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【詩】味覚

幼い舌は ただ震え
口を尖らせて 吐き出すだけ
この苦味、味わえるほど
酸いも甘いも知っちゃいないくせに

渋みの痕が 喉を締め
辛さの炎が 胸を刺す
それでも知らず 飲み込む先に
微かな甘露が 眠っている

舌先を焼く 熱い痛みも
味わうほどに 意味を持つ
甘さと苦さ 渋みの奥
全てが今、ひとつに溶け合う

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