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宇宙における窓際の席より
わたしはずっと朝を待っていた。
あなたの姿、あなたの肌の色が鮮やかに見えるこのときを。
その目に映るものとして、待っていた。
朝陽を見ていると、眠っていたときのことを思い出せそうな気がする。見たくて仕方ない景色のことは、たとえこの目で見たことがなくても憶えているものだ。
そうしたいひとと出逢ってしまったらそうすればいいと思います。
どんなものであれ生きている他者がもたらすものを一番重んじるべきだとわたしは考えます。
ひとりでは得難いよろこびを、状況を、憎しみを、傷や病を、汲めども尽きぬエネルギーを、体験するということを愛してしまう。
仕方ない。仕方ないよ。
ここよりもっとさびしい星へ行くことを想像してごらん。
同じように疲れて、同じように死んでゆけたらよかったのかもしれない。そうしたいひとと出逢っていたらわたしもそうしていたかもしれない。
ここよりさびしい星でたったひとりあなたが安らうとき、ほんとうはそこに誰がいる?
あなたが欲しくて仕方ない孤独のことを、わたしは生きているあいだにもうすこしわかりたい。
出逢ってしまったから、わかりたいと思ってしまった。
ぜんぶお使いだと思っています。
うまく使ってもらえている気がするときうれしいし、使っているほうもたぶんうれしい。
うまくいったら、ハイタッチしよう。
わたしはかつて使って欲しいと願ったことがある。
願い事が叶うというのはほんとうにしずかで、見過ごしそうになる。遠くからゆっくり返ってくるこだま、この世はシェフがひとりで切り盛りしているレストラン。これはたったひとりによって書かれた物語。
この窓際の席からは風に舞う雪が見えます。