まだ子供で、性に対しての興味が全くないわけでは無かったけれど、
性行為をするためにわざわざ手術するなんて…
という抵抗があったのも事実…。そして上記の母の言葉があり、母が言うならそうなのか…と、手術をしないで来ました。
だけど、この事に関しては、もっときちんと話し合って2人で結論を出して欲しかったと今でも感じる。
18歳になり好きな人ができ、付き合う事になった。最初に自分の身体の事を説明した。私の説明の仕方が悪かったのか、彼はきちんと理解してくれたのかよく分からない感じで、私も不安ではあったけど、私の事が好きなら受け入れてくれるだろう。という傲慢な気持が少なからずあった…そして
あっさり浮気された…。
ショックではあったけど、今振り返るとこの時の私は、自分の身体を自分自身で一番受け入れてあげてた時期だと思う。
性行為もできない、子供も産めないけれど、これが私。それを受け入れてくれない人なんて、本当に私の事を好きじゃない。
そう思ったからだ。
その後、身体の事を受け入れてくれる人もいたけど、受け入れられないという人もいて、これが現実なんだ…と突きつけられた気がした。
でも実際、受け入れてくれた男性がいても、相手が好きだからこそ
この人は本当に私が彼女でいいのだろうか…
という思いが膨らんでくる。
つづく